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- シラバス6.3概要
- 追加用語一覧【テクノロジ系】
- 基礎理論
- コンピュータ構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- 情報デザイン
- ネットワーク
- セキュリティ
- 二重脅迫(ダブルエクストーション)
- クレデンシャルスタッフィング
- バッファオーバーフロー攻撃
- 第三者中継(オープンリレー)
- APT(Advanced Persistent Threat)
- フットプリンティング
- リスクコミュニケーション
- ISMAP
- EDR(Endpoint Detection and Response)
- データのバックアップ(ランサムウェア対策)
- 3-2-1 ルール(ランサムウェア対策)
- WORM機能(ランサムウェア対策)
- イミュータブルバックアップ(ランサムウェア対策)
- クラウドサービスのセキュリティ対策
- アンチパスバック
- インターロック
- リスクベース認証
- パスワードレス認証
- EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)
- FRR(生体認証)
- FAR(生体認証)
- トラストアンカー
シラバス6.3概要
ITパスポート試験のシラバス6.3は、試験の出題範囲や内容を定めた最新の指針で、2024年10月から適用されています。このバージョンでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、以下のような新しい知識や用語が追加・強化されました。
主な変更点:
- DX関連の知識の強化:
- 数理・データサイエンス・AIに関する用語の追加
- 環境問題や社会的責任に関する用語の追加
- 労働関連法規の追加
これらの変更により、試験範囲が拡大し、最新の技術動向や社会的課題への対応が求められるようになりました。受験者は、これらの新しいトピックについても学習を進めることが重要です。
詳細な変更点や追加された用語については、IPA(情報処理推進機構)の公式資料をご参照ください。
追加用語一覧【テクノロジ系】
テクノロジ系では、コンピュータ構成要素、セキュリティなどに関連する多くの用語が新たに追加されました。最新トレンドに関するキーワードに注目して用語を覚えていきましょう!
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基礎理論
JISコード
JISコードとは、日本工業規格(JIS)に基づいて定められた文字コード体系のことです。主に日本語の文字(漢字、ひらがな、カタカナなど)をコンピュータ上で扱うために作られました。例えば、文章を電子的に保存したり、送信したりする際に、文字をデータとして正確にやり取りできるようにする仕組みです。日本国内向けのシステムや通信で広く使われていましたが、現在ではより国際的なUnicodeへの移行が進んでいます。
シフトJISコード
シフトJISコードとは、日本語を扱うために開発された文字コードで、JISコードをもとにパソコン通信などで使いやすく改良された形式です。例えば、ワープロソフトで日本語文章を作成する際にシフトJISが使われていました。英数字と日本語(漢字・ひらがな・カタカナ)を混在させることができるのが特徴です。ただし、後にUnicodeが広まったため、インターネットや国際的なデータ交換ではシフトJISはあまり使われなくなっています。
Unicode
Unicodeとは、世界中の文字を統一的に扱えるようにするための国際規格の文字コード体系です。例えば、日本語の漢字だけでなく、英語、アラビア語、絵文字まで、すべての文字に一意のコード番号が割り振られています。これにより、国や言語に関係なく、正確に文字データをやり取りできるようになりました。現在では、Webサイトやスマートフォンアプリなど、多くのシステムがUnicodeを採用しており、グローバル対応には欠かせない存在です。
コンピュータ構成要素
GPGPU
GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)とは、本来は画像処理を担当するGPU(グラフィックプロセッシングユニット)を、画像以外の一般的な計算にも利用する技術のことです。例えば、AIの機械学習や気象シミュレーションなど、大量のデータを高速に処理する場面で活用されます。CPUに比べて並列処理に強いGPUの特性を活かすことで、処理速度を大幅に向上させることができ、近年さまざまな分野で注目されています。
DDR5 SDRAM
