問題
問31
記述a~cのうち、技術戦略に基づいて、技術開発計画を進めるときなどに用いられる技術ロードマップの特徴として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 技術者の短期的な業績管理に向いている。
- b 時間軸を考慮した技術投資の予算及び人材配分の計画がしやすい。
- c 創造性に重きを置いて、時間軸は余り考慮しない。
- a
- a, b
- a, b, c
- b
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問31]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は選択肢エのbです。技術ロードマップは、企業が将来の目標を達成するために、いつ、どのような技術が必要になるのかを時間軸に沿って具体的に示す計画図です。このロードマップを作成することで、将来必要となる技術に対して、いつまでにどれくらいの予算を投じ、どのようなスキルを持つ人材をどれくらい配置する必要があるかなど、具体的な投資計画や人材計画を立てやすくなります。
例えば、「3年後に新製品を発売するために、2年後には〇〇技術を開発し、そのためには年間1億円の予算と専門技術者10名が必要だ」といったように、長期的な視点での戦略的な意思決定と、それに基づいた資源の最適な配分が可能になるのが特徴です。
ア(技術者の短期的な業績管理に向いている。):
技術ロードマップは、個々の技術者の短期的な業績を評価するものではなく、長期的な技術開発戦略と事業目標の達成を支援するツールです。
イ(a, b):
選択肢aが技術ロードマップの目的とは異なるため、この選択肢も不正解です。
ウ(a, b, c):
選択肢aとcが技術ロードマップの目的とは異なるため、この選択肢も不正解です。技術ロードマップは創造性も重要ですが、時間軸を考慮しない計画は現実的ではありません。
難易度
この問題は、ITパスポート試験で頻出する「技術ロードマップ」の基本的な概念を理解しているか問うものです。技術ロードマップが時間軸に沿った計画であること、そしてそれが投資や人材配分に役立つという本質を把握していれば、初心者の方でも正解を導き出しやすいでしょう。他の選択肢はロードマップの目的とはずれた内容なので、比較的容易に判別できます。
用語補足
技術ロードマップ:
将来の技術開発の方向性や計画を、時間軸に沿って図や表で示したものです。例えば、ある企業が「5年後にAI搭載ロボットを開発する」という目標に対し、「1年後には基盤技術を確立し、3年後にはプロトタイプを完成させる」といった具体的な計画を時系列で示します。
技術戦略:
企業が競争優位性を確立するために、どのような技術を開発し、どのように活用していくかを長期的な視点で考える計画です。例えば、IT企業が「クラウドサービス分野で世界一になるために、AIとビッグデータ技術に集中投資する」と決めることが技術戦略の一つです。
人材配分:
プロジェクトや業務に必要なスキルを持つ人材を、適切に割り当てることです。例えば、新しいソフトウェアを開発する際に、プログラミングが得意な人を開発チームに、ユーザーインターフェースのデザインが得意な人をデザインチームに配置するなどが該当します。
業績管理:
企業や個人の目標達成度を評価し、改善していくプロセスです。例えば、営業担当者が「今月は売上目標100万円」という目標に対し、実際の売上が80万円だった場合、その原因を分析し、翌月の改善策を立てるなどが含まれます。
対策
この問題を解くためのポイントは、技術ロードマップの最も重要な特徴が「時間軸」に沿って計画を立てるツールである、という点をしっかり理解することです。時間軸を考慮することで、必要な技術投資の予算や、それを実現するための人材の確保・育成といった資源配分の計画が立てやすくなります。短期的な個人の業績評価や、時間軸を無視した創造性のみを追求するものではない、という点を明確に区別して覚えましょう。

