問題
問5
DFDの記述例として、適切なものはどれか。

[出典:ITパスポート試験 平成30年度春期 問5]
正解
正解は「イ」です。
解説
DFD(Data Flow Diagram:データフローダイアグラム)は、システム内でデータがどのように処理され、どこに流れ、どこに保管されるかを図で表現するものです。DFDは主に四つの基本的な記号で構成されます。「プロセス(処理)」はデータを変換する活動を示し、多くの場合、丸や楕円で表されます。「データストア」はデータが保存される場所を示し、通常は開いた四角や二重線で表されます。「外部エンティティ」はシステム外部のデータ発生源や受け取り先を示し、四角で表されます。「データフロー」はデータの移動を示し、矢印で表されます。
選択肢イの図は、「処理1」と「処理2」という丸(プロセス)、「データファイル1」という四角(データストア)、そして「データA」「データB」「データC」という矢印(データフロー)で構成されています。これらはDFDの主要な要素と記法に合致しており、データが処理され、保存され、流れる様子を表現しています。
例えば、スーパーのレジを例にすると、「商品情報の読み取り(プロセス)」、「在庫データベース(データストア)」、「顧客データ(データフロー)」といった形でDFDを用いて表現することができます。したがって、選択肢イがDFDの記述例として適切です。
ア(丸と矢印と四角で構成された図。丸の中に「状態1」「状態2」とあり、事象A,B,C,Dという矢印がある図。):
この図は、システムの「状態」とその間の「事象」による「遷移」を示しており、状態遷移図(ステート遷移図)の記述例に該当します。DFDではありません。
ウ(四角と線で構成された図。「実体1」「実体2」という四角があり、1対Nの関係線がある図。):
この図は、データ構造やエンティティ間の関係(例えば、顧客と注文の関係など)を表現するER図(Entity-Relationship Diagram:実体関連図)の記述例に該当します。DFDではありません。
エ(丸と矢印とひし形で構成された図。ひし形の中に「判断」とあり、丸の中に「処理1」「処理2」とある図。):
この図は、プログラムやプロセスの処理手順や分岐を表現するフローチャートの記述例に該当します。ひし形は条件分岐を示します。DFDではありません。
難易度
この問題は、ITパスポート試験のストラテジ系でよく出題されるシステム開発のモデリングに関する基本的な知識を問うものです。DFD(データフローダイアグラム)の特徴と他の図(状態遷移図、ER図、フローチャート)の記法をしっかり区別できるかがポイントとなります。各図の基本的な記号の意味を理解していれば、比較的容易に正解できます。初学者にとっては、それぞれの図の目的と主要な構成要素を覚えることが重要です。
用語補足
DFD:
DFD(Data Flow Diagram:データフローダイアグラム)は、システム内でのデータの流れと処理を視覚的に表現するための図です。データの発生源(外部エンティティ)、データの処理(プロセス)、データの保存場所(データストア)、およびデータがこれら要素間をどのように移動するか(データフロー)を記号で示します。例えば、オンラインショップでの注文処理をDFDで表すと、顧客からの注文データがシステムに入り、在庫確認処理を経て、注文データベースに保存され、発送処理へ流れる様子がわかります。
状態遷移図:
状態遷移図(ステート遷移図)は、システムやオブジェクトが取り得る「状態」と、ある状態から別の状態へ移るきっかけとなる「事象(イベント)」の関係を図で示したものです。例えば、スマートフォンの「ロック画面(状態)」からパスワード入力によって「ホーム画面(状態)」へ移るといった、状態の変化を分かりやすく表現するのに使われます。
ER図:
ER図(Entity-Relationship Diagram:実体関連図)は、データベースの設計で使われる図で、システムが管理する「実体(エンティティ)」と、それらの実体間の「関係」を表現します。例えば、「顧客」と「商品」という実体があり、「顧客」が「商品」を「購入する」という関係を、四角や線を使って示します。
フローチャート:
フローチャートは、プログラムの処理手順や業務の流れを図記号で示したものです。処理の開始と終了、具体的な処理、条件による分岐、繰り返しなどを矢印でつなぎながら表現します。例えば、ATMでお金を引き出す際、「カード挿入(処理)」→「暗証番号入力(処理)」→「暗証番号が正しいか?(判断)」といった一連のステップを図で表します。
対策
この問題を解くためのポイントは、DFD(データフローダイアグラム)の基本的な記号とその役割を正確に理解することです。特に、「プロセス(丸)」、「データストア(開いた四角)」、「外部エンティティ(四角)」、「データフロー(矢印)」という主要な要素がどのように組み合わされるかを把握しましょう。また、他の選択肢に示されている状態遷移図、ER図、フローチャートといった異なる種類の図の記法も同時に学習し、それぞれの図が何を表すのか、どのような記号が使われるのかを区別できるようにしておくことが重要です。過去問を繰り返し解き、図の種類と特徴を確実に覚える対策が効果的です。

