問題
問52
顧客のニーズに合致したサービスを提供するために、組織が情報システムの運用の維持管理及び継続的な改善を行っていく取組みとして、適切なものはどれか。
- IT ガバナンス
- ITサービスマネジメント
- サービスデスク
- プロジェクトマネジメント
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問52]
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「ITサービスマネジメント」です。ITサービスマネジメントとは、顧客が求めるサービスレベルを満たせるように、情報システムやITサービスの企画・設計から運用・改善までを一貫して管理する活動のことです。システムは作って終わりではなく、実際に使ってみて「もっとこうだったら便利なのに」「こういう機能があればもっと良いのに」といった顧客からの意見や、技術の進歩に合わせて常に改善していく必要があります。
例えば、スマートフォンのアプリも定期的にアップデートされ、新しい機能が追加されたり、使いやすさが改善されたりしますよね。それと同じように、ITサービスマネジメントは、顧客のニーズが変化しても、常に最適なITサービスを提供し続けるための仕組みと言えます。
今回の問題では「顧客のニーズに合致したサービスを提供するために、運用の維持管理及び継続的な改善を行っていく取組み」とあるので、まさにITサービスマネジメントの定義に合致しています。
ア(IT ガバナンス):
ITガバナンスは、企業価値を高めるためにIT戦略を策定し、IT利用を統制する組織的な仕組みのことです。ITの利用を「どのように経営に役立てるか」という企業全体の視点での管理であり、個々のサービスの維持・改善とは異なります。
ウ(サービスデスク):
サービスデスクは、利用者からの問い合わせやトラブル報告を受け付ける単一の窓口のことです。問題解決の入り口ではありますが、サービス全体の維持管理や継続的な改善活動そのものではありません。
エ(プロジェクトマネジメント):
プロジェクトマネジメントは、特定の目標を達成するために、期間や予算、人員などの制約の中で計画し、実行し、完了させる活動です。システムの「開発」など一過性の目標達成が主な目的であり、開発後の「継続的な運用・改善」を主眼とはしません。
難易度
この問題の難易度は、ITパスポート試験の初学者にとって「中程度」だと感じられるかもしれません。各選択肢のIT用語が何を指すのかを正確に理解していれば、比較的容易に正解できます。しかし、それぞれの用語の意味が曖昧だと、似たような概念に思えて迷ってしまう可能性があります。特に、ITガバナンスとITサービスマネジメントの違いを明確に把握しておくことが重要です。
用語補足
ITガバナンス:
企業がITを戦略的に活用し、企業価値を高めるための仕組みや体制のことです。例えば、会社全体として「ITを使って顧客満足度を上げるぞ!」という目標を立て、そのためにどうITを使うかを決めて管理するイメージです。
ITサービスマネジメント:
顧客のニーズに応じたITサービスを継続的に提供し、そのサービスを維持・改善していく活動全体のことです。スマートフォンのアプリが常にアップデートされて使いやすくなるように、ITサービスもユーザーの声を聞いて進化させていくイメージです。
サービスデスク:
利用者からのITに関する問い合わせやトラブルに対応する窓口のことです。パソコンが動かない、パスワードを忘れたなど、困ったときに最初に連絡する「困りごと相談センター」のような役割を担います。
プロジェクトマネジメント:
特定の目標(例:新しいシステムの開発)を達成するために、計画を立てて、期限や予算、使える人などの制約の中で進めていく管理活動のことです。例えば、夏休みの自由研究を計画し、期限までに完成させるために材料を集めたり、作業を分担したりするようなイメージです。
対策
この問題を解くためのポイントは、各IT用語の定義を正確に理解することです。特に、「ITガバナンス」「ITサービスマネジメント」「プロジェクトマネジメント」は似たような管理活動に聞こえるため、それぞれの目的と範囲の違いを明確に区別することが重要です。ITサービスマネジメントは「運用後の継続的な改善」に焦点を当てている点を押さえましょう。過去問演習を通して、これらの用語がどのような文脈で使われるかを確認し、具体的な事例と結びつけて記憶することで、より理解が深まります。

