問題
問31
以下のうち、パートナーシップ戦略の例として適切なものを選べ。
- 自社製品を海外企業に模倣されないよう商標登録を行う。
- 価格競争力を高めるためにコスト削減を図る。
- 社内の技術チームによる製品開発を加速する。
- 他企業と連携して新市場への参入を図る。
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ(他企業と連携して新市場への参入を図る)」です。パートナーシップ戦略とは、企業が他社と連携・協力することで、単独では実現しにくい目標を達成するための経営戦略のことです。たとえば、新しい市場に進出したいが、自社だけでは資源や情報が足りない場合に、現地企業と提携して進出するなどが典型的な例です。
このような戦略は、お互いの強みを補完し合うことで、競争力を高めたり、リスクを分散したりする効果があります。身近な例としては、日本の企業が海外の通信会社と提携してスマートフォンを販売する、といったケースがあります。これにより、現地市場へのスムーズな参入が可能になり、両社にとって利益となる関係を築くことができます。
一方で、他の選択肢は社内の取り組みや法的保護、コスト戦略に関する内容であり、他社との連携という視点に欠けているため、パートナーシップ戦略とは言えません。
ア(自社製品を海外企業に模倣されないよう商標登録を行う):
商標登録は知的財産の保護に関する法的手段であり、他社との連携を示すパートナーシップ戦略とは異なります。
イ(価格競争力を高めるためにコスト削減を図る):
コスト削減は自社内の効率化によるコストリーダーシップ戦略に該当し、他社との協業を含まないためパートナーシップ戦略ではありません。
ウ(社内の技術チームによる製品開発を加速する):
自社内での開発活動であり、外部との連携を伴わないため、パートナーシップ戦略には当てはまりません。
難易度
この問題はパートナーシップ戦略の本質である「他社との連携」に注目できれば正答しやすい内容です。ただし、他の選択肢が似たようなビジネス戦略に見えるため、混同してしまう可能性があります。基本用語を理解していれば初心者でも対応可能な標準レベルの問題です。
用語補足
パートナーシップ戦略:
他社との協業や提携によって新市場への参入や技術開発を行う戦略です。たとえば、日本企業が海外企業と共同で製品開発を行うことが挙げられます。
商標登録:
自社の商品名やロゴを他者に使われないようにするための法的保護手段です。ブランドの独自性を守るために重要です。
コスト削減:
無駄をなくし、利益を上げるために支出を抑える取り組みです。たとえば、仕入れ価格の見直しや業務の効率化などがあります。
対策
「パートナーシップ戦略」とは何かを明確に理解することが大切です。他社と連携して事業を展開するという特徴を押さえておけば、他の戦略との違いが明確になります。用語の定義を表や図で整理するとより理解が深まります。