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シラバス6.3概要
ITパスポート試験のシラバス6.3は、試験の出題範囲や内容を定めた最新の指針で、2024年10月から適用されています。このバージョンでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、以下のような新しい知識や用語が追加・強化されました。
主な変更点:
- DX関連の知識の強化:
- 数理・データサイエンス・AIに関する用語の追加
- 環境問題や社会的責任に関する用語の追加
- 労働関連法規の追加
これらの変更により、試験範囲が拡大し、最新の技術動向や社会的課題への対応が求められるようになりました。受験者は、これらの新しいトピックについても学習を進めることが重要です。
詳細な変更点や追加された用語については、IPA(情報処理推進機構)の公式資料をご参照ください。
追加用語一覧【ストラテジ系】
ストラテジ系では、企業活動、法務、経営戦略マネジメントなどに関連する多くの用語が新たに追加されました。特に、「企業活動」や「経営戦略マネジメント」など、最新の経営トレンドに関するキーワードが重要視されています。
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企業活動
MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)
MVVとは、企業や組織が大切にしている「目的・目標・価値観」をまとめた考え方です。
ミッション(Mission)は「自分たちは何のために存在するのか」、ビジョン(Vision)は「将来どのような姿を目指すのか」、バリュー(Value)は「行動や判断の基準となる価値観」を表します。
例えば、あるカフェのミッションが「地域の人々に癒しの場を提供する」なら、ビジョンは「5年以内に全国展開する」、バリューは「お客様第一」「地元の食材にこだわる」といった内容になります。
MVVを設定することで、社員一人ひとりが同じ目標に向かって行動でき、組織全体の一体感が生まれます。最近では企業だけでなく、学校やスポーツチームでも活用されています。
人的資本経営
人的資本経営とは、社員を「単なる労働力」ではなく、「企業価値を高める重要な資本」と考えて積極的に投資する経営の考え方です。例えば、スキルアップ支援や働きやすい環境づくりを通じて、社員の能力を引き出し、企業の成長につなげます。
大手企業では、リスキリング(学び直し)支援やキャリア開発プログラムなどを導入し、社員の成長と会社の成長を同時に目指しています。これからの時代は、人的資本経営に取り組む企業ほど競争力が高まるとされています。
パーパス経営
パーパス経営とは、企業が「自分たちは社会にどんな価値を提供するか」という存在意義(パーパス)を明確にして経営を行う方法です。単なる利益追求ではなく、社会課題の解決や持続可能な未来への貢献を重視します。
例えば、ある化粧品メーカーは「すべての人の美しさを引き出す」というパーパスを掲げ、製品開発やサービスに取り組んでいます。パーパスを掲げることで、社員や顧客からの共感を得やすくなり、長期的な成長につながります。
カーボンフットプリント
カーボンフットプリントとは、製品やサービスが生産から廃棄までの過程で排出する温室効果ガス(主に二酸化炭素)の量を「見える化」する取り組みです。
例えば、ペットボトル飲料では、製造時、輸送時、使用後のリサイクルまでの二酸化炭素排出量を数値で示すことがあります。これにより、企業や消費者が環境への影響を意識して行動を選ぶきっかけになります。脱炭素社会を目指す動きの中で、注目が高まっている指標です。
リスキリング
リスキリングとは、時代の変化に合わせて、新しい知識やスキルを学び直すことを指します。特にAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、今までのスキルだけでは対応できない場面が増えています。
例えば、事務職の人がプログラミングやデータ分析を学ぶケースがリスキリングに当たります。企業側も、社員に対してリスキリング支援制度を導入する例が増えており、個人のキャリアアップと企業の競争力強化の両方に役立てられています。
MBO
MBO(Management by Objectives and self-control)とは、上司が目標を押し付けるのではなく、社員自身が目標設定に関わり、自分で管理・達成を目指す手法です。
例えば、営業職の社員が「半年以内に新規顧客を10社開拓する」と自ら目標を立て、その達成に向けて行動計画を練ります。MBOを導入することで、社員の自主性やモチベーションを高める効果が期待されます。近年では、成果主義の評価制度と組み合わせて使われることも多くなっています。
