問題
問93
仮想移動体通信事業者(MVNO) が行うものとして、適切なものはどれか。
- 移動体通信事業者が利用する移動体通信用の周波数の割当てを行う。
- 携帯電話や PHS などの移動体通信網を自社でもち、自社ブランドで通信サービスを提供する。
- 他の事業者の移動体通信網を借用して、自社ブランドで通信サービスを提供する。
- 他の事業者の移動体通信網を借用して通信サービスを提供する事業者のために, 移動体通信網の調達や課金システムの構築, 端末の開発支援サービスなどを行う。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問93]
正解
正解は「ウ」です。
解説
MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、自社では携帯電話の基地局などの通信設備を持たず、NTTドコモやau、ソフトバンクといった既存の移動体通信事業者(MNO)から通信網を借り受けて、独自のブランドで携帯電話サービスを提供する事業者のことを指します。
例えるなら、大家さん(MNO)からマンションの部屋(通信網)を借りて、自分のお店(MVNO)としてお客様にサービスを提供しているようなイメージです。これにより、MVNOは設備投資を大幅に抑えつつ、MNOとは異なる料金プランやサービス内容を提供することで、多様なニーズに応えることができます。選択肢ウは、このMVNOの事業形態を的確に説明しています。お客様はMNOと直接契約するのではなく、MVNOと契約し、MVNOが提供するサービスを利用することになります。
ア(移動体通信事業者が利用する移動体通信用の周波数の割当てを行う。):
周波数の割当ては、総務省などの政府機関が行う役割であり、MVNOやMNOが行うものではありません。
イ(携帯電話や PHS などの移動体通信網を自社でもち、自社ブランドで通信サービスを提供する。):
移動体通信網(基地局など)を自社で持つ事業者はMNO(Mobile Network Operator:移動体通信事業者)と呼ばれます。MVNOは設備を持たずにMNOから借りるのが特徴です。
エ(他の事業者の移動体通信網を借用して通信サービスを提供する事業者のために, 移動体通信網の調達や課金システムの構築, 端末の開発支援サービスなどを行う。):
これはMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体サービス提供者)の説明です。MVNEはMVNOの事業を支援する役割を担います。
難易度
この問題の難易度は、ITパスポート試験の基礎知識があれば比較的容易に解ける「普通」レベルだと感じます。MVNOという用語は、日常的にスマートフォンを利用する人にとっては比較的馴染みのあるものであり、その概念を理解していれば正解を導き出しやすいでしょう。MNOやMVNEといった関連用語との違いを把握していると、より確実に解答できます。
用語補足
MVNO(仮想移動体通信事業者):
自社で通信回線設備(基地局など)を持たず、NTTドコモやau、ソフトバンクなどの既存の移動体通信事業者(MNO)から通信設備を借りて、独自のブランドで携帯電話サービスを提供する事業者のことです。例えば、格安スマホを提供する事業者の多くがこれに該当します。
MNO(移動体通信事業者):
自社で携帯電話の基地局や通信設備を所有し、それらを使って自社のブランドで通信サービスを提供する事業者のことです。日本においては、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどがMNOにあたります。
MVNE(仮想移動体サービス提供者):
MVNOが事業を行う上で必要な、通信網の調達、課金システムの構築、端末の開発支援など、技術的・業務的な支援を提供する事業者のことです。MVNOが自社で全てを行うのが難しい場合に、MVNEがその一部または全部を代行します。
周波数の割当て:
電波を利用した通信を行うために必要な「周波数帯」を、国(日本では総務省)が通信事業者に対して割り当てることです。これは電波が有限な資源であるため、公平かつ効率的に利用されるように管理されています。
対策
MVNO、MNO、MVNEという3つの事業者の役割の違いを明確に理解することが、この問題を解く上で最も重要なポイントです。特にMVNOとMNOは、通信網を「借りる」のか「持つ」のかで大きく異なります。MVNEは、MVNOの事業を「支援する」役割を担います。それぞれの役割を具体的なサービスや企業と結びつけて覚えると、理解が深まります。

