問題
問48
安価な労働力を大量に得られることを狙いに、システム開発を海外の事業者や海外の子会社に委託する開発形態として、最も適切なものはどれか。
- ウォータフォール開発
- オフショア開発
- プロトタイプ開発
- ラピッドアプリケーション開発
[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問48]
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ. オフショア開発」です。オフショア開発とは、システム開発業務を海外の事業者や海外の子会社に委託する開発形態を指します。主な目的は、国内に比べて人件費の安い国に業務を委託することで、開発コストを削減することです。特に、大量の労働力を必要とする開発プロジェクトにおいて、このメリットは大きいです。
例えば、日本企業がベトナムやインドなどの国にシステム開発を委託する場合などがこれに該当します。海外に委託することで、コスト削減だけでなく、現地の優秀なIT人材の活用や、市場の変化に合わせた柔軟な開発体制を構築できるといったメリットもあります。したがって、問題文にある「安価な労働力を大量に得られることを狙いに」という目的に最も合致するのはオフショア開発となります。
ア(ウォータフォール開発):
ウォータフォール開発は、システム開発の工程を「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用」のように順序立てて進める開発手法です。コスト削減を主目的とした委託形態とは異なります。
ウ(プロトタイプ開発):
プロトタイプ開発は、システムの試作品(プロトタイプ)を早期に作成し、利用者の意見を取り入れながら本開発を進める手法です。開発コスト削減を直接の目的とするものではありません。
エ(ラピッドアプリケーション開発):
ラピッドアプリケーション開発(RAD)は、利用者との対話を通じて、短期間でシステムを開発する手法です。開発の迅速化が目的であり、安価な労働力を得ることとは直接関係がありません。
難易度
この問題の難易度は、ITパスポート試験の知識レベルとして中程度です。システム開発における様々な開発手法と、それぞれの特徴や目的を理解しているかが問われます。特に「オフショア開発」はコスト削減の文脈で頻出する用語なので、しっかりと覚えておく必要があります。他の選択肢も基本的な開発手法として重要ですので、それぞれの定義と目的を区別して理解しておくことがポイントです。
用語補足
オフショア開発:
システム開発業務を海外の企業や子会社に委託することです。人件費の安い国に委託することで、コスト削減を図るのが主な目的です。例えば、日本の企業がシステムの開発を中国のIT企業に依頼するようなケースがこれにあたります。
ウォータフォール開発:
システムの開発工程を「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「運用」のように、滝のように上流から下流へと順に進めていく伝統的な開発手法です。前の工程が完了しないと次の工程に進めないため、計画性が重視されます。
プロトタイプ開発:
システムの試作品(プロトタイプ)を早期に作成し、実際に動かして利用者に評価してもらいながら、利用者のニーズを正確に把握して開発を進める手法です。利用者の要望が明確でない場合に有効です。
ラピッドアプリケーション開発 (RAD):
短期間で迅速にシステムを開発することを目指す手法です。利用者との密接なコミュニケーションを通じて、設計と開発を繰り返し行い、短いサイクルでシステムを構築していきます。
対策
この問題を解くためには、システム開発におけるさまざまな開発形態や手法の目的・特徴を正確に理解しておくことが重要です。特に、オフショア開発が「コスト削減」や「安価な労働力の活用」を主な目的とする点、ウォータフォール開発やプロトタイプ開発、RADがそれぞれ異なる目的やアプローチを持つ点を明確に区別して覚えましょう。各用語の意味だけでなく、なぜその手法を用いるのか、どのようなメリットがあるのかを関連付けて学習すると、応用問題にも対応しやすくなります。

