問題
問64
キャリアアグリゲーションの説明として, 適切なものはどれか。
- 移動中に携帯電話が接続する基地局を切り替える技術
- 携帯電話の通信のセキュリティ機能を高める技術
- 複数の異なる周波数の電波を束ねることによって, 無線通信を高速化する技術
- 無線LANにおいて, アクセスポイントと呼ばれる基地局を経由して端末同士が通信を行う技術
[出典:ITパスポート試験 令和8年度 問64]
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「複数の異なる周波数の電波を束ねることによって、無線通信を高速化する技術」です。キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)の「キャリア」は電波、「アグリゲーション」は集約や集合という意味を持っています。この技術を身近な例で例えると、道路の拡張工事のようなものです。
例えば、1車線しかない道路では一度に1台の車しか通れず、渋滞が発生しやすくなります。しかし、複数の車線を束ねて大きな1つの道路として扱えば、より多くの車が一度にスムーズに走れるようになります。通信の世界でも同様に、本来は別々に使われていた複数の周波数帯(データの通り道)を1つの大きな通り道としてまとめて扱うことで、一度に送信できるデータ量を大幅に増やし、通信速度を向上させることができます。
また、一部の周波数帯で通信が不安定になっても、他の周波数帯で補い合えるため、通信の安定性が増すというメリットもあります。私たちがスマートフォンで高画質な動画を途切れることなく視聴できたり、重いデータを素早くダウンロードできたりするのは、この技術が裏側で働いているおかげです。
ア(移動中に携帯電話が接続する基地局を切り替える技術):
これは「ハンドオーバー」と呼ばれる技術の説明です。移動しても通話や通信が途切れないようにする仕組みです。
イ(携帯電話の通信のセキュリティ機能を高める技術):
通信の暗号化やVPNなどがこれに当たりますが、キャリアアグリゲーションは速度向上を目的とした技術であるため誤りです。
エ(無線LANにおいて、アクセスポイントを経由して端末同士が通信を行う技術):
これは無線LANの「インフラストラクチャモード」の説明です。キャリアアグリゲーションはモバイル回線の通信技術を指します。
難易度
ITに詳しくない方でも、「アグリゲーション(集約)」という言葉の意味を理解していれば、選択肢から「束ねる」というキーワードを見つけ出し、正解を導き出すことができます。ただし、カタカナの専門用語が並ぶ通信分野は、他の用語(ハンドオーバーやテザリングなど)と混同しやすいため、それぞれの技術の目的を明確に整理して覚える必要があります。
用語補足
キャリアアグリゲーション:
複数の電波帯域を束ねて1つの大きな通信路として使い、速度を上げる技術です。例:3つの細いストローをまとめて太いストローとして使うイメージです。
ハンドオーバー:
移動中に接続する基地局を自動で切り替える機能です。例:リレーのバトンパスのように、通信の担当を次の基地局へスムーズに受け渡します。
インフラストラクチャモード:
Wi-Fiルーター(アクセスポイント)を介して通信する一般的な接続方式です。例:先生(親機)を通して生徒(端末)たちが会話をする教室のような状態です。
周波数帯:
電波が通る特定の範囲のことです。例:テレビやラジオのチャンネルのように、用途ごとに割り当てられた専用の「空の道」のようなものです。
対策
この問題を解くポイントは、用語を英語の意味とセットで覚えることです。「Aggregation=集約・ひとまとめにする」と覚えておけば、「束ねる」というキーワードにすぐに気づけます。対策としては、モバイル通信特有の用語(ハンドオーバー、テザリング、ローミング、MIMOなど)を、それぞれ「何のための技術か(速度向上か、移動対応か等)」で分類して整理しておきましょう。