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DE & I
DE & Iとは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取った言葉です。さまざまな背景や個性を持つ人々を受け入れ、公平な機会を提供し、誰もが活躍できる環境を作ることを目指します。
例えば、性別や国籍、障がいの有無に関係なく、それぞれの個性を尊重する職場づくりがDE & Iの実践例です。特にグローバル企業では、イノベーションを生み出す源泉として、DE & Iへの取り組みが重要視されています。
コンティンジェンシー理論
コンティンジェンシー理論とは、リーダーシップや組織運営において「正解は一つではなく、状況に応じた柔軟な対応が必要」と考える理論です。
例えば、危機的な状況ではトップダウン型のリーダーシップが有効ですが、通常時は部下に自主性を持たせるスタイルが適しているとされます。天候によって服装を変えるように、組織運営でも「今の状況に合った方法」を選ぶことが重要だという考え方です。現代の変化が激しい社会では、この理論に基づいた柔軟なマネジメントが求められています。
シェアードリーダーシップ
シェアードリーダーシップとは、リーダーの役割を一人に集中させるのではなく、チーム全体でリーダーシップを共有する考え方です。
例えば、プロジェクトチームで、ある時は営業担当が、別の時は技術担当がリーダーシップを取るような形です。状況や課題に応じて、最も適したメンバーが自然にリーダー役割を担います。これにより、メンバー全員の主体性が高まり、柔軟かつ迅速な対応ができるのが特徴です。特にIT業界やベンチャー企業など、変化の早い現場で重視されています。
サーバントリーダーシップ
サーバントリーダーシップとは、リーダーが「命令する立場」ではなく、「チームを支援する立場」として行動するリーダーシップのスタイルです。
例えば、上司が部下に指示を出すのではなく、部下の悩みや課題に耳を傾け、サポートに徹する姿勢です。部下を支え、成長を促すことで、チーム全体の力を引き出します。有名な例では、スターバックスの経営方針にサーバントリーダーシップの考え方が取り入れられています。現代では、人材育成や組織の活性化に非常に有効なリーダーシップ理論とされています。
ワーケーション
ワーケーションとは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた新しい働き方を指します。例えば、観光地やリゾート地に滞在しながら、リモートワークで仕事をこなすスタイルです。長期滞在しながらリフレッシュと業務を両立できるため、働き方改革の一環として注目されています。最近では、地方自治体がワーケーション施設を整備する取り組みも増えています。業務の生産性向上だけでなく、地域活性化や新しいライフスタイル提案としても期待されています。
CxO
CxOとは、企業の役員や幹部に付けられる肩書きの総称で、「Chief × Officer」という形で表されます。
たとえば、最高経営責任者はCEO(Chief Executive Officer)、最高情報責任者はCIO(Chief Information Officer)と呼びます。最近では、CPO(最高人事責任者)やCSO(最高戦略責任者)など、さまざまなCxOが登場しています。企業の経営課題が多様化する中で、それぞれの専門領域を持ったCxOが戦略的な経営を担う役割がますます重要になっています。
CTO
CTO(Chief Technology Officer)とは、企業における最高技術責任者のことです。技術戦略の立案や新しい製品・サービスの技術開発をリードする役割を担います。
例えば、IT企業であれば、AI技術やクラウドサービスの導入方針を決めたり、技術者チームを統括したりします。CTOは、単に技術に詳しいだけでなく、経営視点で技術をどう活かすかを考える力も求められます。急速に技術革新が進む現代では、企業の成長に欠かせない重要ポジションとなっています。
超スマート社会
超スマート社会とは、すべての人とモノがインターネットでつながり、AIやビッグデータを活用して暮らしがより便利で快適になる社会を指します。日本政府は「Society5.0」というコンセプトでこの未来像を掲げています。
例えば、自動運転車が交通渋滞を自動で避けたり、健康状態をAIが常時チェックしてくれる医療サービスが実現したりする世界です。超スマート社会では、少子高齢化やエネルギー問題など、現代社会が抱える課題の解決も期待されています。
グリーントランスフォーメーション(GX)
グリーントランスフォーメーション(GX)とは、経済成長と環境対策を両立させるために、企業や社会全体が脱炭素化へと移行する取り組みを指します。たとえば、工場のエネルギー源を石油から太陽光発電に切り替える、企業が電気自動車を導入するなどがGXの具体例です。単なる環境活動にとどまらず、新しいビジネスチャンスを創出しながら持続可能な社会を実現することが目標です。政府もGXを重要政策と位置づけ、企業に対する支援策やルール整備を進めています。
