問題
問77
ベンチマークテストに関する記述として、適切なものはどれか。
- システム内部の処理構造とは無関係に、入力と出力だけに着目して、様々な入力条件に対して仕様どおりの出力結果が得られるかどうかを試験する。
- システム内部の処理構造に着目して、分岐条件や反復条件などを網羅したテストケースを設定して、処理が意図したとおりに動作するかどうかを試験する。
- システムを設計する前に、作成するシステムの動作を数学的なモデルにし、擬似プログラムを用いて動作を模擬することで性能を予測する。
- 標準的な処理を設定して実際にコンピュータ上で動作させて、処理に掛かった時間などの情報を取得して性能を評価する。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度春期 問77]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ」です。ベンチマークテストとは、コンピュータシステムやソフトウェアの性能を客観的に評価するために、事前に決められた標準的な処理(ベンチマークプログラム)を実際に実行させ、その処理時間や処理能力、資源使用量などを測定し、評価することです。
例えば、新しいパソコンのゲーム性能を知りたいときに、特定の高性能ゲームを実際に動かしてみて、どれくらいスムーズに動作するか、ロード時間はどのくらいかなどを確認するようなものです。これにより、システムが実運用環境でどれくらいの性能を発揮できるか、他のシステムと比較してどの程度の能力があるかなどを具体的に把握することができます。システムの導入を検討する際に、複数の候補の中から最も適切なものを選ぶための重要な指標となります。
ア(システム内部の処理構造とは無関係に、入力と出力だけに着目して、様々な入力条件に対して仕様どおりの出力結果が得られるかどうかを試験する。):
これはブラックボックステストの説明です。ベンチマークテストは性能評価を目的とします。
イ(システム内部の処理構造に着目して、分岐条件や反復条件などを網羅したテストケースを設定して、処理が意図したとおりに動作するかどうかを試験する。):
これはホワイトボックステストの説明です。ベンチマークテストは性能評価を目的とします。
ウ(システムを設計する前に、作成するシステムの動作を数学的なモデルにし、擬似プログラムを用いて動作を模擬することで性能を予測する。):
これはシミュレーションやモデル化による性能予測の説明です。実際にシステムを動かすベンチマークテストとは異なります。
難易度
この問題の難易度は中程度です。システム開発における様々なテストや評価手法の用語を正確に理解しているかが問われます。特に、ブラックボックステスト、ホワイトボックステスト、シミュレーション、ベンチマークテストといった類似の概念を区別できるかがポイントとなります。それぞれの目的や実施方法の違いをしっかり把握していれば、正解を導き出すことは可能です。
用語補足
ベンチマークテスト:
コンピュータシステムやソフトウェアの性能を客観的に評価するために、標準的なプログラムや処理(ベンチマークプログラム)を実際に実行させ、その処理時間や処理能力を測定するテストです。例えば、車の燃費を測るために、決められたルートを一定の速度で走らせて記録するようなものです。
ブラックボックステスト:
システムの内部構造を知らずに、入力に対する出力が仕様通りであるかを確認するテストです。例えば、自動販売機のボタンを押して、期待通りの商品が出てくるかを確かめるようなものです。
ホワイトボックステスト:
システムの内部構造やプログラムコードを理解した上で、すべての処理経路や条件分岐が正しく動作するかを確認するテストです。例えば、車のエンジンを分解して、すべての部品が設計通りに機能しているかを一つ一つ確認するようなものです。
シミュレーション:
実際のシステムを構築する前に、その動作を模倣するモデルを作成し、仮想的な環境で実行して結果を予測することです。例えば、新しい建物を建てる前に、模型を作って風の流れや日当たりを調べるようなものです。
対策
この問題に解答するためには、システム開発における各種テスト手法(ベンチマークテスト、ブラックボックステスト、ホワイトボックステストなど)の定義と目的を正確に理解することが重要です。それぞれのテストが「何を評価するのか」「どのように実施するのか」という点を整理して覚えると良いでしょう。特に、実際にシステムを動かして性能を測定するベンチマークテストと、内部構造の確認や外部仕様の確認を行う他のテストとの違いを明確に区別できるように学習しましょう。

