問題
問14
BSC (Balanced Scorecard) の説明として、適切なものはどれか。
- 顧客に提供する製品やサービスの価値が、どの活動によって生み出されているかを分析する。
- 財務に加え,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長の四つの視点に基づいて戦略策定や業績評価を行う。
- 帳簿の貸方と借方が、常にバランスした金額になるように記帳する。
- 取引先の信用度を財務指標などによって、スコアリングして評価する。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問14]
正解
正解は「イ」です。
解説
BSC(Balanced Scorecard:バランス・スコアカード)は、企業の戦略目標達成を支援するための経営管理手法です。従来の財務指標だけでは、企業の将来的な成長要因を見落とす可能性があるため、財務の視点だけでなく、顧客の視点、内部ビジネスプロセスの視点、学習と成長の視点という四つの異なる視点から企業活動を評価します。これにより、短期的な利益だけでなく、長期的な企業価値向上に向けたバランスの取れた戦略策定と進捗管理が可能になります。
例えば、顧客満足度を上げるための新しいサービス開発(内部ビジネスプロセス)や従業員のスキルアップ(学習と成長)が、最終的に財務成績にどう貢献するかを可視化し、組織全体の目標達成に向けた行動を促すツールとして活用されます。
ア(顧客に提供する製品やサービスの価値が、どの活動によって生み出されているかを分析する。):
これはバリューチェーン分析の説明に近い内容です。バリューチェーン分析は、企業が価値を生み出す活動の連鎖を分析するフレームワークです。
ウ(帳簿の貸方と借方が、常にバランスした金額になるように記帳する。):
これは複式簿記の原則である貸借平均の原理を説明しています。企業の会計処理に関する内容で、BSCとは異なります。
エ(取引先の信用度を財務指標などによって、スコアリングして評価する。):
これは与信管理や信用調査の内容です。取引先のリスクを評価するものであり、企業の戦略策定や業績評価を行うBSCとは目的が異なります。
難易度
この問題の難易度は中程度です。BSCという用語自体はITパスポート試験で頻出ですが、その定義を正確に理解しているかが問われます。特に、BSCが四つの視点から評価する経営管理手法であるという核となる知識がなければ、他の選択肢と混同する可能性があります。各選択肢も経営分析や会計に関する重要な用語を含んでいるため、それぞれの内容を正確に区別できるかがポイントとなります。日頃から用語の定義を丁寧に学習しておくことで、正解にたどり着きやすくなります。
用語補足
BSC (Balanced Scorecard):
BSCは、企業の経営戦略を達成するために、財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から業績を評価・管理するツールです。例えば、売上だけでなく、顧客満足度や新商品開発の進捗、従業員のスキルアップなども含めて、会社全体の健康状態を把握し、バランスの取れた成長を目指します。
財務の視点:
財務の視点とは、企業がどれだけお金を稼ぎ、経済的に安定しているかを測る視点です。例えば、「売上高」や「利益率」などがこれに当たります。会社が儲かっているかを数字で見るイメージです。
顧客の視点:
顧客の視点とは、お客様がどれだけ満足しているか、どれだけ会社を支持してくれているかを測る視点です。例えば、「顧客満足度」や「市場シェア」などがこれに当たります。お客様にとって魅力的な会社であるかを評価します。
学習と成長の視点:
学習と成長の視点とは、従業員の能力向上や新しい技術の導入など、企業の将来的な成長の土台となる部分を測る視点です。例えば、「従業員の研修時間」や「新技術の導入数」などがこれに当たります。会社が未来に向けて成長する力があるかを評価します。
対策
BSCに関する問題は、その目的と四つの視点を正確に理解しているかが鍵です。単に「BSC=4つの視点」と覚えるだけでなく、それぞれの視点(財務、顧客、内部ビジネスプロセス、学習と成長)が具体的にどのような内容を含んでいるかを把握することが重要です。また、バリューチェーン分析や複式簿記、与信管理といった関連する経営用語との違いも明確にしておきましょう。過去問を繰り返し解き、各用語の定義をしっかり押さえることで、類似問題にも対応できるようになります。

