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ITパスポート試験 平成31年度春期 [問17] 過去問解説

問題

問17

要件定義プロセスの不備に起因する問題はどれか。

  • システム開発費用の費用対効果の誤った評価
  • システム開発案件の優先順位の誤った判断
  • システム開発作業の委託先の不適切な選定手続
  • システムに盛り込む業務ルールの一部の誤解釈

[出典:ITパスポート試験 平成31年度春期 問17]

正解

正解は「」です。

解説

 正解は「エ」です。要件定義プロセスは、システムを開発する上で最も重要な初期段階の一つで、システムに求められる機能や業務ルールを明確にし、文書化するプロセスです。 要件定義の不備とは、利用者がシステムに求めることや、システムが従うべき業務上のルールが、正確に聞き取られたり、文書化されたりしなかった状態を指します。 このプロセスに不備があると、開発されたシステムが利用者の要望や実際の業務の流れと食い違ってしまいます。選択肢「エ」の「システムに盛り込む業務ルールの一部の誤解釈」は、まさに要件定義(業務の要求やルールを正確に把握する作業)の失敗が直接的に引き起こす問題です。

 例えば、経理システムを導入する際に、「3万円以上の支出は部長の承認が必要」という業務ルールがあったにも関わらず、要件定義でこのルールが抜け落ちたり、「5万円以上」と誤解釈されたりした場合、完成したシステムは実際の業務には使えないものとなってしまいます。要件定義の不備は、後工程での手戻りやコスト増の最大の原因となります。

ア(システム開発費用の費用対効果の誤った評価):
 費用対効果の評価は、通常、要件定義より前のシステム化計画プロセスで行われる内容です。
イ(システム開発案件の優先順位の誤った判断):
 優先順位の判断は、主にシステム化計画プロセスや、要件定義で要求を洗い出した後に行われますが、要件定義の「不備」そのものが直接的な原因となるというよりは、プロジェクト管理上の判断の問題です。
ウ(システム開発作業の委託先の不適切な選定手続):
 委託先の選定手続は、調達プロセスやシステム化計画の一部であり、要件定義プロセスとは独立した管理上の問題です。

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難易度

 本問は、システム開発プロセスの各フェーズ(システム化構想、計画、要件定義など)で何が行われるかを理解しているかを問う知識問題です。要件定義の役割が「業務要件やシステム機能要件を確定すること」であると知っていれば、その不備が業務ルールの誤解釈につながる、という因果関係を容易に特定できます。他の選択肢は、要件定義より前段階の計画や調達に関わる内容であるため、プロセス知識の整理ができていれば正解を導きやすい問題です。

用語補足

要件定義プロセス:
 システム開発において、利用者が求める機能や性能、達成したい業務目標などを明確にし、文書化する最も重要な初期段階のプロセスです。

業務ルール:
 企業や組織が日々の業務を遂行する上で従うべき規定や制約、手順のことです。システム開発では、このルールを正しくシステムに組み込むことが求められます。

システム化計画プロセス:
 システム開発の初期段階で、システムの目的、達成目標、開発スケジュール、概算費用、投資対効果などを検討し、プロジェクトの実行可能性を評価するプロセスです。

費用対効果:
 ある投資(この場合はシステム開発)に対して、どれだけの経済的な利益や効果が得られるかを測る指標です。費用を上回る効果が見込めるかが判断基準になります。

対策

 システム開発プロセス(システム化計画、要件定義、システム開発など)の各段階で何が行われるかを整理しましょう。要件定義は、ユーザーの要求と業務ルールをシステムに落とし込む作業であり、この段階でのミスは後工程で大きな手戻りやコスト増を招きます。要件定義の具体的な内容(業務要件、機能要件、非機能要件)と、それが不足した場合の影響(業務ルールが守られないシステムになる)をセットで覚えることが重要です。


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