問題
問51
情報システムに関するファシリティマネジメントの施策として、適切なものはどれか。
- 打合せの場において、参加者の合意形成をサポートするスキルの獲得
- サーバ室内の設備を、省エネ機器へ交換することによる維持コストの低減
- 相談窓口の設置によるソフトウェア製品に関するクレームへの対応
- 部品調達先との生産計画の共有化による製品在庫数の削減
[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問51]
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は選択肢イです。ファシリティマネジメントとは、企業や組織が保有する施設や設備(ファシリティ)を最適に管理・運用し、それらの価値を最大限に引き出すための活動です。これには、物理的なスペースや建物の管理だけでなく、電気・空調設備、情報システムを収容するサーバ室などのインフラ管理も含まれます。
選択肢イの「サーバ室内の設備を、省エネ機器へ交換することによる維持コストの低減」は、サーバ室という施設(ファシリティ)の設備を改善し、コスト削減という形で施設の運用効率を高める具体的な施策です。これは、ファシリティマネジメントが目指す「最適な管理・運用による価値の最大化」に合致します。
例えば、自宅の電気代を節約するために、古い冷蔵庫を最新の省エネ冷蔵庫に買い替えるようなイメージです。初期費用はかかりますが、長期的に見れば電気代という維持コストを大幅に削減できます。同様に、サーバ室の設備を省エネ型にすることで、電力消費を抑え、運用コストを削減することができます。
ア(打合せの場において、参加者の合意形成をサポートするスキルの獲得):
これはコミュニケーション能力やプロジェクトマネジメントの一環であり、施設・設備の管理とは直接関係ありません。
ウ(相談窓口の設置によるソフトウェア製品に関するクレームへの対応):
これはITサービスマネジメントや顧客サポートに関する活動であり、施設・設備の管理とは直接関係ありません。
エ(部品調達先との生産計画の共有化による製品在庫数の削減):
これはサプライチェーンマネジメント(SCM)に関する活動であり、施設・設備の管理とは直接関係ありません。
難易度
この問題は、ファシリティマネジメントという専門用語の意味を正確に理解しているかが問われるため、初心者にとってはやや難しく感じるかもしれません。各選択肢が異なるマネジメント領域の活動を指しているため、それぞれの概念を明確に区別できる知識が必要です。特に、ITサービスマネジメントやサプライチェーンマネジメントといった関連用語との違いを把握していると、正解にたどり着きやすくなります。
用語補足
ファシリティマネジメント:
企業が持つ建物や設備、土地などの施設(ファシリティ)を、効率的かつ効果的に管理・運用し、事業活動をサポートする活動全般を指します。例えば、オフィスのレイアウト変更や、空調・電気設備の保守、セキュリティ管理などがこれに該当します。
ITサービスマネジメント:
顧客に価値あるITサービスを提供するために、サービスの設計、移行、運用、改善を継続的に行う活動です。例えば、システム障害時の復旧対応や、新しいITサービスの導入プロセス管理などが含まれます。
サプライチェーンマネジメント (SCM):
原材料の調達から製品の製造、物流、販売、消費に至るまでの一連の流れ(サプライチェーン)全体を最適化し、効率を向上させる管理手法です。例えば、在庫の無駄をなくしたり、顧客への配送を迅速にしたりする取り組みが該当します。
省エネ機器:
消費電力を抑えることで、エネルギーの利用効率を高めるように設計された機器のことです。例えば、LED照明やインバータエアコン、エコモード搭載のパソコンなどが含まれ、電気代の削減や環境負荷の低減に貢献します。
対策
この問題の対策としては、まず「ファシリティマネジメント」の定義を正確に理解することが重要です。ITパスポート試験では、似たようなマネジメント系の用語が多く出題されるため、「ITサービスマネジメント」や「プロジェクトマネジメント」、「サプライチェーンマネジメント」など、関連する他のマネジメント概念との違いを明確に区別して覚えることがポイントです。それぞれのマネジメントが具体的にどのような活動を行うのか、事例を交えて理解を深めると良いでしょう。

