問題
問98
AIにおけるプロンプトエンジニアリングの説明として、適切なものはどれか。
- AIが、多数の事象やデータから普遍的なルールや知識を獲得すること
- AIに対する質問や指示などが入力できる状態であることを、画面上に記号や文字列で示すこと
- 意図した回答を得るためにAIに対する質問や指示の内容、情報の提供、出力形式の指定などを工夫すること
- 神経細胞が作るネットワークをコンピュータで模した、AIで用いられる計算モデルのこと
[出典:ITパスポート試験 令和8年度 問98]
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」です。プロンプトエンジニアリングとは、ChatGPTなどの生成AIから、自分の望むような精度の高い回答や結果を引き出すために、入力する命令文(プロンプト)の内容や構造を工夫する技術のことです。
例えば、単に「美味しいカレーの作り方を教えて」と聞くよりも、「あなたはプロの料理研究家です。初心者でも15分で作れる、隠し味を使った本格的なカレーのレシピを箇条書きで教えてください」と、役割・条件・出力形式を具体的に指定する方が、より役立つ情報を得ることができます。AIは非常に賢いですが、魔法のように何でも察してくれるわけではありません。
AIに背景知識を与えたり、回答の例を示したり、手順を細かく指示したりといった「伝え方の工夫」をすることで、AIの持つ能力を最大限に引き出すことができます。このように、AIとのコミュニケーションを最適化し、必要な情報を正確かつ効率的に得るための重要なスキルといえます。
ア(AIが、多数の事象やデータから普遍的なルールや知識を獲得すること):
これは「機械学習(マシンラーニング)」に関する説明です。大量のデータをコンピュータに読み込ませ、そこから共通のパターンやルールを自律的に見つけ出す手法を指します。
イ(AIに対する質問や指示などが入力できる状態であることを… ):
これは、システム用語としての「プロンプト」自体の説明です。コンピュータがユーザーに対して入力を促すために表示する記号や文字列(「>」や「$」など)を指します。
エ(神経細胞が作るネットワークをコンピュータで模した… ):
これは「ニューラルネットワーク」に関する説明です。人間の脳の仕組み(神経細胞のつながり)をモデルにして、複雑な情報を処理しようとするAIの基盤となる計算モデルのことです。
難易度
近年、生成AIが急速に普及し、ニュースや日常生活でも「プロンプト」という言葉を頻繁に耳にするようになったため、イメージしやすい問題と言えます。ITの高度な専門知識がなくても、「AIへの指示の出し方を工夫すること」という基本的な意味さえ把握していれば、正解の選択肢を容易に選ぶことができます。時事的な用語として、確実に得点しておきたい一問です。
用語補足
プロンプト:
AIやシステムに対して、命令や質問を入力するための文字列のことです。チャット形式のAIであれば、ユーザーがメッセージを書き込む入力欄そのものや、そこに入力する指示を指します。
生成AI:
文章、画像、プログラム、音楽などの新しいコンテンツを自動的に作り出すことができるAIのことです。学習した膨大なデータを基に、人間のように自然な表現で回答を作成できます。
機械学習:
人間がルールを一つずつ教え込むのではなく、コンピュータがデータの中から自動的にルールを学び取る技術です。例えば、大量の猫の写真から「猫の特徴」を自分で学ぶような仕組みです。
ニューラルネットワーク:
人間の脳の神経回路を模した計算手法です。画像の中に何が写っているかを判断したり、翻訳をしたりといった、人間が行う高度な判断をAIで実現するための基礎技術となっています。
対策
対策としては、「プロンプトエンジニアリング」という言葉を「プロンプト(命令)をエンジニアリング(設計・工夫)する」と言葉を分解して覚えるのが効果的です。また、他の選択肢によく登場する「機械学習」や「ニューラルネットワーク」といったAI関連の基本用語と混同しないよう、それぞれの用語が「AIの構造」を指すのか「AIの使いこなし方」を指すのかを整理しておきましょう。