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カーボンニュートラル
カーボンニュートラルとは、排出される二酸化炭素(CO₂)と、森林吸収や技術で除去するCO₂量を差し引きゼロにすることを目指す考え方です。たとえば、工場でCO₂を排出しても、植林活動を行ってその分を吸収させればカーボンニュートラルとなります。また、再生可能エネルギーの活用や省エネ技術の導入も重要な手段です。世界的に脱炭素社会を目指す動きが加速しており、日本も2050年までにカーボンニュートラルを達成することを国際的に表明しています。
消費税
消費税とは、物やサービスを購入する際にかかる税金で、購入者が支払い、事業者が国に納める仕組みです。たとえば、コンビニで100円のおにぎりを買うと、現在は10%の消費税が加算され、支払額は110円になります。消費税は社会保障費などの財源に充てられる重要な税金です。日本では1989年に導入され、その後、税率は段階的に引き上げられました。なお、食料品などには軽減税率が適用される場合もあり、税率が異なるケースも存在します。
法人税
法人税とは、会社などの法人が得た利益に対して課される税金のことです。たとえば、ある会社が1年間で1,000万円の利益を上げた場合、その利益に対して法人税が課せられます。法人税の税収は、国や地方自治体の財源となり、公共サービスの提供やインフラ整備に活用されます。日本の法人税率は、かつては高かったものの、国際競争力を高めるため近年は引き下げが進められています。企業経営においては、法人税負担を考慮した経営戦略が重要となります。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)
適格請求書等保存方式(インボイス制度)とは、消費税の正確な納税を目的として、取引ごとに適格な請求書(インボイス)を発行・保存する仕組みのことです。たとえば、企業が仕入れを行った際、相手からインボイスを受け取り、その内容を基に消費税の控除を行う流れになります。2023年10月から日本でも本格導入され、インボイスを発行できるのは「登録番号」を持つ事業者だけとなりました。特に中小企業やフリーランスにも大きな影響を与える制度変更です。
法務
忘れられる権利(消去権)
忘れられる権利(消去権)とは、インターネット上に残された個人情報や過去のデータについて、一定の条件下で削除を求めることができる権利です。例えば、昔のニュース記事やSNS投稿によって不利益を受けている場合、本人が検索エンジン運営会社などに対して削除を依頼できるケースがあります。欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)で明確に規定され、日本でもプライバシー保護の観点から注目されています。個人の名誉やプライバシーを守るための新しい権利です。
36協定
36協定とは、企業が社員に法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて働かせる場合に、事前に労使間で結ぶ必要がある協定のことです。「労働基準法第36条」に基づくため、この名前で呼ばれています。例えば、繁忙期に残業や休日出勤が必要になる会社では、必ず36協定を締結して労働基準監督署に届け出なければなりません。無許可で長時間労働させると違法となります。働き方改革の流れの中で、残業時間の上限規制も厳格化されています。
労働安全衛生法
労働安全衛生法とは、働く人の安全と健康を守るために、職場環境の整備や危険防止対策を義務付ける法律です。例えば、工場では機械に安全カバーを設置したり、事務所では長時間労働を防止する取り組みを行ったりすることが求められます。また、一定規模以上の事業場では産業医を置く義務もあります。最近ではメンタルヘルス対策も重視され、ストレスチェック制度が導入されました。労働災害や過労を未然に防ぐために重要な役割を果たしています。
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
労働施策総合推進法(通称パワハラ防止法)とは、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)を防止するため、企業に対策を義務付ける法律です。例えば、上司が部下に対して人格を否定する発言をしたり、無理な業務を強制したりする行為がパワハラに該当します。この法律により、企業は相談窓口の設置や再発防止措置を講じる必要があります。2020年から大企業、2022年からは中小企業にも適用され、健全な職場環境作りがますます重要視されています。
景品表示法