DDR5 SDRAMとは、最新世代のパソコンやサーバー向けに開発されたメモリ(RAM)の規格です。DDR4に比べてデータ転送速度が向上し、省電力化も進められています。例えば、ゲーミングPCやAI処理用サーバーにおいて、大量のデータをより高速にやり取りすることが可能になります。DDR(Double Data Rate)は、1クロックあたり2回データを転送する技術であり、DDR5ではさらに効率化と高速化が進み、次世代システムの性能向上に貢献しています。
USB(Type-A/Type-B/Type-C)
USB(Universal Serial Bus)とは、パソコンと周辺機器を簡単に接続するためのインターフェース規格です。Type-Aはパソコン側によく使われる四角い端子、Type-Bはプリンターや外付けHDDなどに使われる端子、Type-Cは上下の向きを気にせず挿せる新しい小型端子です。例えば、スマートフォンの充電に使われるケーブルにはType-Cが採用されることが増えています。Type-Cは高速なデータ転送や映像出力にも対応しており、今後の主流になると期待されています。
ソフトウェア
GPL(GNU General Public License)
GPL(GNU General Public License)とは、ソフトウェアを自由に利用・改変・再配布できることを保証するライセンスの一つです。ただし、改変したソフトウェアも同じGPLで公開しなければならないという特徴があります。例えば、オープンソースのOSであるLinuxはGPLで配布されており、誰でも自由に使えますが、改造版を公開する場合もGPLのルールに従う必要があります。自由を守りながら、改良を広く共有していく考え方がベースになっています。
コピーレフト
コピーレフトとは、ソフトウェアや著作物を自由に使ったり改変したりできる一方で、派生物にも同じ自由を保つことを義務づける考え方です。たとえば、GPLのソフトウェアを改良して新しいソフトを作った場合、その新しいソフトもまた自由に利用・改変できる状態で公開しなければなりません。一般的な著作権(コピーライト)とは逆の発想で、自由なソフトウェアの連鎖を生み出す仕組みとして、オープンソースコミュニティで広く使われています。
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ハードウェア
ポインティングデバイス
ポインティングデバイスとは、コンピュータ画面上のカーソル(矢印)を操作するための入力機器の総称です。代表例としてマウスやタッチパッド、タッチパネルなどがあります。例えば、マウスを動かしてカーソルを移動させ、アイコンをクリックしてソフトを起動するのは、ポインティングデバイスの典型的な使い方です。パソコンやタブレットを直感的に操作できるようにする重要なデバイスであり、用途や環境に応じてさまざまな種類が存在します。
ジョイスティック
ジョイスティックとは、先端にボール状の持ち手がついた棒を動かして、コンピュータやゲーム機に指示を出す入力装置です。例えば、飛行機の操縦ゲームで、上下左右に操作して機体をコントロールする場合に使われます。また、産業用ロボットの遠隔操作など、ゲーム以外の分野でも活用されています。アナログ的な操作感覚を提供できるため、細かな動きや複雑な制御が求められる場面で特に有効です。
ペンタブレット
ペンタブレットとは、専用のペン(スタイラスペン)で板状のタブレット表面をなぞることで、コンピュータに入力できるデバイスです。例えば、イラスト制作や写真の細かい修正作業で活用されます。マウスよりも自然な手書き感覚で操作できるため、デザインやアート、建築設計などのクリエイティブな分野で重宝されています。近年では液晶画面と一体化した「液晶ペンタブレット」も登場し、より直感的な作業が可能になっています。
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液晶ディスプレイ
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)とは、液晶分子の性質を利用して画像を表示するディスプレイ装置です。例えば、ノートパソコンやスマートフォンの画面として広く使われています。軽量・薄型であり、消費電力も比較的少ないのが特徴です。ただし、黒色の表現がやや弱い点や、視野角によって見え方が変わる点が課題とされてきました。それでも価格の安さと技術の成熟度から、現在でも幅広い製品に採用されています。
有機ELディスプレイ
有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)とは、有機物が自ら発光する特性を利用したディスプレイ技術です。例えば、最新のスマートフォンや高級テレビに搭載されています。液晶ディスプレイと違い、バックライトが不要なため、画面が非常に薄く、黒の表現が深く美しいのが特徴です。また、消費電力も抑えられるため、バッテリーの持ちにも貢献します。ただし、焼き付き(同じ画面を長時間表示すると跡が残る)といった課題もあります。
ヘッドマウントディスプレイ
