問題
問95
データベース設計におけるデータ分析で行うこととして、適切なものはどれか。
- データウェアハウスから業務ごとに必要な情報を抽出する。
- データ項目の内容が、指定された条件を満足する行だけを抽出する。
- 必要なデータ項目を洗い出し、項目間の関連を整理する。
- 膨大な情報から統計的手法などを用いて、ビジネスに活用できる情報を探索する。
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問95]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
この問題は、データベース設計における「データ分析」の具体的な目的や作業内容について問うものです。正解の「ウ」は、「必要なデータ項目を洗い出し、項目間の関連を整理する」とあり、これはまさにデータベースの論理設計の初期段階に行われる作業です。データベースの設計では、まずどのようなデータが必要かを特定し、それらのデータの間にどのような関係性(リレーション)があるかを明確にします。これによって、テーブルの設計や正規化といったプロセスに繋がっていきます。
一方、他の選択肢はすでに構築されたデータベースやシステムを用いた運用段階に近い処理であり、「設計段階で行うデータ分析」ではありません。
例えば「ア」はデータウェアハウスから情報を抽出するBI的な活用、「イ」はSQLのSELECT文による抽出、「エ」はデータマイニングに近いアプローチです。したがって、設計で行う分析として適切なのは「ウ」です。
ア(データウェアハウスから業務ごとに…):
これはすでに構築されたデータベースから業務活用のために情報を抽出する「利用フェーズ」に該当します。設計段階の分析とは異なります。
イ(データ項目の内容が、条件を満足…):
これはデータベース利用時に行う検索操作(SQLのWHERE句など)に該当し、設計ではなく利用時の処理です。
エ(膨大な情報から統計的手法…):
これは統計処理やデータマイニングと呼ばれる分析手法であり、分析・活用段階で行う内容です。設計段階の分析とは異なります。
難易度
この問題は、データベース設計の基礎知識を問うものであり、初学者でも教科書レベルの理解があれば正解できます。ただし、「データ分析」という言葉が設計段階と活用段階の両方で使われるため、文脈を正しく読み取る必要があります。したがって、難易度はやや易〜標準レベルです。
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用語補足
データベース設計:
情報システムにおいて必要なデータを構造化して整理・管理するための設計作業です。具体的には、データの種類、関連性、保存方法などを定義します。
データ分析:
収集されたデータを元に、有益な情報やパターンを抽出することです。設計段階では、必要なデータ項目やその関連性を見極めるために用います。
対策
データベースに関する問題では、設計段階・運用段階・活用段階で行われる作業を明確に区別することが重要です。各段階でのキーワード(設計:項目の洗い出し、利用:抽出、活用:分析)を意識しながら学習すると、類似問題にも対応しやすくなります。