景品表示法とは、商品やサービスの広告において、消費者に誤解を与えるような虚偽表示や過大な景品提供を禁止する法律です。例えば、「このサプリメントを飲めば必ず痩せる」など根拠のない広告を出した場合、違反となります。また、過剰な景品をつけて購買を煽る行為も規制されています。消費者が正しい情報に基づいて商品を選べるようにすることが目的です。違反した場合、措置命令や課徴金の対象となるため、企業側にも適正な広告表示が強く求められています。
ビジネスと人権
ビジネスと人権とは、企業活動において人権を尊重し、侵害しないことを求める考え方です。たとえば、海外工場での労働者への不当な扱いを防ぐため、企業が労働環境を監視・改善する取り組みなどが該当します。国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を定め、世界中の企業に対して人権尊重を促しています。最近では、日本でもサプライチェーン全体での人権リスク管理(人権デューデリジェンス)が重視され、企業の社会的責任(CSR)の一環として取り組みが進められています。
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ハラスメント
ハラスメントとは、職場や学校などの環境で、相手に不快な思いをさせたり、尊厳を傷つけたりする行為の総称です。代表例としては、パワーハラスメント(上司から部下への過剰な叱責)やセクシャルハラスメント(性的な言動による嫌がらせ)があります。たとえば、同僚に対してプライベートな話題を執拗に聞き出すのもハラスメントに当たることがあります。最近では、マタニティハラスメント(妊娠・出産に関する差別)なども問題視されています。組織はハラスメント防止対策を講じることが義務づけられています。
廃棄物処理法
廃棄物処理法とは、ゴミや産業廃棄物を適正に処理し、環境や健康への悪影響を防ぐための法律です。たとえば、工場が出した有害な廃棄物を勝手に捨てず、適切な業者に処理を依頼することが義務づけられています。一般家庭のゴミもこの法律に基づき、自治体ごとに分別回収が行われています。不法投棄や不適切な処理を行うと、罰則が科されることもあります。環境保護と持続可能な社会の実現に向けて、重要な役割を担っている法律です。
リサイクル法
リサイクル法とは、使用済み製品や廃棄物を資源として再利用することを促進するための法律です。たとえば、家電リサイクル法により、冷蔵庫やエアコンなどの家電製品を廃棄する際には、リサイクル料金を支払って適切に回収・再資源化する仕組みが整っています。他にも、容器包装リサイクル法、自動車リサイクル法などがあり、製品のライフサイクル全体で資源循環を図ることが求められています。限りある資源を有効活用するために重要な法律です。
GX推進法
GX推進法(正式名称:脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)とは、カーボンニュートラル実現に向けた経済社会の変革を支援するための法律です。たとえば、企業が再生可能エネルギー導入や省エネルギー化に取り組む際、GX推進法に基づく支援策や認定制度を利用できるようになります。脱炭素と経済成長を両立させる「グリーントランスフォーメーション(GX)」を促進するため、政府が積極的に支援する枠組みとなっています。
デジュレスタンダード
デジュレスタンダードとは、政府や公的機関が正式に認めた標準(規格)のことです。法律や行政手続きに基づいて定められるため、業界全体で共通に守るべきルールとなります。たとえば、電源プラグの形状や通信規格などがデジュレスタンダードにあたります。これに対して、市場の自然な流れで広まった標準は「デファクトスタンダード」と呼ばれます。デジュレスタンダードは、製品やサービスの安全性や相互運用性を確保する上で欠かせない存在です。
ISO 30414(内部及び外部人的資本報告の指針)
ISO 30414とは、企業が人的資本(社員の知識・スキル・経験など)に関する情報を、内部向けにも外部向けにも適切に報告するための国際標準規格です。たとえば、社員の育成状況や離職率、働き方改革への取り組み状況などを、投資家や社会に分かりやすく開示する際に活用されます。人的資本への投資が企業価値向上につながると考えられており、これからの時代、財務情報だけでなく「人」に関する情報開示の重要性がますます高まっています。
JIS Q 31000(リスクマネジメント)
JIS Q 31000とは、組織がリスクマネジメント(リスクの特定・評価・対応)を体系的に行うための指針を示した日本産業規格(JIS)です。たとえば、新規事業を立ち上げる際に、起こりうるリスクを洗い出し、事前に対策を立てるといった取り組みが該当します。企業活動では、自然災害、サイバー攻撃、法規制変更などさまざまなリスクが存在します。JIS Q 31000に従ってリスク管理を行うことで、損失を最小限に抑え、持続可能な経営を支援することができます。
経営戦略マネジメント
エコシステム