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とは、頭に装着して使うタイプのディスプレイ機器です。例えば、VRゴーグルもヘッドマウントディスプレイの一種で、360度の仮想空間を体験できます。目の前にスクリーンが広がるため、ゲーム、映画鑑賞、医療トレーニングなどさまざまな分野で活用されています。小型化や軽量化が進んでおり、よりリアルな没入体験を提供できることから、今後もエンターテインメントや教育分野での普及が期待されています。
情報デザイン
LATCHの法則
LATCH(Location,Alphabet,Time,Category,Hierarchy)の法則とは、情報を整理・分類するときに使える5つの視点を示した考え方です。Location(場所順)、Alphabet(アルファベット順)、Time(時間順)、Category(カテゴリ順)、Hierarchy(階層順)を意味します。例えば、図書館の本を「ジャンル別(Category)」や「著者名のアルファベット順(Alphabet)」で並べると探しやすくなります。複雑な情報を分かりやすく整理するために、多くの企業や教育現場でこの法則が活用されています。
マルチタッチインタフェース
マルチタッチインタフェースとは、スマートフォンやタブレットなどの画面を、複数の指で同時に操作できる仕組みのことです。例えば、2本の指で画面を広げると拡大、縮めると縮小できるピンチ操作が代表例です。この技術により、直感的でスムーズな操作が可能になり、ユーザー体験が大きく向上しました。現在ではスマートフォンやタブレットだけでなく、ノートパソコンやカーナビにも広く採用されています。
ホバー(ロールオーバー)
ホバー(ロールオーバー)とは、マウスポインタを特定の画面要素(ボタンやリンクなど)の上に重ねたときに、見た目や動作が変わる仕組みのことです。例えば、ボタンにマウスを合わせると色が変わる、メニューが表示されるといった演出がホバー効果にあたります。これにより、ユーザーは「ここをクリックできる」という直感的な気づきを得られます。Webサイトの操作性やデザイン性を高めるためによく使われる技術です。
ツールチップ
ツールチップとは、マウスポインタをアイコンやボタンの上に置いたときに、小さな説明文や補足情報が表示される機能のことです。例えば、保存ボタンにカーソルを合わせると「このファイルを保存します」と表示されるケースがあります。ツールチップは、初心者にも分かりやすく操作方法を伝えたり、画面をすっきり保ちながら必要な情報を提供したりするために使われます。特に複雑なシステムやツールでは、重要なサポート機能となっています。
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レスポンシブ Web デザイン
レスポンシブWebデザインとは、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、画面サイズが異なるデバイスでも見やすく最適なレイアウトに自動で調整するWebデザイン手法です。例えば、同じホームページをスマホで開くと縦長に、パソコンで開くと横に広がったレイアウトになるのがレスポンシブデザインの特徴です。別々のサイトを作る必要がないため、管理が楽になり、ユーザー体験(UX)も向上します。今ではWeb制作の標準的な考え方となっています。
リダイレクト
リダイレクトとは、あるWebページにアクセスした際に、自動的に別のページへ転送する仕組みのことです。例えば、旧サイトのアドレスにアクセスすると、新しいサイトに自動で移動する場合があります。リダイレクトを適切に設定することで、Webサイトの引っ越し後も利用者を迷わせずに誘導できます。また、検索エンジン対策(SEO)の観点でも重要な技術で、リンク切れを防ぎ、評価を新しいページに引き継ぐ効果もあります。
複合現実(MR:Mixed Reality)
複合現実(MR)とは、現実世界と仮想世界を組み合わせて、新しい体験を作り出す技術のことです。例えば、現実の会議室に仮想の3Dグラフを浮かべて、みんなで分析するような使い方ができます。VR(仮想現実)が完全な仮想空間なのに対し、MRは現実世界と仮想要素がリアルタイムで連動する点が特徴です。教育、医療、建築、製造業など、さまざまな分野での活用が期待されており、今後の技術進化にも注目が集まっています。
メタバース
メタバースとは、インターネット上に存在する仮想空間で、人々がアバター(分身)を使って交流したり、仕事や買い物をしたりする世界のことです。例えば、ゲームの中で友人と一緒に冒険したり、仮想空間内のオフィスで会議を行ったりする場面がメタバースに該当します。近年では、Meta社(旧Facebook)が注力していることでも話題になりました。ビジネス、教育、エンターテインメントなど、多方面での活用が進められています。
ネットワーク
WiMAX
