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ITパスポート試験 令和7年度 [問61] 過去問解説

問題

問61

DBMSのトランザクションに関する記述として、適切なものはどれか。

  • あるデータベースの内容を他のデータベースに複製し、内容の同期をとる。
  • データベースに対して行った操作を、順次記録する。
  • データベースに対する一連の処理が全て成功したら変更結果を確定し、途中で失敗したら処理前の状態に戻す。
  • データベースの表の索引を作成し、検索時には索引を使用する。

[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問61]

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正解

正解は「」です。

解説

 トランザクションとは、データベースにおいて一連の処理単位をまとめて実行し、そのすべてが成功した場合にだけ処理を確定する仕組みのことです。これにより、処理の一貫性や信頼性を保つことができます。

 たとえば、銀行の振込処理で「Aさんの口座から引き落とし」「Bさんの口座に入金」という2つの処理がある場合、どちらかが失敗すればどちらも取り消す必要があります。これを実現するのがトランザクションの「原子性(Atomicity)」です。

 選択肢ウでは、「一連の処理がすべて成功したら変更結果を確定し、途中で失敗したら処理前に戻す」と記載されており、まさにこの原子性を表しています。そのため、最も適切な選択肢はウとなります。

ア(あるデータベースの内容を他のデータベースに複製し…):
 これはバックアップやレプリケーションの説明であり、トランザクション処理とは関係ありません。
イ(データベースに対して行った操作を、順次記録する):
 この記述はログ(ジャーナル)機能の説明に近く、トランザクションの性質自体を説明するものではありません。
エ(データベースの表の索引を作成し…):
 これはインデックスに関する説明であり、検索の効率化に関する話で、トランザクションとは無関係です。

難易度

 この問題はトランザクション処理の基本的な概念である「全体成功か全体失敗か(原子性)」について問うシンプルな問題です。データベースの基本機能を理解していれば、初心者でも正解しやすく、難易度は低めです。ただし、他の選択肢が関連用語を含んでいるため、混同しない注意が必要です。

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用語補足

トランザクション:
 一連の処理をまとめて実行する単位で、全てが成功した場合に確定し、どれかが失敗した場合にはすべてを元に戻す仕組みを持ちます。銀行の振込処理のように、途中で止まってしまうと困る操作に重要です。

原子性(Atomicity):
 トランザクションにおいて「すべて成功」または「すべて失敗」のどちらかを保証する性質です。これにより、処理の整合性が保たれます。

対策

 データベースのトランザクション処理について学ぶ際は、ACID特性(原子性、一貫性、独立性、永続性)をセットで理解するのが有効です。それぞれの特性が具体的に何を保証しているのかを、日常的な例(銀行取引など)と結びつけて覚えると、試験でも応用しやすくなります。


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