エコシステムとは、企業同士や企業と顧客、パートナーなどが協力し合いながら、互いに価値を生み出し合うビジネスの仕組みを指します。例えば、スマートフォンの世界では、本体メーカー、アプリ開発会社、通信会社がそれぞれ役割を持ちつつ、ユーザーに最適なサービスを提供しています。このように、多様な関係者が共存・共栄することで、市場全体が発展していくのがエコシステムの特徴です。単独での競争だけでなく、連携する力が今後ますます重要になっています。
CX(Customer Experience:顧客体験)
CXとは、商品やサービスに関わるすべての接点において、顧客が感じる体験のことを指します。例えば、ネットショッピングで、注文から配送、アフターサポートまでがスムーズだった場合、その体験全体が高いCXとなります。単なる商品や価格だけでなく、「気持ちよく買い物できた」「また利用したい」と感じさせることが大切です。企業は、顧客満足度を高め、リピーターを増やすために、CX向上に力を入れています。
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知り、購入し、利用するまでの行動や心理の流れを可視化した図のことです。例えば、ある飲料ブランドなら、「広告を見て興味を持つ→店頭で手に取る→購入して飲む→SNSで共有する」といった流れが描かれます。このマップを作成することで、企業はどのタイミングでどのような情報提供やサポートが必要かを把握でき、効果的なマーケティング施策を立てやすくなります。
ロケーションベースマーケティング
ロケーションベースマーケティングとは、ユーザーの位置情報を活用して、最適なタイミング・場所で情報やサービスを提供するマーケティング手法です。例えば、観光地を訪れた際に、近くのレストランのクーポンがスマホに届くといった事例があります。リアルタイムに位置情報を活用できるため、より高い効果が期待でき、特に小売業や観光業界で注目されています。個人情報保護の観点から、適切な配慮も求められます。
GROW モデル(目標設定フレームワーク)
GROWモデルは、目標達成のためのコーチング手法の一つで、Goal(目標設定)、Reality(現状把握)、Options(選択肢の検討)、Will(行動意志)の4つのステップで構成されています。例えば、英語を話せるようになりたい人が、GROWモデルに沿って「1年以内に英検準1級合格(Goal)」「現在は日常会話レベル(Reality)」「留学、英会話教室、独学(Options)」「毎日30分勉強する(Will)」と整理するイメージです。目標達成までの道筋を明確にできる点が特徴です。
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KPI ツリー(目標設定フレームワーク)
KPIツリーとは、最終目標(KGI)を達成するために必要な行動指標(KPI)をツリー状に細かく分解して整理する手法です。例えば、「売上アップ」という目標に対し、「新規顧客数を増やす」「既存顧客のリピート率を上げる」といったKPIを設定し、さらに具体的な行動(広告出稿、メルマガ配信など)に落とし込みます。こうすることで、どのKPIを改善すれば目標達成に近づくかが分かりやすくなり、組織全体での行動計画が立てやすくなります。
SMART(目標設定フレームワーク)
SMARTとは、効果的な目標設定のための5つの要素を示したフレームワークです。Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)という条件を満たすことが求められます。例えば、「半年以内に英単語を1000語覚える」という目標は、具体的で、測定でき、期限も明確です。このようにSMARTに沿った目標を立てることで、達成の可能性が高まり、行動計画も立てやすくなります。
SECIモデル
SECIモデルとは、知識が組織内でどのように生み出され、共有され、活用されるかを説明する理論です。Socialization(共同化)、Externalization(表出化)、Combination(連結化)、Internalization(内面化)の4段階で構成されます。例えば、ベテラン社員の経験を若手社員に伝える(共同化)、それをマニュアルにまとめる(表出化)、マニュアル同士を統合して改善する(連結化)、若手社員が実際に行動に取り入れる(内面化)といった流れになります。組織知を育てる重要な考え方です。
技術戦略マネジメント
PoC(Proof of Concept:概念実証)
PoCとは、新しいアイデアや技術が実現可能かどうかを、実験的に検証する取り組みのことです。例えば、AIを使った顧客対応チャットボットを開発する前に、小規模なモデルを作り、実際に使えるか試すのがPoCです。PoCによって、リスクを抑えながら早い段階で課題や問題点を発見できるため、大きな投資をする前に有効性を確認できます。特にITやスタートアップ企業では、新サービス開発の初期段階でPoCが積極的に行われています。