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは、広範囲に無線通信を提供できる通信技術のことです。携帯電話の基地局のように、広いエリアをカバーできるため、固定回線がない場所でもインターネットに接続できるのが特徴です。例えば、工事不要で家庭用インターネット回線として利用されたり、モバイルルーターを使って外出先でも通信できたりします。通信速度も比較的速く、特に都市部や住宅地での利用が広がっています。
Wi-Fi 4/5/6/6E
Wi-Fi 4、Wi-Fi 5、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eは、無線LANの規格の世代を表しています。Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)は家庭用無線LANの普及を促進し、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)は高速通信を実現しました。さらにWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)は、多数の機器が同時接続しても安定する特徴があり、Wi-Fi 6Eは6GHz帯を使うことでさらに混雑を避けられます。例えば、スマートフォンやゲーム機で高速かつ安定した通信を求めるなら、Wi-Fi 6対応機器が効果的です。
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プラチナバンド
プラチナバンドとは、700MHz~900MHzの周波数帯を指し、ビルの中や地下、山間部などでも電波が届きやすい特性を持っています。例えば、都市の地下鉄構内でもスマートフォンが途切れずに使えるのは、プラチナバンドによる電波のおかげです。高い建物の影響を受けにくく、広範囲をカバーできるため、携帯電話会社にとってはとても貴重な周波数帯域とされています。より安定したモバイル通信を支える重要な技術です。
MNP(Mobile Number Portability)
MNP(Mobile Number Portability)とは、携帯電話会社を乗り換える際に、現在使っている電話番号をそのまま引き継ぐことができる仕組みです。例えば、ドコモからソフトバンクに乗り換えても、電話番号を変更する必要がないため、家族や友人に新しい番号を知らせる手間が省けます。日本では2006年から導入され、携帯会社間の競争を促すきっかけとなりました。手続きは簡単ですが、乗り換え時には契約条件や費用をよく確認することが大切です。
セキュリティ
二重脅迫(ダブルエクストーション)
二重脅迫(ダブルエクストーション)とは、ランサムウェア攻撃において、データを暗号化して使えなくするだけでなく、盗んだデータを公開すると脅して二重に被害者を脅迫する手口です。例えば、企業の機密データを盗み出し、「身代金を払わなければデータを漏洩させる」と迫るケースがこれに該当します。単なるシステム復旧だけでなく、情報漏洩リスクもあるため、企業にとって深刻な被害をもたらします。最近ではこの手法を使う攻撃が増加しています。
クレデンシャルスタッフィング
クレデンシャルスタッフィングとは、漏えいしたIDとパスワードの組み合わせを使って、他のサービスに不正ログインを試みる攻撃手法です。例えば、あるWebサービスから流出したアカウント情報を使い、別のネットショッピングサイトにログインを試すといったケースです。多くの人が複数のサービスで同じパスワードを使い回しているため、攻撃が成功しやすい特徴があります。パスワードの使い回しを避け、二段階認証を導入することが重要な対策となります。
バッファオーバーフロー攻撃
バッファオーバーフロー攻撃とは、コンピュータプログラムの想定以上に大量のデータを入力して、メモリ領域を壊し、不正なコードを実行させる攻撃手法です。例えば、ユーザー名入力欄に長すぎるデータを送り込んで、システムを乗っ取ったり、任意のプログラムを動かしたりするケースがこれに当たります。古くから存在する攻撃方法ですが、今でもセキュリティ対策が不十分なシステムに対して有効であるため、引き続き注意が必要です。
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第三者中継(オープンリレー)
第三者中継(オープンリレー)とは、メールサーバが認証なしに誰からのメールでも中継してしまう設定ミスや弱点を指します。例えば、悪意のある攻撃者がオープンリレー状態のサーバを使って大量の迷惑メール(スパムメール)を送信するといった悪用が考えられます。この問題があると、サーバがブラックリストに登録され、正当なメールも届きにくくなる恐れがあります。現在では、多くのメールサーバでオープンリレーを防ぐ設定が標準となっています。
APT(Advanced Persistent Threat)
