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ITパスポート試験 令和7年度 [問94] 過去問解説

問題

問94

稼働率0.9の装置で並列システムを構成したい。このシステムの稼働率を0.999とするためには、最低何台の装置で並列システムを構成する必要があるか。ここで、並列システムを構成したときに、少なくとも1台の装置が稼働していればシステムは正常に稼働しているものとする。

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[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問94]

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正解

正解は「」です。

解説

 この問題は、稼働率に関する並列システムの計算問題です。

 装置の稼働率が0.9つまり90%の確率で稼働している装置を用いて、システム全体の稼働率を0.999以上にするために、何台の装置を並列にすればよいかを問うています。並列システムにおいては、「すべての装置が同時に停止しない限りシステムは稼働している」とみなします。

 したがって、「全装置が同時に停止する確率」を求め、それを1から引いた値が「並列システムの稼働率」になります。

 各装置の停止率は1 – 0.9 = 0.1(10%)です。 例えば3台の装置を並列にした場合、すべての装置が停止する確率は 0.1 × 0.1 × 0.1 = 0.001、 つまり、システム全体の稼働率は 1 – 0.001 = 0.999 になります。

 したがって、最小台数は 3台で条件を満たすことになります。これは業務上でも信頼性設計に関わる重要な考え方で、特にサーバやネットワーク機器などの冗長構成を考える際に役立ちます。

ア(2):
 2台の場合、同時に停止する確率は0.1×0.1=0.01、つまり稼働率は0.99であり、0.999を満たしません。

ウ(4):
 4台の場合、停止確率は0.0001、稼働率は0.9999と条件を満たしますが、最小構成ではないため不適切です。

エ(5):
 5台の場合、稼働率はさらに高くなりますが、必要最小台数を求める問題であるため不正解です。

難易度

 この問題は数学的な計算が必要であり、単純な用語問題に比べてやや難しいと感じる受験者が多いかもしれません。しかし、並列システムにおける基本的な稼働率の計算式(1 – 全停止確率)を理解していれば、難しくありません。基本的な指数計算の理解があれば十分解けるため、やや易~中程度の難易度といえます。

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用語補足

稼働率:
 装置やシステムが正常に稼働している確率のことです。例えば、稼働率0.9とは、90%の確率で稼働していることを意味します。業務の信頼性設計でよく使われます。

並列システム:
 複数の装置を同時に動作させて冗長性(バックアップ性)を高めるシステム構成です。いずれか1つが稼働していれば、全体が稼働していると見なされることが一般的です。

対策

 稼働率の計算問題では、「停止確率」や「並列構成時の稼働率の計算式(1 – 全停止の確率)」を正しく使えることがポイントです。過去問や例題で繰り返し練習しておくことで、指数計算や冗長構成の理解が深まり、他の信頼性設計問題にも応用できます。


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