問題
問89
Aさんは、Bさんから次の4種類のメッセージを受け取った。Aさんが、受け取ったメッセージを復号して読むことができるものだけを全て挙げたものはどれか。
- a AさんとBさんとの共通鍵で暗号化したメッセージ
- b Aさんの公開鍵で暗号化したメッセージ
- c Bさんの公開鍵で暗号化したメッセージ
- d Bさんの秘密鍵で暗号化したメッセージ
- a, b, d
- a, c, d
- b, d
- c, d
[出典：ITパスポート試験 令和7年度 問89]
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正解
正解は「ア」です。
解説
この問題は、暗号化されたメッセージの復号に使用する鍵について理解しているかを問うものです。
aの「AさんとBさんとの共通鍵で暗号化」は、共通鍵暗号方式ですので、同じ鍵をAさんも持っている前提で、復号が可能です。 bの「Aさんの公開鍵で暗号化」は、公開鍵暗号方式における機密保持の用途で使われます。この場合、Aさんの秘密鍵で復号できるため、Aさんは読めます。 dの「Bさんの秘密鍵で暗号化」は、電子署名などに使われる形式で、Bさんの公開鍵で復号できます。
公開鍵は広く公開されているので、Aさんも復号可能です。 一方、cの「Bさんの公開鍵で暗号化」は、Bさんの秘密鍵がないと復号できないため、Aさんは読めません。 したがって、Aさんが復号できるのは「a」「b」「d」であり、正解はアです。
イ（a, c, d）:
cはBさんの秘密鍵でしか復号できないため、Aさんには読めません。
ウ（b, d）:
aの共通鍵によるメッセージもAさんが復号できるはずなので除外されているのは誤りです。
エ（c, d）:
cのメッセージはAさんには復号できないため、誤りです。
難易度
この問題は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式の基本的な知識を問う典型的な出題です。図やイメージを使って暗号化と復号の関係を理解していれば、正解を導くのは難しくありません。IT未経験者でも学習すれば解けるレベルで、難易度は「やや易しい」です。
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用語補足
公開鍵暗号方式：
送信者が受信者の公開鍵でメッセージを暗号化し、受信者が自分の秘密鍵で復号する暗号方式です。たとえば、Aさんの公開鍵で暗号化すれば、Aさんだけが復号できます。
共通鍵暗号方式：
暗号化と復号に同じ鍵（共通鍵）を使用する方式です。鍵のやり取りが必要であり、安全な方法で共通鍵を事前に共有しておく必要があります。
対策
共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の違いや、それぞれの鍵の使い方（暗号化・復号の関係）を図解などで理解しておくことが重要です。実際にAさんやBさんの立場に立って「どの鍵で暗号化し、どの鍵で復号するか」を考えるトレーニングをしておくと効果的です。
