問題
問6
システム化計画において、情報システムの費用対効果を評価する。その評価指標として、適切なものはどれか。
- PER
- ROI
- 自己資本比率
- 流動比率
[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問6]
正解
正解は「イ」です。
解説
ROI(Return On Investment)は、投資収益率のことで、投資した費用に対してどれくらいの利益が得られたかを示す指標です。情報システム導入のようなシステム化計画では、多額の投資が必要となるため、その投資がどれだけ事業に貢献し、利益を生み出すかを評価することが非常に重要となります。
ROIは「(利益額 − 投資額) ÷ 投資額 × 100 %」という計算式で算出されます。例えば、100万円投資して120万円の利益が出た場合、ROIは (120 – 100) ÷ 100 × 100 = 20% となります。この数値が高いほど、その投資は効率的で収益性が高いと判断できます。情報システム導入の費用対効果を評価する際、単にコスト削減だけでなく、売上増加や業務効率化による生産性向上といった多角的な利益を考慮してROIを算出することで、投資の妥当性を客観的に評価し、経営層への説明責任を果たすことができます。
ア(PER):
PER(株価収益率)は、企業の株価が1株あたりの利益の何倍になっているかを示す指標で、株式投資における割安感を測るためのものです。情報システムの費用対効果とは直接関係がありません。
ウ(自己資本比率):
自己資本比率は、企業の総資産に占める自己資本の割合を示す指標で、企業の財務健全性を評価するために用いられます。情報システム投資の収益性評価には適していません。
エ(流動比率):
流動比率は、企業の短期的な支払い能力を示す指標で、流動資産を流動負債で割って算出します。これも情報システムの費用対効果とは関係がありません。
難易度
この問題は、情報システムの費用対効果を評価する基本的な経営指標に関する知識を問うもので、ITパスポート試験では頻出のテーマです。専門用語の意味を正確に理解していれば比較的容易に解答できる問題と言えます。特に「投資」と「収益」というキーワードから「投資収益率(ROI)」を連想できれば、迷うことなく正解にたどり着けるでしょう。幅広い業種や職種で役立つ基礎知識ですので、しっかりと学習しておきましょう。
用語補足
PER (Price Earnings Ratio):
株価収益率のことで、企業の株価が1株あたりの利益の何倍になっているかを示す指標です。株式の割安感や割高感を判断する際に使われます。例えば、PERが高い企業は株価が割高、低い企業は株価が割安と判断されることがあります。
ROI (Return On Investment):
投資収益率のことで、投資した費用に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標です。事業の効率性や収益性を評価する際によく用いられます。「ROIが高い=投資効率が良い」と判断され、投資の意思決定に役立てられます。
自己資本比率:
企業の総資産のうち、返済の必要がない自己資本(純資産)が占める割合のことです。この比率が高いほど、企業の財務状況が安定しており、倒産しにくいと判断されます。企業の長期的な安全性を示す指標です。
流動比率:
企業の短期的な支払い能力を示す指標です。流動資産(1年以内に現金化できる資産)を流動負債(1年以内に返済する負債)で割って計算します。この比率が高いほど、短期的な資金繰りが安定していると判断されます。
対策
このタイプの問題は、各経営指標が何を評価するためのものかを正確に覚えることが重要です。特に「投資対効果」という文脈では、”Return”(リターン、収益)という言葉を含む指標が候補になりやすいことを意識しましょう。過去問を繰り返し解き、それぞれの指標がどのような目的で使われるのかを具体的な例とともに理解することで、得点源にすることができます。単に暗記するだけでなく、それぞれの指標がどのような状況で使われるかをイメージすると良いでしょう。

