問題
問13
バランススコアカードを採用する目的として、最も適切なものはどれか。
- 財務的尺度だけでなく、非財務的尺度からも業績評価を行う。
- 従業員や株主だけでなく、顧客,取引先,地域社会といった様々な関係者の視点を取り入れた経営計画を推進する。
- 強み、弱み、機会,脅威の四つの視点から、企業の特性を事業環境に適合させた戦略を導き出す。
- バランスシートに基づいて企業業績を得点化し、他企業との客観的な業績比較を行う。
[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問13]
正解
正解は「ア」です。
解説
正解はアです。バランススコアカード(BSC)は、企業の業績を多角的に評価するための経営管理ツールです。従来の財務的な指標(売上、利益など)だけでなく、「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」といった非財務的な側面も評価に組み込むことで、企業が長期的な目標を達成するための戦略を具体的に実行し、その進捗を測定することを目的としています。これにより、財務的な成果だけでなく、その背景にある顧客満足度、業務効率、従業員の能力向上といった要因も評価できるようになります。
例えば、会社の成績を評価する際に、売上(財務的尺度)だけでなく、お客様からの評価(顧客の視点)、新商品開発のスピード(業務プロセスの視点)、社員のスキルアップ(学習と成長の視点)など、幅広い視点から見ることで、よりバランスの取れた評価ができるようになるイメージです。
イ(従業員や株主だけでなく、顧客,取引先,地域社会といった様々な関係者の視点を取り入れた経営計画を推進する。):
この選択肢は、企業を取り巻く様々なステークホルダー(利害関係者)を考慮した経営の考え方(例:CSR、ステークホルダーマネジメント)を説明しており、バランススコアカードの直接的な目的とは異なります。
ウ(強み、弱み、機会,脅威の四つの視点から、企業の特性を事業環境に適合させた戦略を導き出す。):
この選択肢は、SWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats)と呼ばれる戦略立案の手法を説明しています。企業の内部環境と外部環境を分析するものであり、バランススコアカードとは別のツールです。
エ(バランスシートに基づいて企業業績を得点化し、他企業との客観的な業績比較を行う。):
この選択肢は、バランスシート(貸借対照表)を用いた伝統的な財務分析や企業比較を説明しています。バランススコアカードは、財務情報だけでなく非財務情報も組み合わせて評価する点が特徴であり、この選択肢とは異なります。
難易度
この問題は、バランススコアカードの基本的な概念を理解しているかどうかが問われるもので、難易度は中程度です。選択肢の中にはSWOT分析など他の経営分析手法が混じっており、それぞれのツールの目的を正確に把握していないと迷う可能性があります。ITパスポート試験では頻出のテーマなので、しっかり学習しておくことが重要です。
用語補足
バランススコアカード:
企業の業績評価を、財務面だけでなく、顧客、内部プロセス、学習と成長という4つの視点から多角的に行うための経営管理ツールです。例えば、飲食店の評価で「売上」だけでなく「お客様の満足度」「料理提供までのスピード」「従業員の育成」なども含めて総合的に評価するようなものです。
財務的尺度:
企業活動を金銭的な側面から測る指標のことです。売上高、利益、費用、資産、負債などがこれに該当します。例えば、家計でいえば「月々の収入や支出」にあたります。
非財務的尺度:
企業活動を金銭以外の側面から測る指標のことです。顧客満足度、従業員のモチベーション、技術開発力、業務効率などがこれに該当します。例えば、家計でいえば「家族の健康状態」や「趣味の充実度」など、お金では測れない大切なものにあたります。
SWOT分析:
企業の戦略を立案する際に、内部環境の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と、外部環境の「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素を分析する手法です。例えば、新しい商品を開発する際に、「自社の高い技術力(強み)」と「競合他社の動き(脅威)」などを組み合わせて考えるようなものです。
対策
この問題を解くためのポイントは、バランススコアカードの「財務的視点だけでなく、非財務的視点も重視する」という核心的な目的を理解することです。ITパスポート試験では、バランススコアカードやSWOT分析など、様々な経営戦略や分析手法が登場します。それぞれのツールが「何のために使われるのか」「どのような特徴があるのか」を明確に区別して覚えることが対策となります。特に、各選択肢がどの経営用語に該当するのかを把握する練習をすると良いでしょう。

