問題
問45
ITILに関する記述として、適切なものはどれか。
- ITサービスの提供とサポートに対して、ベストプラクティスを提供している。
- ITシステム開発とその取引の適正化に向けて、作業項目を一つ一つ定義し、標準化している。
- ソフトウェア開発組織の成熟度を多段階のレベルで定義している。
- プロジェクトマネジメントの知識を体系化している。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問45]
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正解
正解は「ア」です。
解説
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスの提供とサポートに関するベストプラクティスを提供するフレームワークです。選択肢「ア」の「ITサービスの提供とサポートに対して、ベストプラクティスを提供している。」が正解です。
ITILは、ITサービス管理(ITSM)の標準的なガイドラインとして、多くの企業や組織で採用されています。具体的には、インシデント管理、問題管理、変更管理、キャパシティ管理など、ITサービスを適切に運営するための方法論を提供します。これにより、ITサービスの品質向上、コスト削減、業務効率の改善が可能になります。例えば、大手企業のIT部門では、ITILのフレームワークを活用して、システム障害の対応フローを標準化し、迅速な復旧を図ることができます。
イ(ITシステム開発とその取引の適正化に向けて、作業項目を一つ一つ定義し、標準化している。):
これは、ソフトウェア開発やシステム取引の標準化に関する記述であり、ITサービスの提供とサポートを中心にしたITILの目的とは異なります。
ウ(ソフトウェア開発組織の成熟度を多段階のレベルで定義している。):
この記述は、CMMI(Capability Maturity Model Integration)の説明であり、ITILとは異なります。
エ(プロジェクトマネジメントの知識を体系化している。):
プロジェクトマネジメントの知識体系は、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)が提供するものであり、ITILの目的とは異なります。
難易度
普通
ITILの基本的な概念を理解していれば比較的容易に解答できる問題ですが、CMMIやPMBOKとの違いを把握することが必要です。
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用語補足
ITIL(Information Technology Infrastructure Library):
ITサービス管理のベストプラクティスを提供するフレームワークであり、ITサービスの品質向上や業務効率化を目的としています。
CMMI(Capability Maturity Model Integration):
ソフトウェア開発組織の成熟度を多段階で評価するモデルであり、プロセス改善の指標となります。
対策
ITILの概要を理解し、その目的がITサービス管理に関するベストプラクティスの提供であることを押さえておくことが重要です。また、CMMIやPMBOKなどの他のフレームワークとの違いを整理し、それぞれが何を目的としているかを明確にすると、試験で適切な選択がしやすくなります。