問題
問13
BPM (Business Process Management) の考えに基づいた業務改善に関する説明として、最も適切なものはどれか。
- 企業内のデータを統合し、これを用いて業務上の意思決定の支援を図る。
- 業務と経営資源を統合的に管理し、経営資源の活用方法の改善を図る。
- 業務の実行結果などから業務プロセス自体を見直し、継続的な改善を図る。
- 業務プロセスの分業化を進め、作業効率の向上を図る。
[出典:ITパスポート試験 平成28年度春期 問13]
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ 業務の実行結果などから業務プロセス自体を見直し、継続的な改善を図る」です。BPM(Business Process Management)とは、企業が持つ様々な業務プロセスを継続的に改善していくための管理手法を指します。
具体的には、現在の業務プロセスを可視化し、問題点を分析し、改善策を実行し、その結果を監視・評価して、さらに改善するというサイクルを繰り返します。これにより、業務の効率性や品質を高め、企業の目標達成に貢献することを目指します。例えば、顧客からの問い合わせ対応プロセスを考えてみましょう。BPMでは、まず現在の対応フローを明確にし、どこに時間がかかっているか、顧客満足度を下げている要因は何かを分析します。
その上で、FAQシステムの導入や担当者のスキルアップといった改善策を実施し、対応時間の短縮や顧客満足度の向上といった成果をモニタリングします。もし期待通りの成果が出なければ、さらにプロセスを見直して次の改善策を検討します。このように、業務の実行結果をもとにプロセスそのものをPDCAサイクルで改善し続けるのがBPMの核心的な考え方です。
ア(企業内のデータを統合し、これを用いて業務上の意思決定の支援を図る。):
これはBI(ビジネスインテリジェンス)やDWH(データウェアハウス)の考え方に近い内容です。BPMは業務プロセスそのものの改善に焦点を当てますが、データ統合は意思決定の支援が主目的となります。
イ(業務と経営資源を統合的に管理し、経営資源の活用方法の改善を図る。):
これはERP(統合基幹業務システム)の目的や、より広範な経営戦略の考え方に近いです。BPMも経営資源を考慮しますが、直接的な目的は業務プロセスの継続的な改善サイクルを回すことです。
エ(業務プロセスの分業化を進め、作業効率の向上を図る。):
分業化は業務効率化の一つの手段ではありますが、BPMの本質は分業化にとどまらず、プロセス全体の可視化、分析、継続的な改善サイクルにあります。分業化だけでは、部分的な最適化はできても、全体最適な改善にはつながりにくい場合があります。
難易度
この問題の難易度は中程度です。BPM(Business Process Management)という用語を知っていれば比較的容易に正解できますが、類似の概念であるBI、ERP、業務効率化と混同しやすい選択肢が含まれているため、用語の正確な理解が求められます。初学者の方は、各経営管理手法の具体的な目的と対象範囲をしっかりと区別して覚えることが重要です。
用語補足
BPM (Business Process Management):
企業全体の業務プロセスを継続的に分析し、改善していくための管理手法です。例えば、製品の製造工程を細かく見て、どこに無駄があるか、もっと効率的にできる部分はないかを常に探し、改善を繰り返していく活動全体を指します。
BI (ビジネスインテリジェンス):
企業が持つ大量のデータを分析し、経営戦略や意思決定に役立つ情報を導き出すことです。例えば、過去の販売データや顧客データから「どの商品が、いつ、どのような顧客に売れたか」を分析して、次の販売戦略を立てるのに使います。
ERP (Enterprise Resource Planning):
企業の様々な基幹業務(会計、人事、生産、販売など)を統合し、効率的に管理するためのシステムです。バラバラに管理されていた情報を一つのシステムにまとめることで、リアルタイムな情報共有や業務の連携をスムーズにします。
業務プロセス:
ある特定の目標を達成するために行われる、一連の作業や活動のまとまりです。例えば、「商品の注文を受けてからお客様に届けるまで」の一連の流れや、「新しい製品を企画してから市場に出すまで」の一連の工程が業務プロセスに当たります。
対策
この問題を解くためには、BPMの定義と目的を正確に理解することが重要です。BPMは業務プロセスを「発見・設計→実行→監視→最適化」というサイクルで継続的に改善する活動を指します。他の選択肢が指すBI(データ分析による意思決定支援)、ERP(業務の統合管理)、単なる効率化(分業化)との違いを明確に区別できるようにしましょう。各経営管理手法のキーワードと目的をセットで覚えることが効果的な対策となります。

