問題
問50
品質の目標に対し、不良が多く発生しているシステム開発プロジェクトがある。重点的に解消すべき課題を明らかにするために、原因別に不良の発生件数を調べ、図で表すことにした。このときに用いるのが適切な図はどれか。

[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問50]
正解
正解は「イ」です。
解説
問題は、不良が多く発生しているシステム開発プロジェクトにおいて、重点的に解消すべき課題を明らかにするために、原因別に不良の発生件数を調べ、その結果を図で表すのに適切なものを選ぶ問題です。 このような状況で原因の重要度を把握し、優先順位をつけて改善活動を進める際に効果的なのは「パレート図」です。
パレート図は、項目別のデータを棒グラフで示し、累積構成比を折れ線グラフで示すことで、「全体の大部分を占める少数の原因」を視覚的に把握できるようにするグラフです。例えば、お店で売れる商品の種類はたくさんあるけれど、売上の8割は人気商品2割が稼いでいる、といった「80対20の法則(パレートの法則)」を可視化するのに役立ちます。
今回の問題では、不良の原因を特定し、どの原因から対策を打てば最も効果が大きいかを判断するために、原因別の発生件数とその累積割合を示す図(選択肢イ)が最適です。これにより、最も影響の大きい原因を特定し、効率的に品質改善を進めることができます。
ア:
これはフローチャートであり、業務の手順やシステムの処理の流れを示す図です。不良の原因分析には適していません。
ウ:
これは散布図であり、2つの変数間の関係性(相関関係)を見るための図です。不良の発生件数の大小や優先順位を判断する目的には直接適していません。
エ:
これもフローチャートの一種で、アと同様に処理の流れを示すものです。不良の原因分析には不適切です。
難易度
この問題の難易度は中程度です。品質管理に関する知識があれば解きやすいですが、パレート図の概念を知らないと迷うかもしれません。図を見ただけで「棒グラフと累積折れ線グラフ」の特徴を理解し、それが「重点課題の特定」に役立つと判断できるかがポイントとなります。品質管理の基礎を学習しているかどうかで、解きやすさが大きく変わるでしょう。
用語補足
パレート図:
不良や問題の原因別に発生件数などを棒グラフで示し、その累積割合を折れ線グラフで示すことで、影響の大きい少数の原因を特定し、改善の優先順位を決めるのに役立つグラフです。例えば、製品の不具合の原因をリストアップし、それぞれの不具合がどれくらいの割合を占めるかを可視化するのに使われます。
品質管理:
製品やサービスの品質を維持・向上させるための活動全般を指します。顧客の要求を満たし、より良いものを提供できるよう、計画、実行、チェック、改善(PDCAサイクル)を継続的に行います。不良品を減らしたり、作業ミスを防いだりする取り組みもこれに含まれます。
システム開発プロジェクト:
新しい情報システムを計画、設計、構築、導入するまでの一連の作業を指します。特定の期間内に、決められた予算と人員で目標のシステムを完成させることを目指します。例えば、新しい会社のウェブサイトを作る場合、その全体がプロジェクトとなります。
フローチャート:
業務プロセスやプログラムの処理の流れを、記号と線を使って図で表したものです。どの手順をどの順番で行うか、条件によって分岐するかなどを視覚的に分かりやすく表現します。例えば、お店で商品が売れてからお客様に渡るまでの流れを図で示す場合に使われます。
対策
この問題を解くためのポイントは、「品質管理における課題の特定や優先順位付けに用いられる図」の知識があるかどうかです。特に「パレート図」は、不良や問題の原因を分析し、対策の優先順位を決めるための代表的な手法として頻出します。 対策としては、品質管理の七つ道具(パレート図、特性要因図、ヒストグラム、散布図、管理図、チェックシート、層別)について、それぞれの特徴と用途を理解しておくことが重要です。特にパレート図は「重要度の高い少数の要因が結果の大部分を占める」というパレートの法則を可視化するツールであることを押さえておきましょう。

