問題
問85
問題を解いて解答群の中から正解を選ぶ。あるAIシステムがある。このシステムは、1回の学習の過程を経るごとに、学習の過程の前後の比較において、誤り率が5%低下する(前回の誤り率の95%になる)。現在の正解率が30%であるとき、正解率が35%を超えるためには、少なくともあと何回の学習の過程が必要か。
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[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問85]
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正解
正解は「イ」です。
解説
この問題は、AIシステムが繰り返し学習することで誤り率が5%ずつ減っていくとき、正解率が何回の学習で所定の値を超えるかを求めるものです。
まず、誤り率と正解率は合わせて100%ですので、正解率30%は誤り率70%に相当します。学習のたびにこの誤り率が前回の95%になります。
よって、初回の誤り率70%を基に、以下のように計算します。
- 1回目の誤り率:70% × 0.95 = 66.5%(正解率33.5%)
- 2回目の誤り率:66.5% × 0.95 = 63.175%(正解率36.825%)
このように、2回学習すれば正解率が36.825%となり、35%を超えるため、必要な学習回数は「2回」です。
このような問題は指数減衰の概念に基づくものであり、実際のAIや機械学習の分野でも重要な考え方です。日常的には、繰り返し練習することでミスが減り、正答率が上がるという現象に置き換えて考えるとイメージしやすいでしょう。
ア(1):
1回だけでは正解率は33.5%にしか達しないため、35%には届きません。
ウ(3):
3回では正解率はさらに上がりますが、問題は「少なくとも」とあるので、最小の回数である2回が正解です。
エ(4):
4回学習すれば確実に35%を超えますが、2回で既に条件を満たしているため、過剰な回数です。
難易度
本問は指数的な変化(毎回5%ずつ誤り率が減少)を理解し、誤り率と正解率の関係を正確に計算できるかがポイントです。やや計算力を必要としますが、基本的な考え方が分かれば難しくありません。初心者にとっては中程度の難易度です。
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用語補足
正解率:
あるタスクに対して、正しく回答できた割合のことです。誤り率と合わせて100%となります。たとえば、正解率30%であれば誤り率は70%です。
指数減少:
何かの値が毎回一定の割合(例えば5%)で減少していく変化のことです。AIの学習効果や放射能の減衰など、様々な現象で見られます。
対策
このような指数的な変化の計算はITパスポート試験でも頻出です。誤り率や正解率、割合の更新を含む基本的な計算問題は、手順を覚えて練習することで安定して得点できます。日常の事例に置き換えて考える訓練も有効です。