問題
問13
個人情報保護法に規定された匿名加工情報の説明として、最も適切なものはどれか。
- 厚生労働省や総務省統計局などが公開している統計情報を自社向けに加工し, 自社の保有する情報とひも付けて新たな価値をもたせた情報
- 個人情報のうち氏名を一定の規則に基づいて匿名化するが, 元の個人情報への復元を担保した情報
- 個人情報を法令に定める方法で匿名化し, 復元できないようにしたもので, 一定のルールの下で本人の同意なく利活用できる情報
- 利用者から個人情報を収集する際に, 氏名を取得せず個人番号などほかの情報で個人を識別できるようにして収集した情報
[出典:ITパスポート試験 令和8年度 問13]
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」です。匿名加工情報とは、個人情報を加工して特定の個人を識別できないようにし、さらに元の個人情報を復元できないようにした情報を指します。現代社会ではビッグデータの活用が重要視されていますが、個人情報をそのまま扱うとプライバシー侵害のリスクがあります。そこで、データの利活用と個人の保護を両立させるためにこの仕組みが作られました。
具体的には、名前を削除したり住所を広域な地域名に置き換えたり、年齢を「30代」のように抽象化したりすることで、誰の情報か特定不可能にします。この情報の最大の特徴は、一度正しく加工してしまえば、本人の同意を得ることなく第三者への提供や、ビジネスでの分析に利用できる点です。
例えば、スーパーの購買データから名前を消して「どんな層が何を買っているか」を分析し、新商品の開発に役立てるようなケースが身近な例です。ただし、加工方法は法律で厳格に定められており、勝手に元の情報を探ろうとする行為も禁止されています。安全にデータを活用するための「加工済みの統計用データ」と考えると分かりやすいでしょう。
ア(厚生労働省や総務省統計局などが公開している統計情報を…):
公的な統計情報を自社の情報と紐付けることは、データの分析手法の一つではありますが、匿名加工情報の定義とは異なります。
イ(個人情報のうち氏名を一定の規則に基づいて匿名化するが…):
匿名加工情報は「復元できないこと」が必須条件です。元に戻せるように復元を担保した情報は、匿名加工情報には該当しません。
エ(利用者から個人情報を収集する際に, 氏名を取得せず…):
氏名がなくても、他の情報で個人を識別できる場合は、それ自体が依然として個人情報に該当するため、匿名加工情報とは呼べません。
難易度
「匿名加工情報」という言葉の定義である「特定の個人を識別できないこと」「復元できないこと」「本人の同意なしで利活用できること」というポイントを正確に押さえているかが鍵となります。初学者にとっては、単なる「名前を隠した情報」との区別が少し紛らわしく感じるかもしれませんが、要点さえ理解していれば、選択肢の絞り込みは比較的容易な問題と言えます。
用語補足
個人情報:
氏名や生年月日などにより特定の個人を識別できる情報のことです。例えば、会員番号だけでも他のデータと照合して本人が分かれば、それも個人情報に含まれます。
個人情報保護法:
個人の権利や利益を守るために、個人情報の取り扱いルールを定めた法律です。企業が顧客名簿を適切に管理し、不正な流出や目的外の利用を防ぐための指針となります。
ビッグデータ:
膨大で多様な形式のデータの集まりです。ネットの検索履歴や交通ICカードの利用記録などを大量に分析することで、渋滞予測や流行の把握など、新しい価値を生み出せます。
利活用:
持っている情報や資源を単に使うだけでなく、有効に役立てて新しい価値を生むことです。スマホの歩数データを活用して健康保険料の割引サービスを作ることは、利活用の良い例です。
対策
この問題を解くポイントは、匿名加工情報のキーワードである「復元不可」と「本人同意不要」をセットで覚えることです。試験では「復元可能」や「名前を伏せるだけ(仮名加工情報)」といった選択肢がひっかけとしてよく登場します。匿名加工情報=「もう本人には辿り着けないけれど、その分自由に分析に使えるデータ」というイメージを持つと、正解をスムーズに選べるようになります。

