問題
問55
システム開発のプロセスには、システム要件定義、システム方式設計,システム結合テスト,ソフトウェア受入れなどがある。システム要件定義で実施する作業はどれか。
- 開発の委託者が実際の運用と同様の条件でソフトウェアを使用し、正常に稼働することを確認する。
- システムテストの計画を作成し、テスト環境の準備を行う。
- システムに要求される機能,性能を明確にする。
- プログラム作成と、評価基準に従いテスト結果のレビューを行う。
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問55]
正解
正解は「ウ」です。
解説
システム要件定義とは、システム開発の最初の重要な段階で、新しいシステムに「何が求められているのか」を明確にする作業のことです。具体的には、利用者がどのような目的で、どのような機能が必要か、どれくらいの速さで動いてほしいか、といった要望を詳細に聞き取り、それを文書化して、利用者と開発者の間で「こういうシステムを作ります」という合意を形成します。
この段階で機能や性能を具体的に決めることで、後の設計や開発がスムーズに進み、意図しないシステムができてしまうことを防ぎます。例えるなら、家を建てる際に、建築家と依頼主が「リビングは何畳で、窓はどのくらい大きくして、キッチンには食洗機を付けてほしい」といった具体的な要望を話し合い、設計図の元となる仕様を明確にする作業と同じです。
ア(開発の委託者が実際の運用と同様の条件でソフトウェアを使用し、正常に稼働することを確認する。):
これは「受け入れテスト(または運用テスト)」の作業内容です。システムが完成し、利用者が実際に運用できるかどうかを確認する、開発プロセスの最終段階の一つです。
イ(システムテストの計画を作成し、テスト環境の準備を行う。):
これは「システムテスト計画」の作業内容です。システム全体が要件を満たしているかを確認するためのテスト計画を立て、環境を整える段階であり、要件定義の後のテストフェーズで実施されます。
エ(プログラム作成と、評価基準に従いテスト結果のレビューを行う。):
これは「プログラム開発」と「単体テスト/結合テスト」の作業内容です。要件定義と設計が完了した後に、実際にプログラムを記述し、その動作を検証する段階です。
難易度
この問題は、システム開発の各プロセスにおける主要な作業内容を問うもので、ITパスポート試験の基礎知識として非常に重要です。システム開発の全体の流れを理解していれば、比較的容易に解答できる問題と言えます。各フェーズの目的と役割を明確に区別することがポイントです。初学者でも、まずは「要件定義」が最初に来るということを押さえておきましょう。
用語補足
システム要件定義:
システムを開発する際に、どのような機能や性能が必要なのかを、利用者と開発者の間で明確にし、合意を形成するプロセスです。例えば、「オンラインで商品を注文できるようにする」という漠然とした要望を、「商品検索機能」「カート機能」「決済機能」といった具体的な機能に落とし込む作業です。
システム方式設計:
要件定義で決まった内容をどのようにシステムとして実現するかを具体的に設計するプロセスです。例えば、ユーザーインターフェースのデザイン、データベースの構造、ネットワーク構成などを検討します。
システム結合テスト:
個別に開発された複数のモジュールやシステムが連携して正しく動作するかを確認するテストです。例えば、会員管理システムと購買履歴管理システムが連携して、顧客情報が正しく反映されるかなどを確認します。
ソフトウェア受入れ:
開発されたソフトウェアが、当初の要件定義通りに動作し、利用者が実際に業務で使用できるレベルにあるかを利用者が確認する最終的なテストです。例えば、納品されたシステムを顧客が実際に操作してみて、問題がないかを確認する作業です。
対策
この問題を解くためのポイントは、システム開発のライフサイクル(SDLC)における各フェーズの名称と、それぞれのフェーズで何が行われるかを正確に理解することです。特に、「企画→要件定義→設計→開発→テスト→運用→保守」という一連の流れと、それぞれの段階の目的、主な作業を関連付けて覚えることが重要です。要件定義は「何を開発するか」を明確にするフェーズであることを押さえておきましょう。

