問題
問53
新システム導入に際して、ハードウェア、ソフトウェアで実現する範囲と手作業で実施する範囲を明確にする必要がある。これらの範囲を明確にする工程はどれか。
- 運用テスト
- システム方式設計
- ソフトウェア導入
- ソフトウェア要件定義
[出典:ITパスポート試験 平成28年度秋期 問53]
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「システム方式設計」です。システム方式設計とは、新しいシステムを導入するにあたり、システムの全体像を具体的に設計する工程のことを指します。ここでは、システムがどのようなハードウェアを使い、どのようなソフトウェアで動くのか、そして、人が手作業で行う部分はどこなのか、といったシステムを構成する様々な要素と、それらがどのように連携して機能するのかを定義します。
新システムを導入する際、最も重要なのは「どこまでをシステム(機械)が自動的に行い、どこからを人が手作業で行うのか」という境界線をはっきりと決めることです。この境界線が曖昧だと、後から「この作業はシステムでできるはずだったのに」とか「この手作業はシステムに組み込むべきだった」といった問題が発生し、プロジェクト全体が遅延したり、余計な費用がかかったりする原因になります。
例えば、レストランの新しい予約システムを導入する場合を考えてみましょう。お客様からの予約受付をシステムが自動で行うのか、それとも電話予約はスタッフが手作業で入力するのか、システムでの予約はどの情報まで自動で確認するのか、といった全体的な流れと役割分担をこの段階で明確にします。これにより、システム開発の方向性が定まり、後続の具体的な設計や開発作業がスムーズに進められるようになります。
ア(運用テスト):
運用テストは、開発が完了したシステムが実際の稼働環境で問題なく動作するかを確認するテスト工程であり、システムで実現する範囲や手作業の範囲を明確にする工程ではありません。
ウ(ソフトウェア導入):
ソフトウェア導入は、開発されたソフトウェアを実際の利用環境にインストールして使用できるようにする最終段階の作業であり、システムの範囲を明確にする工程ではありません。
エ(ソフトウェア要件定義):
ソフトウェア要件定義は、ソフトウェアが持つべき具体的な機能や性能を定義する工程です。システム全体におけるハードウェアや手作業との連携を含めた広範な範囲を明確にするのは、システム方式設計の役割となります。
難易度
この問題の難易度は中程度です。システム開発のライフサイクルにおける各工程の目的と内容を理解しているかが問われます。特に、「要件定義」や「設計」といった初期段階の工程の違いを正確に把握できていないと、迷う可能性があります。IT未経験者の方にとっては、それぞれの工程が抽象的に感じられるかもしれませんが、具体的な作業内容や成果物をイメージできるようになると、理解が深まります。
用語補足
運用テスト:
運用テストとは、開発したシステムが実際に使われる環境で、問題なく動作するかどうかを最終的に確認する試験のことです。例えば、新しいスマホアプリが完成した際、一般公開する前に実際にユーザーが使う状況を想定して、操作性やエラーの有無などを最終チェックするようなイメージです。
システム方式設計:
システム方式設計とは、新しいシステムを作る際に、システムの全体像をどのように実現するかを決める工程です。具体的には、どの部分をコンピュータ(ハードウェアやソフトウェア)に任せ、どの部分を人が手作業で行うか、それぞれの役割分担や連携方法を設計します。家を建てる際に、リビング、キッチン、寝室の配置や、水道・電気の配線など、全体の骨組みと流れを決める基本設計図を作ることに似ています。
ソフトウェア要件定義:
ソフトウェア要件定義とは、開発するソフトウェアが「何をできるべきか」「どのような機能を持つべきか」を具体的に明確にする工程です。ユーザーや業務のニーズに基づいて、ソフトウェアに求める機能や性能、操作方法などを詳細に記述します。例えば、オンラインショップのアプリを作る際に「商品検索機能」「カート機能」「支払い機能」など、具体的にどんな機能が必要かをリストアップしていく作業です。
ソフトウェア導入:
ソフトウェア導入とは、開発が完了したソフトウェアを、実際に利用するパソコンやサーバーにインストールし、稼働できる状態にすることです。例えば、新しいゲームソフトを買ってきて、パソコンにインストールして遊べるようにする作業がこれにあたります。
対策
この問題を解くためのポイントは、システム開発の各工程(フェーズ)の目的と、それぞれの工程でどのような作業が行われ、どのような成果物が作られるのかを正確に理解することです。特に、「要件定義」と「設計」の段階で何が決定されるのか、そして「システム全体」の観点で範囲を定義するフェーズはどれかを明確にすることが重要になります。ITパスポート試験では、このような開発工程に関する知識が頻繁に問われるため、関連用語や概念をしっかりと学習し、区別できるようにしておくことが対策となります。

