問題
問69
バイオメトリクス認証の他人受入率と本人拒否率に関する次の記述中のa，bに入れる字句の適切な組合せはどれか。
バイオメトリクス認証の認証精度において，他人受入率を低く抑えようとすると 「a」 が高くなり，本人拒否率を低く抑えようとすると 「b」 が高くなる。
[出典：ITパスポート試験 令和7年度 問69]
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正解
正解は「イ」です。
解説
この問題は、バイオメトリクス認証における他人受入率（他人を本人と誤って認証してしまう確率）と本人拒否率（正しい本人を拒否してしまう確率）に関するトレードオフの理解が問われています。
セキュリティを高めるために他人受入率を下げると、認証を厳しくする必要があるため、本人であっても認証に失敗しやすくなり、利便性が下がります。逆に、認証を通りやすくして本人拒否率を下げると、他人も通過してしまいやすくなるため、安全性が下がる可能性があります。
つまり、「aに安全性」「bに利便性」が入る選択肢「イ」が正解です。例えば、スマートフォンの指紋認証を厳しくすると、他人が入れない一方で、少し手汗をかいていたりすると本人でも認証に失敗することがあります。これは安全性と利便性のバランスの問題です。
ア(安全性，可用性):
可用性はシステムが使えるかどうかを示す広い概念であり、認証の利便性と直接的な関係性が薄いため不適切です。
ウ(利便性，安全性):
aとbが逆になっており、文の流れと一致しないため不適切です。
エ(利便性，可用性):
どちらも利便性や使いやすさの観点であり、安全性との対立を表せていないため不適切です。
難易度
本問はセキュリティに関する基本的な概念である「トレードオフ」の理解を問う問題であり、図や表はないものの用語の意味を正しく理解していないと迷いやすいです。バイオメトリクス認証の仕組みや用語の定義をしっかり確認していれば、初学者でも正答にたどり着ける問題です。
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用語補足
バイオメトリクス認証：
指紋や顔、虹彩、声など身体的特徴を使って本人確認を行う認証方式。パスワードのように忘れることがなく、他人によるなりすましが困難です。
他人受入率／本人拒否率：
他人受入率は「他人を誤って本人と認証する割合」、本人拒否率は「本人を誤って認証できなかった割合」です。両者のバランスが重要です。
対策
バイオメトリクス認証に関する問題では、「安全性と利便性のトレードオフ」の考え方を理解しておくことが重要です。選択肢に登場する用語（安全性・利便性・可用性など）は、それぞれの意味を正確に区別して覚えておくと混乱を避けられます。