APT(Advanced Persistent Threat)とは、高度な技術を持った攻撃者が、特定の組織を長期間にわたり監視・侵入・情報収集を行うサイバー攻撃のことです。例えば、国家レベルのスパイ活動や、重要インフラへの潜入などがAPTに該当します。攻撃者は目立たないよう慎重に行動し、通常のセキュリティ対策だけでは発見が難しいことが特徴です。企業や政府機関などは、早期検知と多層防御によって被害を防ぐことが求められます。
フットプリンティング
フットプリンティングとは、サイバー攻撃を行う前に、ターゲットとなる組織の情報を集める行為を指します。例えば、企業のWebサイトやSNSから、使用しているシステムや担当者の情報を調べる活動がこれに当たります。フットプリンティングにより、攻撃対象の弱点や侵入経路を特定しやすくなります。一方で、情報収集そのものは合法な場合も多いため、企業側は公開情報の管理にも細心の注意を払う必要があります。
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リスクコミュニケーション
リスクコミュニケーションとは、リスクに関する情報を、関係者や一般の人々と共有し、相互理解を深めるための取り組みです。例えば、自然災害時に自治体が住民へ避難情報を分かりやすく伝える活動がリスクコミュニケーションにあたります。IT分野でも、情報漏洩などのインシデント発生時に、顧客や関係者に対して適切な説明を行うことが重要です。信頼関係を築き、リスクへの適切な対応を促すために欠かせないプロセスです。
ISMAP
ISMAP(Government Information System Management and Security Program)とは、政府情報システムにおけるクラウドサービスのセキュリティ基準を定めた認証制度です。例えば、政府機関がクラウドサービスを利用する際、ISMAPに登録されたサービスであれば、一定のセキュリティ基準を満たしていると認められます。これにより、政府機関は安心してクラウドサービスを導入でき、サービス提供者側も信頼性をアピールできます。セキュリティと効率化を両立する仕組みです。
EDR(Endpoint Detection and Response)
EDRとは、パソコンやスマートフォンなどの端末(エンドポイント)で発生する異常な挙動を監視し、検知・対応するためのセキュリティ技術です。例えば、社内のパソコンに不審なプログラムが動いた場合、EDRが即座に検知して管理者に警告を出したり、自動で隔離対応を行ったりします。ウイルス対策ソフトでは防ぎきれない高度なサイバー攻撃にも対応できるため、企業では重要なセキュリティ対策の一つとなっています。
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データのバックアップ(ランサムウェア対策)
ランサムウェアとは、データを暗号化して使用不能にし、復元と引き換えに金銭を要求する攻撃です。これに備えるために最も基本的な対策がデータのバックアップです。例えば、業務データを別のハードディスクやクラウドストレージに定期的にコピーして保存しておきます。万が一攻撃を受けても、バックアップからデータを復元すれば、大切な情報を失わずに済みます。バックアップは必ずオフラインでも保存することが重要です。
3-2-1 ルール(ランサムウェア対策)
3-2-1ルールとは、データのバックアップを安全に管理するための基本的な考え方です。「3つのコピーを」「2種類以上のメディアに保存し」「1つは別の場所に保管する」というルールです。例えば、重要なファイルをパソコン本体、外付けハードディスク、クラウドに保存しておき、1つはオフィス以外の場所に保管するイメージです。この方法により、ランサムウェア攻撃や災害が起きても、データを確実に復元できる確率が高まります。
WORM機能(ランサムウェア対策)
WORM(Write Once, Read Many)機能とは、一度書き込んだデータを改ざんや削除できなくする仕組みのことです。例えば、バックアップデータにWORM機能を適用すれば、ランサムウェアが侵入しても既存のバックアップファイルを暗号化や破壊できなくなります。この機能により、攻撃を受けても安全な状態のデータを確実に残すことができます。特に医療機関や金融機関など、重要データを扱う組織で積極的に導入されています。
イミュータブルバックアップ(ランサムウェア対策)
イミュータブルバックアップとは、保存されたバックアップデータを一定期間、絶対に変更・削除できない状態にする技術のことです。例えば、毎週作成される業務データのバックアップを90日間は一切変更不可に設定しておくと、万が一ランサムウェアに感染しても、バックアップデータが守られます。通常のバックアップに比べ、より強固な安全性を確保できるため、ランサムウェア対策として非常に有効な手段となっています。
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クラウドサービスのセキュリティ対策
