問題
問26
法律a~cのうち、内部統制の整備を要請しているものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 会社法
- b 金融商品取引法
- c 労働者派遣法
- a, b
- a, b, c
- a, c
- b
[出典:ITパスポート試験 平成30年度春期 問26]
正解
正解は「ア」です。
解説
内部統制とは、企業が健全で効率的な経営を行うために、組織内でルールや仕組みを整備し、適切に運用することです。これは、企業が法律や社会的な規範を守り、不正やミスを防ぎ、最終的に企業価値を高めることを目指します。 正解の「ア」は「会社法」と「金融商品取引法」を挙げています。
- 会社法は、大企業(上場企業など)に対して、会社の業務の適正を確保するための体制、つまり内部統制システムを整備することを義務付けています。これは、企業の透明性を高め、不祥事を防ぐための重要な役割を果たします。例えば、大きな会社の社長さんが、社員全員がきちんとルールを守って仕事をしているか、お金の使い方は正しいかなどをチェックする仕組みを作ることを法律で求めている、というイメージです。
- 金融商品取引法は、上場企業に対して、財務報告の信頼性を確保するための内部統制(J-SOX法とも呼ばれます)の整備と評価を義務付けています。これは、投資家が企業の財務情報を信頼できるようにするためで、企業の会計処理が正しく行われていることを保証する仕組みです。例えば、企業の決算書が嘘偽りなく作られているかを、会社自身でチェックし、さらに外部の監査法人もチェックすることで、信頼性を担保しています。
これらの法律は、企業の信頼性や健全性を保つために、内部統制の整備を強く要請しています。
イ(a, b, c):
「労働者派遣法」は労働者の保護を目的とした法律であり、内部統制の整備を直接的に要請するものではありません。
ウ(a, c):
「労働者派遣法」は内部統制の整備を直接要請しないため、選択肢として不適切です。
エ(b):
「会社法」も内部統制の整備を要請しているため、bだけでは不十分です。
難易度
この問題は、内部統制に関する基本的な知識が問われる問題です。ITパスポート試験の学習範囲である「ストラテジ系」の中でも、企業活動と法務に関する知識が必要となります。特に、「会社法」と「金融商品取引法(J-SOX)」が内部統制と深く関連していることを理解していれば、比較的容易に解答できるでしょう。法律の内容を丸暗記するのではなく、なぜその法律が内部統制を求めるのか、その背景や目的を理解することが、正解への近道となります。
用語補足
内部統制:
企業が経営目標を達成するために、組織内の業務プロセスを適切に管理・運用する仕組みのことです。例えば、お金の管理を複数人でチェックしたり、不正を防ぐためのルールを設けたりすることなどが含まれます。
会社法:
会社の設立、組織、運営、管理など、会社に関する基本的なルールを定めた日本の法律です。特に大企業には、経営の健全性確保のために内部統制システムの構築を義務付けています。
金融商品取引法:
株式などの金融商品の取引や、上場企業の開示情報などを規制する法律で、投資家保護と市場の公正性を目的としています。この法律には、上場企業に財務報告に関する内部統制(J-SOX)の整備・評価を義務付ける条項が含まれます。
労働者派遣法:
労働者派遣事業の適正な運営を確保し、派遣労働者の保護を図ることを目的とした法律です。例えば、派遣社員の待遇や労働条件に関するルールなどを定めています。
対策
この問題のような法律に関する知識を問う問題は、ITパスポート試験で頻出します。対策としては、「会社法」や「金融商品取引法」が企業統治や内部統制の分野でどのような役割を果たすのか、その背景にある目的を理解することが重要です。特にJ-SOX法などのキーワードと関連付けて記憶しておくと良いでしょう。また、「労働者派遣法」のように、一見関連しそうな法律でも、内部統制の整備義務とは直接関係ないものもあるため、各法律の主要な目的を正確に把握しておくことが効果的です。過去問題を通して、どの法律がどのような企業活動を規制しているのかを繰り返し確認することがポイントです。

