問題
問10
コーポレートガバナンスに基づく統制を評価する対象として、最も適切なものはどれか。
- 執行役員の業務成績
- 全社員の勤務時間
- 当該企業の法人株主である企業における財務の健全性
- 取締役会の実効性
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問10]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ 取締役会の実効性」です。コーポレートガバナンスとは、企業が株主や顧客、従業員などの利害関係者(ステークホルダー)にとって健全で公正な経営が行われるように監視・統制する仕組みのことです。これは、企業価値の向上や不祥事の防止を目的としています。その評価対象として最も重要なのは、企業の意思決定機関である取締役会が、その役割をどれだけ効果的に果たしているか、つまり「実効性」があるかどうかです。取締役会が適切に機能しているかは、会社の経営が透明性をもって行われ、不正がなく、持続的に成長できるかを判断する上で非常に重要な指標となります。
例えば、取締役会が多様な意見を取り入れ、重要な経営課題について活発な議論を行い、適切な決定を下しているかなどが評価のポイントになります。
ア(執行役員の業務成績):
執行役員の業務成績は経営の実態を示す一つの要素ですが、コーポレートガバナンスは企業全体の統治体制を評価するため、個別の業務成績だけでは不十分です。
イ(全社員の勤務時間):
全社員の勤務時間は、労務管理や生産性に関わる要素であり、直接的にコーポレートガバナンスの統制評価対象とはなりません。
ウ(当該企業の法人株主である企業における財務の健全性):
法人株主の財務の健全性は、当該企業の株主としての安定性を示すものではありますが、コーポレートガバナンスの評価対象はあくまで自社(当該企業)の経営統治体制であり、株主側の財務状態ではありません。
難易度
この問題は、ITパスポート試験のストラテジ系に分類される問題で、コーポレートガバナンスという経営用語の理解度が問われます。用語の意味さえ知っていれば正解を選びやすい基本的な問題と言えるでしょう。各選択肢の内容をしっかりと理解し、コーポレートガバナンスの目的と評価対象を正しく結びつけることができれば、初心者でも比較的簡単に解答できる難易度だと考えられます。
用語補足
コーポレートガバナンス:
企業が株主、顧客、従業員などの様々な利害関係者(ステークホルダー)にとって健全で公正な経営が行われるように、監視・統制する仕組みのことです。例えば、会社の社長が自分勝手な経営をしないように、株主や取締役会が監視し、会社の利益を守る仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
執行役員:
取締役会で決定された経営方針に基づき、実際の業務執行を担う役職のことです。会社によっては「常務執行役員」や「専務執行役員」といった形で設けられ、現場の責任者として業務を遂行します。
株主:
企業の株式を保有している個人や法人のことです。企業に出資する見返りに、企業の所有者として経営に参加する権利や利益配分を受ける権利を持ちます。例えば、会社の株を買った人は、その会社の株主となり、会社の経営方針について意見を言ったり、利益の一部を受け取ったりすることができます。
取締役会:
会社の重要な業務執行の意思決定を行う機関で、取締役で構成されます。会社の経営方針を決定したり、業務執行を監督したりする役割を担います。例えば、新しい事業を始めるか、大きな投資をするかなどを話し合い、決める会議のようなものです。
対策
この問題を解くためのポイントは、コーポレートガバナンスの基本的な目的と、その具体的な評価対象を正確に理解することです。特に「統制を評価する対象」という点に注目し、企業の経営全体を健全に保つための仕組みが適切に機能しているかを問われていることを把握しましょう。ITパスポート試験では、ストラテジ系の問題でこのような経営用語の意味や目的が頻繁に出題されるため、関連する他の経営管理用語(例:内部統制、コンプライアンスなど)も合わせて学習しておくことが重要です。

