問題
問57
以下のうち、ソフトウェアライフサイクルプロセスの「保守」フェーズで行う活動として最も適切なものはどれか。
- 新しい要件の設計を行う
- 運用中の不具合を修正する
- 開発環境の構築を行う
- 設計書を記録に残す
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正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「運用中の不具合を修正する」です。これはソフトウェアライフサイクルプロセス(SLCP)における「保守」フェーズで行う代表的な活動です。保守フェーズでは、ソフトウェアが実際に運用された後に発生する問題に対応します。
たとえば、プログラムの誤動作や予期せぬエラーが発生したとき、それを修正することが求められます。また、法制度の変更や業務内容の見直しに伴い、ソフトウェアの一部機能を変更することもあります。これらはすべて保守に該当します。
日常生活に例えると、家電製品を使っているときに調子が悪くなったら修理を依頼するようなもので、ソフトウェアも使いながら適切にメンテナンスしていく必要があります。保守は開発の終了ではなく、むしろ利用者にとっての始まりであり、品質の維持や信頼性向上のために重要なフェーズです。
- ア(新しい要件の設計を行う):
新しい要件の設計は、主に「要件定義」または「設計」フェーズで行われる活動であり、保守ではありません。 - ウ(開発環境の構築を行う):
開発環境の構築は「開発準備」フェーズに該当します。保守フェーズでは実際の運用後の問題対応が中心です。 - エ(設計書を記録に残す):
設計書の作成や記録は主に「設計」フェーズに行われる作業であり、保守ではありません。
難易度
この問題は初学者にとってはやや基本的な内容ですが、「ソフトウェアライフサイクルプロセス」の各フェーズを正確に理解していないと迷う可能性があります。特に「保守」という言葉に対する具体的なイメージが持てていないと誤答しやすいため、やや易しい〜標準的なレベルの問題といえます。
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用語補足
ソフトウェアライフサイクルプロセス:
ソフトウェアが企画・開発され、運用・保守されるまでの一連の流れを指します。各フェーズには目的と役割があり、例えば設計・開発・テスト・運用・保守といった段階に分かれています。
保守:
ソフトウェアを運用している中で発生するバグの修正や、仕様変更への対応、新しい法制度への適合など、ソフトウェアを使い続けられるようにする活動です。家電のアフターサービスのようなものです。
要件定義:
システムやソフトウェアにどのような機能や性能が必要かを明確にする工程です。開発の出発点となる重要なフェーズであり、顧客の要求を文書化します。
対策
ソフトウェアライフサイクルプロセスの各フェーズ(企画、要件定義、設計、開発、テスト、運用、保守)の目的や具体的な作業内容を整理して覚えておくことが大切です。とくに「保守」は運用後に行う活動であるため、他の開発初期段階の作業と区別できるようにしましょう。