問題
問64
OSS (Open Source Software) を利用することのメリットはどれか。
- 開発元から導入時に技術サポートを無償で受けられる。
- ソースコードが公開されていないので、ウイルスに感染しにくい。
- ソフトウェアの不具合による損害の補償が受けられる。
- ライセンス条件に従えば、利用者の環境に合わせてソースコードを改変できる。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問64]
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は選択肢エです。OSS(オープンソースソフトウェア)の最も大きなメリットの一つは、ソースコードが公開されている点にあります。これにより、利用者はそのソフトウェアの内部構造を自由に確認できるだけでなく、ライセンス条件(利用規約)の範囲内であれば、自分の環境や特定の目的に合わせてソースコードを修正したり、新しい機能を追加したり、あるいは不要な部分を削除したりといった改変を自由に行うことが可能になります。これは、市販のソフトウェアではできない、柔軟なカスタマイズが可能になることを意味します。
例えば、業務で使うツールに、自社独自の計算方法や連携機能を組み込みたい場合でも、OSSであれば自分たちで直接修正して対応できます。特定のベンダーに依存することなく、コストを抑えながら自社に最適なシステムを構築できるため、多くの企業や開発者がOSSを積極的に活用しています。
ア(開発元から導入時に技術サポートを無償で受けられる。):
OSSは基本的に無償で提供されますが、開発元からの技術サポートは通常提供されません。有償でサポートを提供している企業もありますが、多くの場合、コミュニティによる情報共有や自己解決が前提となります。
イ(ソースコードが公開されていないので、ウイルスに感染しにくい。):
OSSの大きな特徴は、ソースコードが公開されていることです。多くの人がソースコードをレビューできるため、セキュリティ上の脆弱性が早期に発見・修正される可能性がある一方で、悪意のある利用者による脆弱性の悪用リスクもゼロではありません。ウイルス感染のしやすさとは直接的な関係はありません。
ウ(ソフトウェアの不具合による損害の補償が受けられる。):
OSSは「現状のまま」提供されることが一般的で、不具合によって発生した損害に対する補償は通常ありません。利用者は自己責任でソフトウェアを利用し、必要に応じて自身で修正や対策を行うことになります。
難易度
この問題は、OSS(オープンソースソフトウェア)の基本的な特徴とメリットを問うもので、難易度は比較的低いと言えます。OSSの概念を学習していれば、特に迷うことなく解答できるでしょう。ポイントは、OSSの「オープンソース」という言葉が示すように、ソースコードが公開されていることで得られるメリットを理解しているかどうかです。ITパスポート試験ではOSSに関する出題が多いため、この概念をしっかりと押さえておくことが重要です。
用語補足
OSS (Open Source Software):
ソースコードが公開されており、誰でも自由に利用、改変、再配布できるソフトウェアのことです。例えば、無料で使えるOSのLinuxや、ウェブブラウザのFirefoxなどがこれに該当します。料理で例えるなら、レシピが公開されていて、誰もがそのレシピを使って料理を作り、さらに自分好みにアレンジしたり、友人にも教えたりできるようなものです。
ソースコード:
プログラミング言語で書かれた、人間が読んで理解できるコンピュータプログラムの元の文章のことです。コンピュータはこのコードを直接理解できないため、実行可能な形式に変換されて初めて動作します。料理のレシピに例えると、料理を作る手順が文字で書かれた紙のようなもので、これを読むことで、どんな料理ができるのか、どう作られているのかがわかります。
ライセンス条件:
ソフトウェアやコンテンツを利用する際に、開発者や提供者が定めた利用規約や条件のことです。例えば、ゲームソフトを購入した際に「個人的な利用に限る」といったルールがあるのは、そのゲームのライセンス条件です。OSSにもそれぞれ独自のライセンス条件があり、その範囲内で改変や再配布が許可されています。
改変:
既存のものに変更を加えたり、修正したりすることです。ソフトウェアにおいては、ソースコードを修正して機能を追加したり、不具合を修正したりする行為を指します。例えば、市販のおもちゃに自分でパーツを追加して改造するようなイメージです。OSSでは、この改変がライセンス条件の範囲内で自由にできます。
対策
OSSに関する問題では、その定義、メリット、デメリットを正確に理解しておくことが解法のポイントです。特に、「ソースコードが公開されていること」がもたらす「改変の自由度」は、OSSの最も重要なメリットの一つです。一方で、無償利用が基本であるため、「技術サポートの無償提供」や「損害補償」は期待できない点も併せて覚えておきましょう。各選択肢がOSSのどの特徴に合致するか、あるいは合致しないかを判断できるように、知識を整理して学習することが対策となります。