クラウドサービスを安全に利用するためには、適切なセキュリティ対策が欠かせません。例えば、強力なパスワードの設定、多要素認証(2段階認証)の導入、不要な権限の削減、データの暗号化などが重要です。また、クラウドサービス提供事業者がどのようなセキュリティ認証(例:ISO 27001)を取得しているかも確認しましょう。利用者自身も、設定ミスや情報漏洩を防ぐために、定期的なセキュリティチェックを行うことが求められます。
アンチパスバック
アンチパスバックとは、入退室管理システムにおいて「入室した記録がない限り退室できない」「退室した記録がない限り再入室できない」という制御を行う仕組みです。例えば、オフィスビルに入る際に社員証をタッチして入室した人は、次に退室処理をしないと、再度中に入ることができません。これにより、不正な入退室を防ぎ、正確な出入りの記録を管理できるため、セキュリティ向上に大きく貢献します。
インターロック
インターロックとは、複数の装置や機器を連動させ、一定の条件が満たされない限り次の動作を許可しない安全機能のことです。例えば、銀行の金庫室に入るためには「二重ドア」で、片方のドアが閉まっている間にもう片方だけ開けられる仕組みがインターロックの例です。これにより、不正侵入や事故を防止できます。工場の機械やエレベーター、安全扉など、さまざまな分野で広く活用されている重要な安全対策技術です。
リスクベース認証
リスクベース認証とは、ログインや取引などの際に、アクセス状況に応じて認証方法を柔軟に変える仕組みです。例えば、普段使っているパソコンからのログインなら通常のパスワード入力だけで済みますが、海外からのアクセスや見慣れない端末からのアクセスの場合には追加で本人確認(ワンタイムパスワード要求など)を行います。利用者の利便性を保ちながら、リスクの高い行動には強力な認証を求めることで、セキュリティを高めることができます。
パスワードレス認証
パスワードレス認証とは、従来のパスワード入力を不要にし、別の方法で本人確認を行う仕組みです。例えば、スマートフォンの指紋認証や顔認証、もしくは登録済み端末への通知を承認するだけでログインできる仕組みがこれにあたります。パスワードを覚えたり管理したりする手間がなくなるだけでなく、パスワード漏洩による不正アクセスのリスクも減らせます。最近では多くのWebサービスや企業システムで導入が進んでいます。
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)
EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)とは、インターネット上でクレジットカード決済を行う際に、より安全に本人確認を行うための仕組みです。例えば、カード情報を入力するだけでなく、スマホに届くワンタイムパスワードを入力することで、本人確認を強化します。従来の3Dセキュアよりも、購入者の利便性とセキュリティを両立できるよう改善されており、不正利用防止に大きな効果を発揮しています。ECサイトなどで広く導入されています。
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FRR(生体認証)
FRR(False Rejection Rate:他人拒否率)とは、生体認証において、正しい本人を間違って拒否してしまう確率を表します。例えば、指紋認証で本人が指をかざしても、認証失敗となってしまうケースがFRRにあたります。FRRが低いほど、正しいユーザーをスムーズに認証できることを意味します。生体認証技術では、セキュリティの高さと使いやすさのバランスを取るために、FRRの値が重要な評価ポイントの一つとされています。
FAR(生体認証)
FAR(False Acceptance Rate:他人受入率)とは、生体認証において、他人を本人と誤って認証してしまう確率を指します。例えば、顔認証システムが別人を本人と認識して通してしまう場合、それがFARです。FARが低いほど、セキュリティレベルが高いと言えます。生体認証システムでは、FARをできるだけ低く保ちながら、同時にFRR(正しい人を拒否してしまう確率)も抑えることが求められ、システム設計の重要なポイントとなっています。
トラストアンカー
トラストアンカーとは、デジタル認証において「この情報は信頼できる」という基準となる最も信頼性の高い出発点(根)を指します。例えば、Webサイトにアクセスしたとき、ブラウザが信頼する認証局(CA)の公開鍵がトラストアンカーになります。この信頼できる鍵をもとに、通信相手が本物かどうかを検証します。トラストアンカーがしっかりしていれば、その後のすべての通信や認証の信頼性を保証できるため、インターネットセキュリティの基盤となっています。
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