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ITパスポート試験 平成29年度秋期 [問41] 過去問解説

問題

問41

共通フレーム (Software Life Cycle Process) の利用に関する説明のうち、適切なものはどれか。

  • 取得者と供給者が請負契約を締結する取引に限定し、利用することを目的にしている。
  • ソフトウェア開発に対するシステム監査を実施するときに、システム監査人の行為規範を確認するために利用する。
  • ソフトウェアを中心としたシステムの開発及び取引のプロセスを明確化しており、必要に応じて修整して利用する。
  • 明確化した作業範囲や作業項目をそのまま利用することを推奨している。

[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問41]

正解

正解は「」です。

解説

 共通フレームは、ソフトウェアやシステムの開発、運用、保守といったライフサイクル全体におけるプロセスを体系的にまとめたガイドラインです。これは単なる請負契約に限定されるものではなく、プロジェクトのあらゆる段階での活動を明確にすることを目指しています。

 また、このフレームワークはあくまで「共通的な枠組み」であり、それぞれの組織やプロジェクトの特性に合わせて、柔軟に内容を調整(修整)して利用することが推奨されています。つまり、型にはまった使い方ではなく、自社の状況に合わせてカスタマイズできる点が重要です。

 例えば、料理のレシピ集のようなもので、基本のレシピは示されていても、使う食材や人数に合わせて調味料の量や調理時間を調整するように、共通フレームもプロジェクトの規模や特性に応じて最適な形に調整して活用します。この柔軟性が、共通フレームの大きな特徴です。

ア(取得者と供給者が請負契約を締結する取引に限定し、利用することを目的にしている。):
 共通フレームは、請負契約に限定されるものではなく、組織内開発や共同開発など、幅広い開発形態に適用可能です。利用する目的も、プロセスの標準化や品質向上など多岐にわたります。
イ(ソフトウェア開発に対するシステム監査を実施するときに、システム監査人の行為規範を確認するために利用する。):
 共通フレームはシステム開発プロセスの指針ですが、システム監査人の行為規範は別の基準(例えば、システム監査基準など)で定められています。共通フレームは、監査の対象となる開発プロセスの基準として参照されることはありますが、監査人の規範そのものではありません。
エ(明確化した作業範囲や作業項目をそのまま利用することを推奨している。):
 共通フレームは、あくまで標準的なガイドラインであり、各プロジェクトの具体的な状況に合わせて内容を修整・調整することが前提とされています。そのまま利用することを強制するものではありません。

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難易度

 この問題の難易度は、ITパスポート試験の学習初期段階ではやや高く感じるかもしれません。共通フレームという専門用語の理解が必須だからです。しかし、一度その目的と柔軟な利用方法を把握すれば、他の選択肢が誤りであることが明確になります。複数の選択肢の中から最も適切な説明を選ぶため、用語の正確な知識が求められますが、選択肢の内容が比較的明確なので、しっかりと学習していれば正答できるでしょう。

用語補足

共通フレーム:
 ソフトウェアや情報システムの企画から開発、運用、保守、廃棄に至るまでの全工程(ライフサイクル)における活動や成果物を体系的にまとめたガイドラインです。プロジェクトを進める上で、「何を、いつ、どのように」行うべきかの共通認識を作るための「共通の地図」のような役割を果たします。

ソフトウェアライフサイクルプロセス:
 ソフトウェアが誕生してから使われなくなり、廃棄されるまでの全期間を指します。具体的には、企画、要件定義、設計、実装(プログラミング)、テスト、導入、運用、保守、廃棄といった段階があります。例えば、スマートフォンのアプリ開発で言えば、「こんなアプリがほしいな(企画)」から「実際に使う(運用)」、そして「古くなって使わなくなる(廃棄)」までの一連の流れのことです。

システム監査人:
 組織の情報システムが、目的を達成するために適切に管理・運用されているかを客観的に評価・検証する専門家です。会社の情報システムがちゃんと動いているか、セキュリティは大丈夫かなどを、まるで「情報システムの健康診断医」のようにチェックする人のことです。

請負契約:
 発注者が受注者に対して、特定の仕事の完成を依頼し、その完成に対して報酬を支払う契約のことです。例えば、家を建ててもらうときに、「こんな家を建ててほしい」と依頼し、家が完成したら代金を払うのと同じように、ソフトウェア開発では「こんなシステムを作ってほしい」と依頼し、システムが完成したら代金を支払う契約です。

対策

 この問題を解くためのポイントは、「共通フレーム」が単なる厳格なルールではなく、柔軟なガイドラインであることを理解することです。共通フレームの正式名称である「Software Life Cycle Process」から、ソフトウェアのライフサイクル全般を対象とし、そのプロセスを「明確化」する役割を持つことを押さえましょう。また、ガイドラインは「必要に応じて修整して利用する」ものであるため、固定的な利用を強制する選択肢は誤りであると判断できます。過去問題を繰り返し解き、用語の正確な意味と適用範囲を覚えることが重要です。


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