PoV(Proof of Value:価値実証)
PoVとは、製品やサービスが「本当にビジネス上の価値を生み出すか」を実際に検証する取り組みのことです。例えば、業務効率化ツールを導入して、1か月間試験運用し、実際に作業時間が短縮できたかを評価するのがPoVです。PoC(概念実証)が「できるか」を試すのに対し、PoVは「役立つか」を確認する点がポイントです。企業はPoVを通じて、新しい技術や製品に対する投資判断をより確実に行うことができるようになります。
ビジネスインダストリ
デジタルガバメント
デジタルガバメントとは、行政手続きや公共サービスをデジタル化し、国民や企業に対してより便利で効率的なサービスを提供する取り組みです。例えば、住民票の取得や税金の申告をインターネット経由でできるようにする施策が該当します。窓口に出向く必要が減り、時間や手間を大幅に削減できるため、国民の利便性向上と行政コストの削減の両方が期待されています。日本政府もデジタル庁を設立し、デジタルガバメント推進に力を入れています。
ガバメントクラウド
ガバメントクラウドとは、政府や自治体が利用するシステムやデータを、安全で効率的なクラウドサービス上に集約する仕組みです。例えば、複数の市町村が個別に管理していた住民情報を、共通のクラウド基盤に移行することで、システムコストの削減やセキュリティ強化が図れます。日本では、2022年から本格運用が始まり、自治体ごとのばらつきや管理負担を軽減し、迅速な行政サービス提供を目指しています。
ベースレジストリ
ベースレジストリとは、行政手続きや公共サービスの基盤となる重要な情報(例:住民情報、法人情報、不動産情報など)を一元管理するためのデータベースのことです。例えば、引っ越ししたときに各役所へ個別に届け出る代わりに、ベースレジストリに登録された情報が自動で関係機関に共有される仕組みが想定されています。これにより、手続きの簡素化やデータの正確性向上が期待されています。
e-Gov
e-Gov(イーガブ)とは、日本政府が運営するオンライン行政サービスの総合窓口サイトです。たとえば、労働基準法に関する申請書をダウンロードしたり、電子申請を行ったりする際に利用されます。企業や個人が、さまざまな行政手続きをインターネット経由で完結できるよう支援するもので、24時間いつでも手続きが可能になるなど、大きな利便性を提供しています。デジタルガバメント推進の中心的な役割を担っています。
電子自治体
電子自治体とは、自治体が住民向けサービスや内部業務をデジタル化し、効率化と利便性向上を目指す取り組みです。例えば、インターネット上で住民票の申請や税金の支払いができる仕組みを整えることが該当します。窓口業務の負担が軽減されるだけでなく、住民にとっても待ち時間の短縮や利便性向上のメリットがあります。地方創生の一環として、全国の自治体で導入が進められています。
電子申請
電子申請とは、役所や行政機関への申請手続きを、紙の書類ではなくインターネットを通じて行う方法です。例えば、会社設立時に必要な登記申請をオンラインで提出するケースがこれに当たります。電子申請により、窓口へ出向く必要がなくなり、手続きがスピーディーかつ確実に行えるようになります。近年では、個人の確定申告(e-Tax)も電子申請の代表例として広く普及しています。
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電子調達
電子調達とは、企業や官公庁が必要な物品やサービスを購入する手続きをインターネット上で完結させる方法です。例えば、政府が備品を購入する際、電子入札システムを使って業者を公募し、契約まで電子的に行う仕組みです。これにより、透明性の向上、不正防止、手続きの効率化が期待されています。日本では「電子調達システム(GEPS)」などを通じて、官公庁の調達業務のデジタル化が進められています。
OMO
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンライン(Webやアプリ)とオフライン(実店舗やリアルな場)の体験を融合させるマーケティング戦略です。例えば、アプリで商品の情報を調べた後、実店舗で試着して購入できる仕組みがOMOにあたります。従来の「オンラインかオフラインか」という区別をなくし、どちらのチャネルでも快適な体験を提供することが目的です。顧客満足度向上と売上増加を両立させる手法として注目されています。
NFT
NFT(Non-Fungible Token)とは、ブロックチェーン技術を利用して、デジタルデータに唯一無二の所有権を持たせる仕組みです。例えば、デジタルアート作品にNFTを付与すれば、誰が本当の持ち主かが証明でき、世界に1つだけの価値を持たせることができます。ゲーム内アイテムや音楽、動画などさまざまな分野で利用が広がっています。デジタルコンテンツの新しい取引・所有の形として注目されています。
