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ITパスポート試験 平成29年度秋期 [問17] 過去問解説

問題

問17

コンカレントエンジニアリングの説明として、適切なものはどれか。

  • 既存の製品を分解し、構造を解明することによって、技術を獲得する手法
  • 仕事の流れや方法を根本的に見直すことによって、望ましい業務の姿に変革する手法
  • 条件を適切に設定することによって、なるべく少ない回数で効率的に実験を実施する手法
  • 製品の企画、設計,生産などの各工程をできるだけ並行して進めることによって、全体の期間を短縮する手法

[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問17]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は「製品の企画、設計、生産などの各工程をできるだけ並行して進めることによって、全体の期間を短縮する手法」です。コンカレントエンジニアリングとは、製品開発の各工程(例えば、企画、設計、製造、販売など)を従来の順番通りに進めるのではなく、できるだけ同時並行で進めていく手法のことです。これにより、各工程で発生する問題点を早期に発見し、手戻りを減らすことができます。結果として、製品の開発期間を短縮し、開発コストを削減し、最終的な品質を向上させることが期待できます。

 例えば、家を建てる際に、設計と同時に基礎工事の準備を進めるようなイメージです。従来の開発手法では、設計が完全に終わってからでないと次の工程に進めませんでしたが、この手法では次の工程を見越して前倒しで作業を進めることで、全体を早く、効率的に進められるようになります。

ア(既存の製品を分解し、構造を解明することによって、技術を獲得する手法):
 この説明は「リバースエンジニアリング」に近い内容です。リバースエンジニアリングは、既存製品を分解・解析してその構造や仕組みを理解し、そこから技術や知識を得る手法です。製品開発の期間短縮や効率化を目的とするコンカレントエンジニアリングとは異なります。
イ(仕事の流れや方法を根本的に見直すことによって、望ましい業務の姿に変革する手法):
 この説明は「ビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)」に近い内容です。BPRは、企業の業務プロセスを抜本的に見直し、再構築することで、コスト、品質、サービス、スピードなどを劇的に改善する経営手法です。コンカレントエンジニアリングとは目的や手法が異なります。
ウ(条件を適切に設定することによって、なるべく少ない回数で効率的に実験を実施する手法):
 この説明は「実験計画法」など、効率的な実験手法に関するものです。実験計画法は、限られた回数の実験で多くの情報を得るための統計的な手法であり、製品開発の各工程を並行して進めるコンカレントエンジニアリングとは直接関係がありません。

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難易度

 この問題は、ITパスポート試験でよく出題される経営戦略・マネジメント分野の基本的なIT用語に関する知識を問うものです。コンカレントエンジニアリングという用語の意味を知っていれば簡単に正解できます。用語の意味を理解していなくても、他の選択肢が別のIT用語を説明していることに気づければ、消去法で正解にたどり着くことも可能です。難易度は比較的易しいと言えるでしょう。

用語補足

コンカレントエンジニアリング:
 製品開発の企画、設計、製造といった各工程を、できるだけ同時並行で進めることで、開発期間を短縮し、コストを削減し、品質を向上させることを目指す手法です。例えば、料理のレシピを考える人、材料を準備する人、実際に調理する人が、それぞれ次の工程を意識しながら同時に作業を進めるようなイメージです。

リバースエンジニアリング:
 既存の製品やシステムを分解したり解析したりして、その構造、機能、設計思想などを解明する手法です。例えば、他社の製品を分解して、どのように作られているのか、どのような技術が使われているのかを調べる行為がこれに当たります。

ビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR):
 企業が持つ業務の流れや仕組みを、根本的に見直して再構築することです。例えば、ある書類の承認プロセスが非効率な場合、そのプロセスをゼロベースで見直し、デジタル化や担当者の変更などで劇的に改善するような取り組みです。

実験計画法:
 効率的に実験を行い、その結果を統計的に分析することで、最も良い条件を見つけ出すための手法です。例えば、新しいお菓子のレシピを開発する際に、材料の配合や焼き時間の様々な組み合わせを、最小限の試作回数で最適なものを見つけるために使われます。

対策

 この問題は、コンカレントエンジニアリングというIT用語の定義を正確に理解しているかがポイントになります。類似の経営戦略や開発手法に関する用語(リバースエンジニアリング、BPR、実験計画法など)との違いを明確に区別できるように学習しておくと良いでしょう。各用語の意味だけでなく、それぞれの目的や適用される場面を具体例とともに覚えることで、より深く理解し、応用力が身につきます。過去問を繰り返し解き、選択肢で登場する用語も合わせて学習する対策が有効です。


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