問題
問54
WBSを作成するときに、作業の記述や完了基準などを記述した補助文書を作成する。この文書の目的として、適切なものはどれか。
- WBSで定義した作業で使用するデータの意味を明確に定義する。
- WBSで定義した作業の進捗を管理する。
- WBSで定義した作業のスケジュールのクリティカルパスを求める。
- WBSで定義した作業の内容と意味を明確に定義する。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問54]
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正解
正解は「エ」です。
解説
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトの作業を細かく分解して整理する手法であり、各作業の記述や完了基準を定義する補助文書を作成することで、作業の明確化を図ります。選択肢「エ」の「WBSで定義した作業の内容と意味を明確に定義する。」が適切です。
WBSの補助文書は、作業の詳細を明確にし、各作業の目的・手順・完了基準などを関係者と共有するために作成されます。例えば、システム開発プロジェクトで「ログイン画面の設計」という作業がある場合、その作業の目的(ユーザーがシステムにログインできるようにする)、作業手順(設計仕様書の作成、レビュー、修正)、完了基準(設計が承認され、実装可能な状態になっている)などを記載します。これにより、作業の理解が統一され、スムーズな進行が可能になります。
ア(WBSで定義した作業で使用するデータの意味を明確に定義する。):
データの意味を明確にすることは、プロジェクトマネジメントの一部ですが、WBSの補助文書の主要な目的とは異なります。
イ(WBSで定義した作業の進捗を管理する。):
進捗管理はWBSを活用することで可能ですが、補助文書の主要な目的は作業の内容や完了基準の明確化であり、進捗管理とは異なります。
ウ(WBSで定義した作業のスケジュールのクリティカルパスを求める。):
クリティカルパスの算出は、プロジェクトスケジュール管理の一部であり、WBSの補助文書の目的ではありません。
難易度
普通
WBSの基本的な概念を理解していれば解答できる問題ですが、補助文書の目的と進捗管理・スケジュール管理との違いを明確に把握することが重要です。
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用語補足
WBS(Work Breakdown Structure):
プロジェクトの作業を細分化し、計画的に管理するための手法です。
クリティカルパス:
プロジェクトスケジュール管理において、最も長い作業経路を指し、プロジェクトの完了に影響を与える重要な作業の流れを示します。
対策
WBSの基本概念を理解し、補助文書の目的を明確に整理することが重要です。作業の詳細定義と進捗管理・スケジュール管理の違いを把握し、各プロセスの役割を正確に認識すると、試験でも適切な選択がしやすくなります。