問題
問51
アジャイル開発を実施している事例として、最も適切なものはどれか。
- AIシステムの予測精度を検証するために、開発に着手する前にトライアルを行い、有効なアルゴリズムを選択する。
- IoTの様々な技術を幅広く採用したいので、技術を保有するベンダに開発を委託する。
- IoTを採用した大規模システムの開発を、上流から下流までの各工程における完了の承認を行いながら順番に進める。
- 分析システムの開発において、分析の精度の向上を図るために、固定された短期間のサイクルを繰り返しながら分析プログラムの機能を順次追加する。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問51]
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正解
正解は「エ」です。
解説
アジャイル開発とは、短い開発サイクルを繰り返しながら、システムやソフトウェアの機能を段階的に追加していく開発手法です。選択肢「エ」の「分析システムの開発において、分析の精度の向上を図るために、固定された短期間のサイクルを繰り返しながら分析プログラムの機能を順次追加する。」がアジャイル開発の事例として適切です。
アジャイル開発では、開発をスプリントと呼ばれる短い期間(通常2~4週間)に区切り、各スプリントごとに機能を追加・改善します。これにより、開発中に発見された問題を迅速に修正しながら、ユーザーのニーズに柔軟に対応することができます。例えば、Webサービスを開発する際に、最初は基本的な検索機能だけを実装し、次のスプリントでフィルター機能を追加するといったアプローチがとられます。
ア(AIシステムの予測精度を検証するために、開発に着手する前にトライアルを行い、有効なアルゴリズムを選択する。):
これは、開発前の評価・試行のプロセスであり、アジャイル開発の短期間の繰り返しによる機能追加の考え方とは異なります。
イ(IoTの様々な技術を幅広く採用したいので、技術を保有するベンダに開発を委託する。):
開発の委託は、開発手法とは関係なく、アジャイル開発の特徴である段階的な開発・改善とは異なります。
ウ(IoTを採用した大規模システムの開発を、上流から下流までの各工程における完了の承認を行いながら順番に進める。):
これはウォーターフォール開発の特徴であり、アジャイル開発の柔軟な反復型の開発プロセスとは異なります。
難易度
普通
アジャイル開発の基本概念を理解していれば、比較的容易に解答できる問題ですが、ウォーターフォール開発との違いを把握することが重要です。
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用語補足
アジャイル開発:
短期間の開発サイクルを繰り返しながら、機能を順次追加・改善していく開発手法です。
ウォーターフォール開発:
設計から実装、テストまでの工程を順番に進める開発手法であり、途中での仕様変更が難しい特徴があります。
対策
アジャイル開発の基本を理解し、ウォーターフォール開発との違いを整理することが重要です。アジャイル開発では、短い開発サイクルの繰り返しが特徴であるため、実際の業務の事例を見ながら開発手法の違いを意識すると、試験でも適切な選択がしやすくなります。