問題
問48
プロジェクトで実施する作業の順序設定に関して,次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。

[出典:ITパスポート試験 平成29年度春期 問48]
正解
正解は「ア」です。
解説
正解はアの「WBS」と「アローダイアグラム」です。プロジェクトで成果物を作成するための作業を、管理しやすい単位に要素分解する手法はWBS(Work Breakdown Structure)と呼ばれます。WBSは、プロジェクト全体の作業を階層的に細分化し、小さなタスクに分解することで、作業の範囲を明確にし、管理しやすくするものです。
例えば、家を建てるというプロジェクトであれば、「基礎工事」「骨組み工事」「内装工事」といった大きな作業から、さらに「基礎を掘る」「コンクリートを流す」といった具体的なタスクへと分解していくイメージです。次に、要素分解された作業(タスク)の順序関係を表示する手法はアローダイアグラムです。
アローダイアグラムは、各タスクの前後関係や依存関係を矢印とノード(円)で表現し、プロジェクトの開始から完了までの経路や所要時間を視覚的に把握するのに役立ちます。これにより、どのタスクを先に完了させなければ次のタスクに進めないか、といった順序を明確にすることができます。
イ(WBS, パレート図):
WBSは作業の要素分解に適切ですが、パレート図は作業の順序関係を表示するものではなく、問題の原因や要素の重要度を分析するためのグラフであるため、誤りです。
ウ(ガントチャート, アローダイアグラム):
ガントチャートは、作業の進捗管理やスケジュールを視覚的に表示する工程表であり、作業を管理しやすい単位に要素分解する手法ではないため、誤りです。
エ(ガントチャート, パレート図):
ガントチャートとパレート図のどちらも、問題文で問われている「作業の要素分解」や「順序関係の表示」の主要な手法ではないため、誤りです。
難易度
この問題は、ITパスポート試験のプロジェクトマネジメント分野における基本的な知識を問うもので、比較的解きやすい部類に入ります。WBSやアローダイアグラムといったプロジェクト管理の主要な手法の目的と役割を正確に理解していれば、迷うことなく正解にたどり着けるでしょう。日頃からプロジェクトを計画する際に用いられる図や手法について、それぞれの特徴と用途を把握しておくことが重要です。
用語補足
WBS:
Work Breakdown Structure(ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー)の略で、プロジェクト全体を構成する作業や成果物を、より小さい管理しやすい単位に階層的に分解する手法です。例えば、料理を作るプロジェクトで、「夕食を作る」を「材料を買う」「調理する」「盛り付ける」と分解し、さらに「調理する」を「野菜を切る」「肉を焼く」と細分化していくイメージです。
アローダイアグラム:
プロジェクト内の各作業(アクティビティ)とそれらの依存関係(順序)を、矢印とノード(円)を使って図示する手法です。どの作業が先行し、どの作業が後続するかを一目で把握でき、プロジェクトのクリティカルパス(最短でプロジェクトを完了させるための最も時間のかかる一連の作業経路)を特定するのに役立ちます。例えば、家を建てる際に「基礎工事が終わらないと柱は建てられない」といった順序関係を示す図です。
ガントチャート:
プロジェクトのスケジュール管理に用いられる棒グラフ形式の図です。縦軸に作業項目、横軸に時間軸をとり、各作業の開始日、終了日、期間、進捗状況を視覚的に表現します。例えば、夏休みの宿題計画表で、各宿題(国語、算数など)の期間を棒グラフで示し、いつまでに何をやるかを分かりやすくするようなものです。
パレート図:
複数の要因が結果に与える影響度を棒グラフと折れ線グラフで示したものです。発生頻度の高い要因順に並べた棒グラフと、累積比率を示す折れ線グラフで構成され、問題の80%が20%の原因によって引き起こされるという「パレートの法則」を視覚的に表現します。例えば、不良品の発生原因を分析する際に、どの原因が最も多くの不良品を生んでいるかを特定するのに使います。
対策
この問題を解くためのポイントは、プロジェクトマネジメントの基本知識、特に作業の分解方法と順序関係の表現方法に関する用語を正確に理解することです。WBSが作業の「要素分解」に使われ、アローダイアグラムが作業の「順序関係の表示」に使われるというそれぞれの目的と役割を明確に区別できるように学習しましょう。ガントチャートやパレート図など、他のプロジェクト管理ツールについても、その特徴と用途を理解しておくことが、応用問題に対応するための対策となります。

