問題
問21
他社との組織的統合をすることなく、自社にない技術や自社の技術の弱い部分を他社の優れた技術で補完したい。このときに用いる戦略として、適切なものはどれか。
- M&A
- MBO
- アライアンス
- スピンオフ
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問21]
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ アライアンス」です。アライアンスとは、企業が互いに協力し合うことで、それぞれの強みを活かし、目標達成を目指す戦略的な提携のことです。具体的には、技術の共同開発、商品の共同販売、生産の協力など、様々な形で実施されます。組織全体を統合するM&Aとは異なり、互いの独立性を保ったまま協力関係を築くため、リスクを抑えながら迅速に新しい技術や市場へ参入できるメリットがあります。
例えば、自社にはない特定の技術を持つ企業と提携することで、その技術を共有し、自社の製品開発に役立てることができます。問題文にある「他社との組織的統合をすることなく、自社にない技術や自社の技術の弱い部分を他社の優れた技術で補完したい」という状況に最適な戦略がアライアンスです。互いの得意分野を組み合わせることで、単独では難しかった目標を達成できるのが大きな特徴です。
ア(M&A):
M&Aは他社を「買収」したり、他社と「合併」したりして組織全体を統合する戦略であり、問題文の「組織的統合をすることなく」という条件に合いません。
イ(MBO):
MBOは「経営陣が自社の株式を買い取り、独立する」ことで、経営陣が会社のオーナーとなるものです。これは、他社との技術補完を目的とした戦略とは異なります。
エ(スピンオフ):
スピンオフは「企業が特定の事業部門を切り離して、新しい独立した会社として設立する」ことです。これも他社との技術補完を目的とした戦略とは異なります。
難易度
この問題の難易度は、ITパスポート試験のストラテジ系でよく問われる経営戦略の基本用語を知っているかどうかで決まります。各選択肢の用語の意味を正確に理解していれば、問題文の意図に合うものを選ぶのは難しくありません。特に「組織的統合をすることなく」というキーワードが、正解のアライアンスを選ぶ上で重要なヒントになります。
用語補足
アライアンス:
複数の企業が独立性を保ちながら、共通の目標達成のために協力関係を築くことです。例えば、A社とB社がそれぞれ得意な技術を持ち寄り、一緒に新しい製品を開発するような場合です。
M&A(Mergers & Acquisitions):
企業の合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の略で、企業が他社を買い取ったり、複数の会社が一つになったりして、組織全体を統合する経営戦略です。例えば、大きな会社が小さな会社を買い取って、その技術や顧客を取り込むような場合です。
MBO(Management Buyout):
会社の経営陣が、自社の株式を買い取って、会社の支配権を取得し、経営の独立性を高めることです。例えば、親会社から子会社が独立する際に、その子会社の経営陣が株式を買い取るようなケースです。
スピンオフ:
企業が特定の事業部門を切り離し、新しい独立した会社として設立することです。親会社は新会社の株式を株主に分配します。例えば、大手企業が新しい技術開発部門を独立させて、より柔軟な経営をさせるような場合です。
対策
この問題のような経営戦略に関する用語は、それぞれの定義と目的を正確に理解することが重要です。特に、似たような目的を持つ用語でも、その手段や結果にどのような違いがあるのかを比較して覚えると良いでしょう。例えば、「他社と協力する」という広い意味を持つ言葉でも、アライアンスは「独立性を保ったまま協力」、M&Aは「組織を統合」という違いがあります。過去問題集などで、各用語がどのような文脈で使われるかを確認し、実践的な理解を深めることが対策になります。

