問題
問12
M&Aに関する記述として、適切なものはどれか。
- 企業の提供する製品やサービスなどの価値を生み出すための業務の流れ、価値の連鎖を分析すること
- 企業を事業ごと又は地域ごとに分割することによって事業戦略の自立性を高めること
- 業務プロセスを抜本的に改革し、IT技術を駆使して業務の処理能力とコスト効率を高めること
- 自社に不足している機能を企業買収などによって他社から取り込み、事業展開を速めること
[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問12]
正解
正解は「エ」です。
解説
M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、企業の合併・買収を意味する言葉です。自社だけでは持っていない技術やノウハウ、人材などを他社を買収することで手に入れ、事業を拡大したり、新しい分野に進出したりするために行われる経営戦略の一つです。選択肢エは「自社に不足している機能を企業買収などによって他社から取り込み、事業展開を速めること」とあり、これはM&Aの目的や内容そのものを説明しています。
例えば、あるIT企業がAI技術を持つスタートアップ企業を買収することで、自社製品にAI機能を迅速に組み込み、市場での競争力を高めるようなケースがM&Aに該当します。このように、M&Aは自社の成長戦略を加速させる有効な手段となるため、この選択肢がM&Aに関する適切な記述となります。
ア(企業の提供する製品やサービスなどの価値の連鎖を分析すること):
これはバリューチェーン分析の説明です。バリューチェーン分析は、企業活動を「主要活動」と「支援活動」に分け、それぞれの活動がどのように価値を生み出しているかを分析する経営分析手法の一つです。
イ(企業を事業ごと又は地域ごとに分割することによって事業戦略の自立性を高めること):
これは「分社化」や「事業再編」といった経営戦略の一部を指しますが、必ずしもM&Aを直接的に説明するものではありません。M&Aは企業間の合併や買収を指します。
ウ(業務プロセスを抜本的に改革し、IT技術を駆使して業務の処理能力とコスト効率を高めること):
これはBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の説明です。BPRは、既存の業務プロセスを根本から見直し、再構築することで、生産性や効率を大幅に向上させることを目指します。
難易度
この問題の難易度は比較的「易しい」と言えるでしょう。M&AはITパスポート試験で頻出する経営戦略の基本的な用語であり、その定義を正確に理解していれば正解を導き出しやすい問題です。他の選択肢も、BPRやバリューチェーン分析など、ITパスポートでよく問われる別の経営用語を説明しているため、それぞれの用語の意味を知っていれば、混同することなく適切な選択肢を選べます。
用語補足
M&A:
M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略で、企業の合併や買収を意味します。例えば、自社にない技術を持つ他社を買収して事業を強化したり、新たな市場に参入したりする際に用いられる経営戦略の一つです。
バリューチェーン分析:
バリューチェーン分析は、企業が製品やサービスを提供するまでの活動を「価値連鎖(バリューチェーン)」として捉え、どの活動がどのように価値を生み出しているかを分析する手法です。例えば、製造、マーケティング、販売、サービスといった各工程で、どこに競争優位性があるかを見つけるために使われます。
BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング):
BPRは、ビジネスプロセスを根本的に見直し、再設計することです。例えば、顧客からの注文を受けてから製品を届けるまでの一連のプロセスを、ITを活用して大幅に効率化し、顧客満足度を向上させるような取り組みがBPRに該当します。
事業再編:
事業再編とは、企業が経営資源を最適化するために、事業の統合、分割、譲渡などを行うことです。例えば、採算の悪い事業を切り離したり、成長が見込める事業部門を統合したりすることで、企業の競争力を高めることを目指します。
対策
この問題を解くためのポイントは、M&Aだけでなく、バリューチェーン分析、BPR、分社化といった関連する経営戦略用語の定義を正確に理解しておくことです。それぞれの用語がどのような目的で、どのような活動を指すのかを明確に区別できるように学習しましょう。特に、用語の頭文字だけでなく、それがどのような概念であるかを具体例とともに把握すると、より深い理解に繋がり、類題にも対応できるようになります。

