問題
問1
E-R図を使用してデータモデリングを行う理由として、適切なものはどれか。
- 業務上でのデータのやり取りを把握し、ワークフローを明らかにする。
- 現行業務でのデータの流れを把握し、業務遂行上の問題点を明らかにする。
- 顧客や製品といった業務の管理対象間の関係を図示し、その業務上の意味を明らかにする。
- データ項目を詳細に検討し、データベースの実装方法を明らかにする。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問1]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
E-R図(エンティティ・リレーションシップ図)は、データの管理対象(エンティティ)とそれらの関係(リレーションシップ)を図示することで、業務の管理対象の関係を明確にすることを目的としています。例えば、顧客と注文の関係をE-R図で表すことで、「1人の顧客は複数の注文を行うことができる」といったビジネスルールを視覚的に整理できます。
よって、「顧客や製品といった業務の管理対象間の関係を図示し、その業務上の意味を明らかにする」という選択肢ウが正解となります。
- ア(業務上でのデータのやり取りを把握し、ワークフローを明らかにする):
ワークフローは業務プロセスの流れを表すものであり、データの構造を示すE-R図の目的とは異なります。 - イ(現行業務でのデータの流れを把握し、業務遂行上の問題点を明らかにする):
データフロー図(DFD)などを用いるのが適切であり、E-R図の主な目的ではありません。 - エ(データ項目を詳細に検討し、データベースの実装方法を明らかにする):
E-R図は概念設計の段階で用いられるものであり、具体的なデータベースの実装とは直接関係しません。
難易度
普通
E-R図の基本的な目的を理解していれば正解できる問題ですが、DFDやワークフロー図との違いを正しく把握していないと迷う可能性があります。そのため、標準的な難易度といえます。
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用語補足
E-R図:
E-R図(Entity-Relationship Diagram)は、エンティティ(データの管理対象)とリレーションシップ(エンティティ間の関係)を視覚的に表した図です。データベース設計の概念設計フェーズで利用され、業務上のデータ構造を明確にするのに役立ちます。
データモデリング:
システム開発において、業務のデータ構造を整理し、データベース設計の基盤を作ることを指します。E-R図はデータモデリング手法の一つであり、関係データベースの設計において重要な役割を果たします。
対策
E-R図の目的は「業務の管理対象とその関係を図示すること」であるため、ワークフローやデータフローとの違いを明確に理解することが重要です。また、データベース設計におけるE-R図の役割(概念設計の段階で用いられること)を押さえておくと、本問のような問題に対応しやすくなります。さらに、DFDやワークフロー図との使い分けについても学習すると、混乱せずに解答できるようになります。