問題
問9
著作権法の保護対象として, 適切なものはどれか。
- プログラム内の情報検索機能に関するアルゴリズム
- プログラムの処理内容を記述したプログラム仕様書
- プログラムを作成するためのコーディングルール
- プログラムをほかのシステムが使うためのインタフェース規約
[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問9]
正解
正解は「イ」です。
解説
著作権法(知的財産権)における保護対象に関する問題です。正解は「イ」の「プログラムの処理内容を記述したプログラム仕様書」です。 著作権法は、思想または感情を創作的に表現した「著作物」を保護する法律です。情報システムの分野においては、プログラムそのもの(ソースコードや実行ファイル)はもちろん著作物として保護されますが、それを作成するための設計書や仕様書といった文書も、その表現形式に創作性があれば著作物として保護対象となります。
プログラム仕様書は、処理内容や構成を具体的に表現した文書であるため、著作権の保護対象となるのです。 一方で、著作権は「アイデア」や「概念」「手続き」そのものを保護するものではありません。保護の対象となるのは、それらがどのように表現されているかという点です。例えば、料理に例えると、「魚を焼く」という調理方法(アルゴリズムやルール)そのものは保護されませんが、その調理方法を詳細かつ独自に記述したレシピ本(プログラム仕様書や文書)は著作権で保護されます。
ア(プログラム内の情報検索機能に関するアルゴリズム):
アルゴリズム(問題解決の手順や方法)は、アイデアや概念であり、表現そのものではないため、著作権法では保護されません。
ウ(プログラムを作成するためのコーディングルール):
コーディングルールは、プログラム作成の「手続き」や「規範」であり、表現そのものではないため、著作権法では保護されません。
エ(プログラムをほかのシステムが使うためのインタフェース規約):
インタフェース規約は、システム間の接続や連携のための「取り決め」であり、アイデアや概念に近いため、著作権法では保護されません。
難易度
この問題は、IT分野の法務に関する知識(ストラテジ系)から出題されており、著作権法の核心である「保護対象」を問うものです。著作権法が「表現」は保護するが「アイデア(概念、手続き)」は保護しないという原則を理解しているかが鍵となります。この原則は、ITパスポート試験では頻出するため、基本知識として押さえておくべき内容です。アルゴリズムやルールといった「アイデア」と、仕様書やソースコードといった「表現」を明確に区別できれば、初学者でも対応しやすい問題ですが、あいまいな理解だと迷いやすいかもしれません。
用語補足
著作権法:
思想や感情を創作的に表現した著作物(小説、音楽、絵画、プログラムなど)を保護し、著作者の権利を守る法律です。例えば、自分で書いた小説を無断でコピー・出版されないように守る仕組みです。
著作物(プログラム仕様書):
プログラムの設計や処理内容を具体的に記載した文書であり、その文書の表現形式に創作性があるため、著作権法によって保護されます。
アルゴリズム:
問題を解決するための論理的な手順や計算方法です。これは「アイデア」や「解き方」そのものであるため、著作権の保護対象とはなりません。数学の公式そのものが著作物ではないのと同様です。
インタフェース規約:
複数のシステムやソフトウェアが相互に連携・通信するための、データの形式や手順などの「取り決め」や「ルール」です。これはアイデアや機能の一部であり、著作権の保護対象ではありません。
対策
著作権法における保護対象の区別は、ITパスポート試験の法務分野で最も重要なポイントの一つです。対策としては、「著作権が保護するのは表現(プログラムのコード、設計書などの文書)であり、アイデアや概念(アルゴリズム、ルール、機能そのもの、インターフェースなど)は保護しない」という基本原則を徹底的に理解してください。特に、プログラムコードとプログラムのアルゴリズムの違い、設計書(仕様書)とコーディングルールの違いを、例を交えて明確に区別できるように学習しましょう。また、特許法や不正競争防止法との関連性についても併せて確認しておくと、より理解が深まります。

