スポンサーリンク

ITパスポート試験 平成31年度春期 [問5] 過去問解説

問題

問5

既存市場と新市場,既存製品と新製品でできるマトリックスの四つのセルに企業 の成長戦略を表す市場開拓戦略,市場浸透戦略,製品開発戦略,多角化戦略を位置 付けるとき,市場浸透戦略が位置付けられるのはどのセルか。

  • A
  • B
  • C
  • D

[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問5]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は「ア:A」です。このマトリックスは、アンゾフの成長マトリックス(製品・市場マトリックス)と呼ばれる経営戦略のフレームワークです。これは、企業が成長するための戦略を、市場(既存/新規)と製品(既存/新規)の二つの軸で分類し、四つの戦略領域に当てはめるものです。求められている「市場浸透戦略」は、既存の市場に対して、既存の製品やサービスをより深く、広く売り込んで、市場シェアの拡大を目指す戦略です。この戦略は、リスクが最も低いとされています。

 図を見ると、セルAは「既存市場」と「既存製品」が交差する位置にあります。したがって、市場浸透戦略が位置付けられるのはセルAです。市場浸透戦略の具体的な例としては、現在の顧客により頻繁に製品を購入してもらうためのリピート促進策や、競合他社の顧客を引き抜くための販促キャンペーンの強化などが挙げられます。このように、既に持っている資源(製品・市場)を最大限に活用して、売上を増やすことを目指します。

イ(B):
 セルBは「既存市場」×「新製品」の組み合わせであり、これは既存顧客向けに新しい製品を投入する製品開発戦略です。
ウ(C):
 セルCは「新市場」×「既存製品」の組み合わせであり、これは既存の製品を新しい顧客層や地域に販売する市場開拓戦略です。
エ(D):
 セルDは「新市場」×「新製品」の組み合わせであり、これは既存事業とは全く異なる新しい市場に新しい製品を投入する多角化戦略です。

スポンサーリンク

難易度

 アンゾフの成長マトリックスは、ITパスポート試験のストラテジ系で必須の知識であり、この問題はフレームワークの基本構造をそのまま問うものです。市場軸と製品軸の「既存」と「新規」がそれぞれどの戦略に対応するか(市場浸透、製品開発、市場開拓、多角化)を正確に記憶していれば、図を参照しながら容易に正解を選択できます。四つの戦略を明確に区別できているかどうかがポイントになります。暗記がそのまま得点に結びつくタイプの問題であり、初学者にとっても対策がしやすい分野です。難易度は比較的低いと言えます。

用語補足

市場浸透戦略:
 既存の市場と既存の製品を活用し、販売量の増加を目指す戦略です。例:セールや割引キャンペーンを行い、現在の顧客層にもっと製品を買ってもらうように促すこと。

市場開拓戦略:
 既存の製品を、まだ製品を使ったことがない新しい顧客層や地域などの新市場に投入する戦略です。例:国内で販売していた製品を、初めて海外の市場で売り出すこと。

製品開発戦略:
 既存の市場の顧客に対して、新しい製品やサービスを開発して提供する戦略です。例:現在スマートフォンを使っている顧客に対し、次世代の機能やデザインを持つ新しい機種を発売すること。

多角化戦略:
 新しい市場に対して、新しい製品を開発して提供する戦略です。最もリスクが高いとされます。例:食品メーカーが、これまで経験のないITサービス市場に参入し、新しいアプリを開発して販売すること。

対策

 アンゾフの成長マトリックスは、「市場」と「製品」の「既存/新規」の組み合わせで戦略を分類するフレームワークです。学習の際は、図(マトリックス)と四つの戦略(市場浸透、製品開発、市場開拓、多角化)をセットで覚え、それぞれの戦略の具体的な意味と、それがどのセルに位置するかを確実に記憶しましょう。「浸透=既存×既存」、「開発=既存市場×新製品」、「開拓=新市場×既存製品」、「多角化=新規×新規」と簡潔に紐づけることが、この種の問題を解くための最大のポイントです。他の経営戦略フレームワーク(PPM、SWOT分析など)についても、構成要素と目的を合わせて学習すると効率的です。


タイトルとURLをコピーしました