問題
問16
ベンダとの契約において、RFP(提案依頼書)の役割として最も適切なものはどれか。
- 発注側の要件を明確に伝える文書
- 開発終了後の引継ぎ資料
- ソースコードの保守計画
- 受入テストの詳細手順
正解
正解は「ア」です。
解説
RFP(Request for Proposal:提案依頼書)は、情報システムなどの開発や導入を外部に委託する際に、発注者がベンダ(受注者)に対して「自社が必要とするシステムの要件」や「解決したい課題」、「制約条件」などを明確に記述し、適切な提案を得ることを目的として作成する文書です。
RFPには、業務背景、目的、システムの機能要件、非機能要件(性能・信頼性・セキュリティ等)、納期、予算範囲などが記され、ベンダはそれをもとに仕様・見積・スケジュールなどを提案します。
たとえば、家を建てたいときに「こんな家が欲しい」「予算はこれくらい」と伝えて工務店に設計や見積もりをしてもらうイメージです。RFPが明確であるほど、ベンダからも的確な提案が受けられます。
イ(開発終了後の引継ぎ資料):
引継ぎ資料は、開発作業終了後に行う運用・保守をスムーズに行うためのドキュメントであり、RFPとは別物です。
ウ(ソースコードの保守計画):
ソースコードの保守計画はベンダ側が提案に含めるべき内容の一つですが、RFP自体の目的ではありません。
エ(受入テストの詳細手順):
受入テストの手順は、開発後のテスト工程に関する内容であり、RFPの主目的ではありません。
難易度
この問題は、RFP(提案依頼書)の基本的な役割を理解していれば容易に解けます。ITの発注プロセスや契約関連の基礎知識があれば初学者でも正解可能で、難易度は低めです。
用語補足
RFP(提案依頼書):
発注者がベンダに対して、自社の業務課題やシステム要件を伝えるための文書。提案や見積を受けるために使います。
要件定義:
システム開発において、利用者のニーズを明確にし、必要な機能や性能などを定義する工程です。
受入テスト:
開発したシステムが要件通りに動作するかを、発注者が検証する最終的なテストのことです。
対策
RFPは発注業務の基本知識として頻出です。「何のための文書か」「誰が誰に渡すものか」を押さえておきましょう。システム開発の各工程や文書の役割を図解などで整理しながら学習すると理解が深まります。