中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)
中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)とは、国の中央銀行が発行するデジタル形式の通貨のことです。例えば、日本銀行が発行を検討している「デジタル円」がCBDCにあたります。現金と同じ価値を持ち、スマートフォンなどで簡単に支払いができるようになることを目指しています。民間の電子マネーとは異なり、国が信用を保証する点が特徴です。国際的にも多くの国がCBDC導入に向けた検討を進めています。
VRゴーグル
VRゴーグルとは、仮想現実(VR)空間を体験するために装着する専用のゴーグル型デバイスです。例えば、ゴーグルをかけると、ゲームの中に入り込んだような360度の仮想世界が広がります。最近では、エンタメ分野だけでなく、医療トレーニングや建築設計などの業務分野でも活用が進んでいます。仮想空間の中を自由に動き回ったり、リアルな体験をしたりできるため、今後さらに利用範囲が拡大すると期待されています。
自動運転レベル
自動運転レベルとは、車がどの程度まで自動で運転できるかを示す基準で、国際的にレベル0からレベル5まで定められています。例えば、レベル2は「運転支援」であり、高速道路などでハンドル操作や加減速を車が自動で行いますが、基本的に運転手が監視する必要があります。一方、レベル5は完全自動運転で、人間の操作は一切不要となります。日本では現在、レベル3(特定条件下での自動運転)が実用化されています。
スマートシティ
スマートシティとは、都市全体にIT技術やIoT(モノのインターネット)を活用して、交通、エネルギー、行政サービスなどを効率的に管理・運営する未来型都市のことです。例えば、渋滞情報をリアルタイムで管理して最適な交通誘導を行ったり、スマートメーターでエネルギー使用を最適化したりする仕組みが挙げられます。日本でも、つくば市や豊田市などでスマートシティの実証実験が進められています。
システム戦略
パブリッククラウド
パブリッククラウドとは、インターネットを通じて誰でも利用できる形で提供されるクラウドサービスのことです。例えば、AmazonのAWS(アマゾンウェブサービス)や、Google Cloud、Microsoft Azureなどが代表例です。企業だけでなく個人でも利用可能で、サーバーやストレージなどのITリソースを必要な分だけ使えるため、初期費用を抑えつつ柔軟に運用できます。大規模なインフラを自前で持たずに済むため、特にスタートアップ企業などに人気です。
プライベートクラウド
プライベートクラウドとは、特定の企業や組織専用に構築・運用されるクラウド環境のことです。例えば、大手銀行が自社専用のクラウド基盤を作り、顧客情報を厳重に管理するケースがこれにあたります。外部のユーザーと共有せず、自社のニーズに合わせてカスタマイズできるため、セキュリティ面や運用ルールの自由度が高い点が特徴です。ただし、パブリッククラウドに比べてコストや運用負担は大きくなりやすいという側面もあります。
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ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて利用する形態です。例えば、企業が機密情報は自社専用のプライベートクラウドで管理し、一般的な業務データはコストの安いパブリッククラウドに保存するケースが該当します。それぞれの利点を活かし、コスト削減とセキュリティ強化を両立できるのが特徴です。業務内容やデータの重要度に応じて、最適なクラウド環境を使い分ける柔軟な運用が求められます。
マルチクラウド
マルチクラウドとは、複数のクラウドサービス(例:AWS、Azure、Google Cloudなど)を同時に利用する運用形態のことです。例えば、業務システムはAWS上に、データ分析はGoogle Cloud上に配置するなど、目的に応じてクラウドを使い分けます。特定のサービスに依存しないため、障害リスクの分散や価格交渉力の向上などのメリットがあります。ただし、運用管理が複雑になるため、システム全体の設計や管理体制をしっかり整えることが重要です。
マネージドサービス
マネージドサービスとは、サーバーやネットワーク、アプリケーションなどの運用・管理を専門業者に任せるサービスのことです。例えば、企業がウェブサイトのサーバー運用を専門の業者に依頼し、監視・バックアップ・障害対応などを代行してもらうケースが該当します。自社で専門知識や人員を確保しなくても、安心してIT環境を運用できるため、コスト削減やリソース最適化に役立ちます。特に中小企業やスタートアップ企業での活用が進んでいます。
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