問題
問53
ITサービスにおけるSLMに関する説明のうち、適切なものはどれか。
- SLMでは、SLAで合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。
- SLMでは、SLAで合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。
- SLMの目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり、SLAの作成が活動の最終目的である。
- SLMを効果的な活動にするために、SLAで合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにしておくことが重要である。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問53]
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正解
正解は「イ」です。
解説
SLM(Service Level Management)は、SLA(Service Level Agreement)で合意されたサービスレベルの達成状況を継続的にモニタリングし、サービス品質を管理・改善する活動です。選択肢「イ」の「SLMでは、SLAで合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。」が適切です。
SLMは、ITサービスを提供する際に、顧客との間で事前に合意したサービスレベルが適切に維持されているかを監視し、必要に応じて改善策を講じることを目的としています。例えば、クラウドサービスの提供企業は、システムの稼働率や応答時間を測定し、SLAで約束された水準を満たしているか定期的に確認します。また、サービスレベルに問題が発生した場合は、改善策を検討し、顧客と調整しながら対応を行います。
ア(SLMでは、SLAで合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。):
SLMの目的は、SLAで定められたサービスレベルを達成するだけでなく、継続的な品質改善を含むため、「品質の改善が補助的な活動」という表現は適切ではありません。
ウ(SLMの目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり、SLAの作成が活動の最終目的である。):
SLAの作成はSLMの一環ではありますが、それが最終目的ではなく、SLAの内容を適切に維持・改善することが重要です。
エ(SLMを効果的な活動にするために、SLAで合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにしておくことが重要である。):
SLAは顧客と提供者の合意に基づくものであり、容易に達成できるレベルではなく、適切な品質を保証する基準として設定されるべきです。
難易度
普通
SLMの基本概念とSLAとの関係を理解していれば、解答が比較的容易ですが、品質改善の役割やサービスレベルの意義を誤解しないことが重要です。
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用語補足
SLM(Service Level Management):
ITサービスの品質を維持・向上させるために、SLAで定めた目標を監視・管理する活動です。
SLA(Service Level Agreement):
顧客とサービス提供者の間で、提供するITサービスの品質や基準を定めた契約です。
対策
SLMの役割とSLAの重要性を整理し、サービスレベルの維持だけでなく、継続的な改善の必要性を理解することが重要です。SLAの設定方法や運用事例を学び、サービス管理の実践的な知識を習得することで、試験で適切な選択がしやすくなります。