問題
問12
コンプライアンスに関する事例として、最も適切なものはどれか。
- 為替の大幅な変動によって、多額の損失が発生した。
- 規制緩和による市場参入者の増加によって、市場シェアを失った。
- 原材料の高騰によって、限界利益が大幅に減少した。
- 品質データの改ざんの発覚によって,当該商品のリコールが発生した。
[出典:ITパスポート試験 平成30年度秋期 問12]
正解
正解は「エ」です。
解説
コンプライアンスとは、企業が法律や規則、社会規範などを遵守することを指します。単に法律を守るだけでなく、企業倫理や社会からの信頼に応える行動も含まれます。選択肢「エ」の「品質データの改ざんの発覚によって、当該商品のリコールが発生した」という事例は、企業が製品の品質に関する規則や倫理に違反し、不正を行った結果、社会的な信頼を失い、製品の回収(リコール)に至った状況を示しています。
これは、コンプライアンスの不徹底が企業の重大な問題を引き起こした典型的な例です。消費者の安全を脅かす行為であり、企業が社会的な責任を怠った結果と言えるため、最も適切なコンプライアンスに関する事例です。コンプライアンス違反は、企業のブランドイメージの低下、顧客離れ、法的処罰など、多大な損害を招く可能性があります。
ア(為替の大幅な変動によって、多額の損失が発生した。):
為替の変動による損失は、市場リスクや経営判断に関する問題であり、コンプライアンス(法令遵守)とは直接関係ありません。
イ(規制緩和による市場参入者の増加によって、市場シェアを失った。):
規制緩和と市場シェアの変動は、競争戦略や市場環境の変化に関する問題であり、コンプライアンス違反ではありません。
ウ(原材料の高騰によって、限界利益が大幅に減少した。):
原材料費の高騰による利益減少は、コスト管理や経済情勢に関する問題であり、コンプライアンスとは異なります。
難易度
この問題は、コンプライアンスという重要な経営用語の基本的な理解を問うものです。各選択肢が示す事象が「法令や社会規範の遵守」に該当するかどうかを判断できれば、比較的容易に正解にたどり着けるでしょう。経済的な変動や市場競争に関する選択肢と区別する視点を持っていれば、初心者の方でも解きやすい問題と言えます。
用語補足
コンプライアンス:
企業が法律、社内規定、社会規範、倫理などを遵守し、公正かつ誠実に事業活動を行うことを指します。例えば、従業員が会社の情報セキュリティポリシーに従って情報を管理することなどが挙げられます。
リコール:
製品に欠陥や不具合が見つかった際に、製造元が既に販売した製品を回収し、修理や交換を行うことです。例えば、自動車のブレーキに不具合が見つかり、事故につながる可能性がある場合に、メーカーがその車種を全て回収する活動などが該当します。
為替変動:
ある国の通貨と他の国の通貨との交換比率(為替レート)が変動することです。例えば、1ドル100円だったのが110円になることで、輸出企業は利益が増え、輸入企業はコストが増えるといった影響があります。
市場シェア:
ある特定の市場において、特定の企業や製品が占める売上高や販売量の割合のことです。例えば、スマートフォン市場でA社が全販売台数の40%を占めていれば、A社の市場シェアは40%となります。
対策
コンプライアンスとは、単なる「法律を守る」だけでなく、「社会的な信頼に応える倫理的な行動」まで含む広い概念であることを理解することが重要です。この問題では、各選択肢が企業の「不正行為」や「倫理違反」に該当するかどうかを判断する視点を持つことがポイントです。経済的損失や市場競争といった、直接的に規範違反ではない事象との違いを明確に区別できるようにしましょう。

