問題
問41
SLAの合意内容を達成するために、サービス状況のモニタリングやレビューなどを通じてサービスレベルの維持や向上を図る活動を何というか。
- CSR
- ERP
- SLM
- SWOT
[出典:ITパスポート試験 平成28年度春期 問41]
正解
正解は「ウ」です。
解説
SLA(サービスレベル合意書)で合意したサービスレベルを維持・向上させる活動が「SLM(サービスレベル管理)」です。SLMは、顧客と合意したサービスレベルを継続的に達成するために、サービス提供状況を監視(モニタリング)し、定期的に評価(レビュー)して改善していく一連のプロセスを指します。
例えば、インターネットサービスプロバイダーが「月に99.9%の稼働率を保証します」と顧客と約束したとします。SLMでは、実際にサービスがどのくらい停止したか監視し、もし停止時間が増えそうなら事前に手を打ったり、問題が起きたら原因を調べて再発防止策を講じたりして、常に約束通りのサービス品質を保つように管理していきます。これにより、顧客の満足度を高め、信頼関係を築くことができます。
ア(CSR):
CSRは「企業の社会的責任」のことで、企業が社会の一員として、環境保護や社会貢献活動を行うことです。サービスレベルの維持・向上とは直接関係ありません。
イ(ERP):
ERPは「企業資源計画」のことで、企業の経営資源(人、モノ、カネ、情報)を一元的に管理し、最適化するための情報システムのことです。サービスレベル管理とは異なる概念です。
エ(SWOT):
SWOT分析は、企業の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を分析し、戦略立案に役立てる手法です。サービスレベルの維持・向上を行う活動そのものではありません。
難易度
この問題はITサービスマネジメントに関する基本的な知識を問うもので、難易度は比較的低いと言えます。SLAというキーワードとサービスレベルの「維持・向上」という活動内容から、直接的に関連するSLM(サービスレベル管理)を導き出すことができます。他の選択肢はITパスポート試験でよく出てくる用語ですが、意味が異なるため区別しやすいでしょう。初学者でも用語の意味をしっかり覚えていれば、容易に正解できる問題です。
用語補足
SLA:
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)は、サービス提供者と顧客の間で合意されたサービスの品質基準や内容を具体的に定めた文書です。例えば、「このインターネット回線は月間99.9%以上の稼働を保証します」といった、提供されるサービスの『お約束』が書かれています。
SLM:
SLM(Service Level Management:サービスレベル管理)は、SLAで合意したサービスレベルを継続的に達成し、維持・向上させるための一連の活動です。サービスが約束通りに提供されているかを常に確認し、問題があれば改善策を講じるプロセスを指します。例えるなら、スポーツ選手の体調を管理し、最高のパフォーマンスを維持・向上させるためのトレーニングや食事管理のようなものです。
CSR:
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)は、企業が経済活動だけでなく、環境保護、社会貢献、従業員の労働環境改善など、社会全体に対して責任を果たすことです。例えば、エコ商品の開発や地域ボランティア活動への参加などが挙げられます。
ERP:
ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)は、企業の持つ「人、モノ、カネ、情報」といった経営資源を一元的に管理し、最適化するための情報システムです。生産、販売、会計、人事などの業務データを統合し、効率的な経営判断を支援します。例えるなら、会社全体の情報をまとめた「会社の脳」のようなもので、各部署がバラバラに持っていた情報を一つに集めて賢く活用するシステムです。
対策
ITサービスマネジメントの分野では、SLA、SLM、可用性管理、キャパシティ管理など、多くの専門用語が登場します。それぞれの用語の意味と、具体的な活動内容をセットで理解することが重要です。特に、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)というフレームワークに関連する用語は頻出しますので、しっかりと学習しておきましょう。また、他の選択肢にあるCSR、ERP、SWOT分析などの経営戦略系の用語との区別もできるように、それぞれの概念を正確に把握しておくことが、このような問題を解く上でのポイントとなります。

