問題
問35
次に挙げるソフトウェアライフサイクルの主なプロセスのうち、開発するシステムの機能に関して利害関係者の合意が必要なプロセスはどれか。

[出典:ITパスポート試験 平成29年度秋期 問35]
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ:要件定義」です。要件定義は、システム開発の初期段階で、利害関係者(顧客、開発者、利用者など)の要望や期待をまとめ、システムが実現すべき機能や性能を明確にするプロセスです。この段階で、関係者間で「どのようなシステムを作るのか」について合意形成を図ることが極めて重要となります。合意が取れないまま開発を進めてしまうと、後工程での手戻りや、最終的な成果物が期待と異なるものになるリスクが高まります。
そのため、関係者間の丁寧なコミュニケーションと合意形成が不可欠です。 他の選択肢については、企画はアイデア出しや目的設定が中心であり、開発は設計や実装を行う段階、保守・運用は開発後のシステム維持管理や改善を行う段階であり、利害関係者間の合意形成が最重要となるのは要件定義の段階です。
ア(企画):
企画は、システム開発の目的や概要を定義する段階であり、利害関係者間の合意形成も重要ですが、要件定義ほど詳細な機能や性能に関する合意形成は行われません。
ウ(開発):
開発は、要件定義に基づいて設計・実装を行う段階であり、開発者内部での技術的な合意や、必要に応じて顧客との仕様確認は行われますが、要件定義ほど網羅的な利害関係者間の合意形成は行われません。
エ(保守・運用):
保守・運用は、開発されたシステムを維持し、改善していく段階です。運用上の問題や改善要望については、関係者間で確認や合意が必要になることもありますが、システムの根本的な機能に関する合意形成のフェーズではありません。
難易度
この問題は、ソフトウェア開発ライフサイクルの各プロセスの特徴を理解しているかを確認する問題です。各プロセスの役割を正確に把握していれば、比較的容易に解答できます。特に、要件定義が利害関係者間の合意形成に最も重要であることを理解しているかがポイントです。ITパスポート試験の基礎的な知識を問う問題と言えます。
用語補足
ソフトウェアライフサイクル:
ソフトウェアが企画・開発・導入・運用・保守・廃止といった一連の段階を経る過程のことです。例えば、新しいアプリを作る時、アイデアを出す(企画)、どんな機能にするか決める(要件定義)、実際に作る(開発)、リリースして使ってもらう(運用・保守)といった流れです。
利害関係者:
ある物事やプロジェクトに関係のある人や組織のことです。例えば、新しいスマートフォンを開発するプロジェクトでは、開発者、販売担当者、そしてもちろん製品を購入するユーザーも利害関係者となります。
要件定義:
システム開発の初期段階で、利用者や顧客が「どのような機能や性能が必要か」を具体的に決める作業のことです。例えば、オンラインショッピングサイトを作るなら、「商品を検索できる」「カート機能がある」「決済ができる」といった具体的な要望を定義します。
合意形成:
複数の人や組織の間で、意見や考え方をすり合わせ、最終的に全員が納得できる結論を導き出すプロセスです。例えば、家族で旅行先を決める際に、全員が楽しめる場所を見つけるために話し合うようなことです。
対策
ソフトウェア開発の各プロセスの役割を正確に理解することが重要です。特に、「企画」「要件定義」「開発」「保守・運用」の各段階で、どのような活動が行われ、誰が関与し、どのような成果が得られるのかを整理しておきましょう。利害関係者間の合意形成が最も重要となるのは、システムの「何を作るか」を具体的に決める「要件定義」の段階であることを意識すると、解答しやすくなります。

