問題
問94
並列処理の説明として、適切なものはどれか。
- 一連の処理を同時に実行できる処理単位に分け、複数のCPUで実行すること
- 関連する複数の処理を一つの処理単位にまとめて実行すること
- ビジネスロジックやデータベース処理はサーバ側で行い、ユーザインタフェース処理はクライアント側で行うこと
- 一つのCPUの処理時間を短い単位に分割し、複数のアプリケーションソフトに順 番に割り当てて実行すること
[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問94]
正解
正解は「ア」です。
解説
並列処理とは、コンピュータが複数の作業を同時に進めるための技術です。例えば、料理をするときに、一人で材料を切って炒めて盛り付けるのではなく、材料を切る人、炒める人、盛り付ける人というように複数の人が分担して同時に作業を進めるイメージです。コンピュータの世界では、CPU(中央演算処理装置)が複数のコアを持っている場合や、複数のCPUが搭載されている場合に、一つの大きな処理を小さな処理の単位に分割し、それらをそれぞれのコアやCPUで同時に実行することで、全体の処理時間を短縮します。
これにより、動画のエンコードや大量のデータ処理など、時間がかかる作業を効率よく行えます。正解の選択肢「ア」は、この並列処理の核心を正確に説明しています。
イ(関連する複数の処理を一つの処理単位にまとめて実行すること):
これは処理をまとめることで効率化を図る方法ですが、同時に実行する並列処理とは異なります。
ウ(ビジネスロジックやデータベース処理はサーバ側で行い、ユーザインタフェース処理はクライアント側で行うこと):
これはクライアント/サーバシステムにおける役割分担の説明であり、並列処理とは直接関係ありません。
エ(一つのCPUの処理時間を短い単位に分割し、複数のアプリケーションソフトに順番に割り当てて実行すること):
これはマルチタスク処理(時分割処理)の説明であり、一つのCPUで複数のタスクを切り替えながら実行しますが、厳密には同時に実行する並列処理とは異なります。
難易度
この問題の難易度は、ITパスポート試験の基礎知識として「並列処理」の概念を理解しているかが問われます。技術系の専門用語に慣れていない初心者の方にとっては、他の選択肢との違いが分かりにくいかもしれませんが、基本的な定義を覚えていれば解答しやすい問題です。並列処理とマルチタスク処理の違いをしっかり押さえておくことが重要です。
用語補足
並列処理:
複数のCPUやCPUのコアを使って、いくつかの処理を同時に進めることです。例えば、工場で複数のラインが同時に製品を作っているような状態です。
CPU (Central Processing Unit):
コンピュータの頭脳にあたる部分で、様々な計算や命令の実行を行います。人間でいうと、思考や指示を出す役割を担う司令塔のようなものです。
マルチタスク処理:
一つのCPUが、複数のアプリケーション(タスク)を細かく切り替えながら実行し、あたかも同時に動いているように見せる処理です。例えば、人間が音楽を聴きながら同時に本を読むようなものです(実際には、聴くと読むを素早く切り替えている)。
クライアント/サーバシステム:
サービスを提供する「サーバ」と、そのサービスを利用する「クライアント」という役割に分かれたコンピュータシステムの構成です。例えば、レストランで料理を提供する厨房(サーバ)と、料理を注文して食べる客席(クライアント)のような関係です。
対策
この問題を解くためのポイントは、「並列処理」の正確な定義を理解することです。特に、「複数の処理単位を同時に実行する」という点が重要です。似た概念である「マルチタスク処理(時分割処理)」や「分散処理」との違いを明確に区別できるように学習しましょう。それぞれの処理が「どのように」「何を使って」処理を行うのかを、具体的な例を交えて覚えることで、迷わずに正解を選べるようになります。過去問演習を通して、用語の定義をしっかりと身につけることが効果的な対策となります。

