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ITパスポート試験 平成31年度春期 [問31] 過去問解説

問題

問31

EA (Enterprise Architecture) で用いられる,現状とあるべき姿を比較して課題を明確にする分析手法はどれか。

  • ギャップ分析
  • コアコンピタンス分析
  • バリューチェーン分析
  • パレート分析

[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問31]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は「ア」のギャップ分析です。EA(Enterprise Architecture:企業全体構造)は、企業全体の業務や情報システムを将来のあるべき姿(To Be)に導くための設計手法です。EAを進めるにあたり、まず「現状(As Is)」を把握し、次に「あるべき姿(To Be)」を定義します。この現状(As Is)とあるべき姿(To Be)の間に存在する「差(ギャップ)」を明確にし、課題(=ギャップ)を特定する分析手法がギャップ分析です。

 この分析を行うことで、将来の目標を達成するために具体的に何をすべきか(どのようなシステムを導入すべきか、どの業務を変革すべきか)という課題が明確になります。問題文にある「現状とあるべき姿を比較して課題を明確にする分析手法」は、ギャップ分析の定義そのものです。例えば、「現状は顧客対応に3日かかるが、あるべき姿は1時間で対応完了である」としたとき、その間の時間差という「ギャップ」を埋めるための具体的なIT戦略や業務改善策を策定するために、この分析が利用されます。

イ(コアコンピタンス分析):
 コアコンピタンス分析は、自社の核となる強みを特定し、それを経営戦略に活かすための分析手法であり、現状とあるべき姿の差を比較するギャップ分析とは目的が異なります。
ウ(バリューチェーン分析):
 バリューチェーン分析は、企業活動を主活動と支援活動に分解し、どの活動で付加価値が生まれているかを分析する手法であり、現状と目標の差を比較する手法ではありません。
エ(パレート分析):
 パレート分析は、問題の原因や項目の重要度を降順に並べ、累積比率をグラフ化して上位項目(2割)が全体(8割)に与える影響を把握する手法であり、EAで現状とあるべき姿を比較する目的で用いられる分析ではありません。

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難易度

 本問は、EA(Enterprise Architecture)という比較的専門的な経営用語と、一般的なビジネス分析手法であるギャップ分析の組み合わせを問う知識問題です。EAの具体的なプロセス(現状把握→あるべき姿の定義→ギャップ分析)を知っていれば正解できます。「現状と目標の差を明確にする」という記述が「ギャップ分析」を指すことは、言葉の定義からも類推しやすいため、初学者でも対応可能なレベルです。

用語補足

ギャップ分析:
 現状(As Is)と目標(To Be)の間に存在する差(ギャップ)を定量的に把握し、その差を埋めるための課題や施策を明確にする分析手法です。

EA (Enterprise Architecture):
 企業全体の情報システムや業務プロセス、データ構造などを整合性の取れた形で設計し、全体最適化を目指すためのフレームワークです。

コアコンピタンス:
 他社には真似できない、企業独自の核となる強みや技術力のことで、競争優位性の源泉となります。

バリューチェーン分析:
 企業活動を主活動と支援活動に分解し、どの活動で付加価値が生まれているか、またはコストが発生しているかを分析する手法です。

パレート分析:
 問題の原因や項目の重要度を把握するため、影響度の高い順に並べてグラフ化し、上位2割が全体8割に影響を与えるという法則(パレートの法則)に基づき分析する手法です。

対策

 経営分析の手法(SWOT分析、PPM、バリューチェーン分析、ギャップ分析、パレート分析など)は、それぞれが「何を目的として」「何を比較・分析するのか」を明確に区別して覚えることが重要です。「現状とあるべき姿」というキーワードは、ギャップ分析に直結すると覚えておきましょう。


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