問題
問42
情報システムの運用業務を社外に委託するとき,提供されるサービスの品質レベルを委託元と委託先の間で合意するために作成されるものはどれか。
- ASP
- ISP
- RFP
- SLA
[出典:ITパスポート試験 平成29年度春期 問42]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「エ」のSLAです。SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)とは、サービスを提供する側とサービスを受ける側が、どのようなサービスを、どのくらいの品質で提供・利用するのかを具体的に取り決める文書のことです。情報システムの運用業務を外部の会社に任せる場合、委託元(利用者)は「システムが止まったら困るから、稼働率は99.9%以上にしてほしい」とか、「障害が起きたら30分以内に対応を開始してほしい」といった具体的な希望があるでしょう。
SLAは、このようなサービスに関する期待値を明確にし、その達成状況をどのように測るか、目標が達成できなかった場合にどうするかなどを文書で合意するものです。これにより、委託元は期待通りのサービスを受けられることを確認でき、委託先も何をすべきかが明確になります。両者の認識のズレを防ぎ、スムーズな運用とトラブル発生時の解決に役立つ、非常に重要な契約文書なのです。
ア(ASP):
ASP(Application Service Provider)は、インターネット経由でアプリケーションソフトウェアの機能を提供するサービスや、そのサービスを提供する事業者のことです。品質レベルを合意するための文書ではありません。
イ(ISP):
ISP(Internet Service Provider)は、インターネットへの接続サービスを提供する事業者のことです。インターネット接続自体を提供する役割であり、情報システム運用の品質レベルを合意する文書とは関係ありません。
ウ(RFP):
RFP(Request For Proposal:提案依頼書)は、システム開発やサービス導入を依頼する企業が、ベンダ(提供業者)に対して、具体的なシステム要件や調達条件などを提示し、提案を求めるための文書です。ベンダから提案を引き出すためのものであり、サービスの品質レベルを合意する文書ではありません。
難易度
この問題の難易度は中程度です。情報システムの運用業務に関する契約や外部委託でよく使われる専門用語の知識が問われます。特に、SLA、RFP、ASP、ISPといった略語の意味と、それぞれがどのような役割を持つ文書やサービスであるかを正確に把握しているかがポイントになります。これらの用語はITパスポート試験で頻出するため、それぞれの違いをしっかり理解しておくことが重要です。
用語補足
SLA:
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)は、サービス提供者と利用者との間で、提供されるサービスの具体的な品質レベルについて合意する文書です。例えば、インターネット回線サービスで「通信速度は最低100Mbpsを保証する」といった約束事を書面で交わすようなものです。
ASP:
ASP(Application Service Provider)は、インターネット経由でソフトウェアの機能を提供するサービス、またはその事業者です。自分のパソコンにソフトをインストールしなくても、Webブラウザから会計ソフトや顧客管理ソフトを利用できるようなサービスを指します。
ISP:
ISP(Internet Service Provider:インターネットサービスプロバイダ)は、インターネットに接続するためのサービスを提供している会社です。例えば、自宅でインターネットを利用するために契約する回線業者や、Wi-Fi接続サービスを提供する会社などがこれに当たります。
RFP:
RFP(Request For Proposal:提案依頼書)は、企業が新しいシステムやサービスを導入する際に、複数のベンダ(提供業者)に対して、システム化の目的や要件、導入のスケジュールなどを記載し、具体的な提案を依頼するための文書です。簡単に言えば、「こんなシステムが欲しいんだけど、どうすれば実現できるか提案してくれませんか?」と業者に渡す書類のことです。
対策
この問題を解くためのポイントは、情報システムの外部委託やサービス提供に関連する主要な用語の役割と目的を明確に区別することです。特に、SLAとRFPは混同しやすいですが、SLAは「サービスの内容や品質に関する合意」であり、RFPは「サービスやシステムに関する提案の依頼」であるという違いをしっかり理解しましょう。日頃から各用語の定義だけでなく、それがどのような状況で使われるのかを具体的な例と一緒に学ぶことで、より確実に知識を定着させることができます。

